基礎知識ワード集

所得と収入のちがいしょとくとしゅうにゅうのちがい

ひとことで言うと

収入は入ってきたお金の全部。所得はそこから決められた分を引いた残りのお金です。

みさき
「所得」って、年収のことですよね? 手当の案内に「所得制限」って書いてあるんですけど、自分の年収と見比べればいいんですか?
藤井先生
そこ、すごく間違えやすいところなんです。結論から言うと、収入と所得は別の金額です。年収の数字をそのまま所得制限の欄と比べると、対象なのに対象外だと思い込んでしまうことがあります。
みさき
え、違うんですか。じゃあ何がどう違うんですか?

収入は「額面の合計」、所得は「そこから引いたあと」

藤井先生
収入は、お給料やボーナスなど、税金や社会保険料が引かれる前の総額です。源泉徴収票の「支払金額」がこれにあたります。一方所得は、その収入から、働くために必要な経費とみなされる金額(給与所得控除)を差し引いた残りです。
みさき
経費を引いた残りが所得なんですね。パートだと経費なんて使ってないですけど。
藤井先生
パートや会社員の場合は、実際の経費を計算する代わりに、収入額に応じて決まった額を自動的に差し引く仕組みになっています。これが給与所得控除です。
収入と所得の関係

収入(額面の合計) − 給与所得控除 = 所得(給与所得の金額)

みさきさんの場合で計算してみる

藤井先生
みさきさんの場合、給与収入が年間およそ180万円でしたよね。令和7年分以降のルールでは、収入190万円までは給与所得控除が一律65万円です。
みさき
ということは、180万円から65万円を引いて…115万円くらいですか?
藤井先生
そうです、所得はおよそ115万円になります。つまり「年収180万円」と「所得115万円」は同じ人の同じ収入を指していても、数字としてはまったく別物なんです。
みさき
なるほど、65万円分も差があるんですね。これを知らずに手当の所得制限を見てたら、確かに勘違いしそうです。

手当や給付金は「所得」で判定されるものが多い

藤井先生
児童扶養手当の所得制限は、年収ではなく所得(そこからさらに社会保険料相当額などを引いた金額)で判定します。令和8年度の目安では、扶養親族が1人の場合、所得が107万円以下なら全部支給、107万円を超えて246万円以下なら一部支給の対象になります。
みさき
さっき計算した私の所得だと115万円だから…全部支給のラインは超えてるけど、一部支給の範囲には入ってそうですね。
藤井先生
いいところに気づきましたね。実際の判定では、ひとり親の場合の加算控除など、さらに差し引く項目もあります。あくまで目安として捉えて、正確な金額は市区町村の窓口で確認してください。
年収だけで判断しない

「うちは年収がギリギリだから対象外かも」と思っても、実際の所得はそれより低いことがよくあります。自己判断で申請をあきらめず、まずは窓口や試算表で確認しましょう。

みさき
収入と所得の違いがわかると、いろんな制度の説明が読みやすくなりそうです。控除っていう言葉もよく出てくるんですけど、あれも仕組みがよくわかってないんですよね。
藤井先生
では次は、控除がどうやって税金を安くしているのか、その仕組みを見ていきましょう。

※本記事は令和8年7月時点の情報です。税や社会保険の扱いは個別の事情で変わるため、詳しくは税務署・年金事務所・お住まいの市区町村へご確認ください。

よくある質問

シングルマザーですが、児童扶養手当の所得制限は年収で見ればいいですか?
いいえ、年収そのものではなく、年収から給与所得控除などを差し引いた「所得」で判定されます。年収だけで対象外と自己判断せず、市区町村の窓口で確認することをおすすめします。
所得はどこを見ればわかりますか?
会社員・パートの方は源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」、確定申告をしている方は確定申告書の「所得金額等」の合計欄で確認できます。
収入と所得、手取りは全部違うんですか?
はい、それぞれ別の金額です。収入は税・社会保険料を引く前の額面、所得は収入から給与所得控除等を引いた額、手取りは収入から税・社会保険料を実際に引いた後に口座に振り込まれる額です。
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