基礎知識ワード集

控除こうじょ

ひとことで言うと

税金の計算をするときに、収入や税額から差し引ける金額のこと。引ける額が多いほど税金は安くなります。

みさき
「控除」って言葉、税金の書類によく出てくるんですけど、結局何が起きるんですか? お金がもらえるとか、そういうことですか?
藤井先生
惜しいですが、少し違います。控除は、税金を計算するときに「ここから先は税金の対象にしませんよ」と差し引いてもらえる金額のことです。控除額そのものが現金でもらえるわけではありません。
みさき
あ、そうなんですね。てっきり控除された分のお金が戻ってくるのかと思ってました。

控除で安くなるのは「控除額」ではなく「控除額×税率」

藤井先生
そこが一番の誤解ポイントです。所得税は、収入から控除を引いた後の金額(課税所得)に税率をかけて計算します。だから控除が増えると、控除額そのものではなく、控除額に税率をかけた分だけ税金が安くなるんです。
みさき
例えば、10万円の控除があったら、10万円税金が安くなるわけじゃないってことですか?
藤井先生
そうです。たとえば税率が10%の方なら、10万円の控除で安くなる税金は1万円です。税率が20%の方なら2万円安くなります。同じ控除額でも、税率によって効果が変わるんです。
控除の仕組み

控除額そのものが戻るのではなく、「控除額 × 税率」の分だけ税金が軽くなる

みさき
なるほど…控除額がそのまま返ってくると思ってた人、結構多そうですね。

「所得控除」と「税額控除」がある

藤井先生
控除には大きく2種類あります。今説明したのは所得控除で、税率をかける前の所得から差し引くタイプです。扶養控除やひとり親控除、社会保険料控除などがこちらです。もう一つ税額控除というのもあって、こちらは計算した税額から直接差し引くので、控除額がそのまま税金の軽減額になります。
みさき
私たちひとり親がよく聞くのは、どっちの控除ですか?
藤井先生
ひとり親控除は所得控除の方です。要件を満たすと、所得税の計算で35万円を所得から差し引けます。婚姻歴の有無は問われず、母子家庭・父子家庭どちらも対象になります。

ひとり親控除で実際いくら安くなる?

みさき
35万円控除されるとして、実際どれくらい税金が安くなるんですか?
藤井先生
課税所得に対する税率が5%の方なら、35万円×5%でおよそ1万7,500円。税率10%の方なら35万円×10%でおよそ3万5,000円、所得税が軽くなる計算です。加えて住民税でも同様に控除があるので、住民税も軽くなります。
控除は自動で適用されない

ひとり親控除は、年末調整や確定申告で自分から申告して初めて適用されます。会社の年末調整の書類で「ひとり親」欄にチェックを入れ忘れると、控除を受けそこねてしまうので注意してください。

みさき
申告し忘れると損するってことですね、気をつけます。控除で税金が安くなるのはわかったんですが、そもそも税金がかかる・かからないの境目ってどうなってるんですか?
藤井先生
いい質問です。次は「課税」と「非課税」の違いを見ていきましょう。実はここもひとり親家庭には知っておいてほしい特例があるんです。

※本記事は令和8年7月時点の情報です。税や社会保険の扱いは個別の事情で変わるため、詳しくは税務署・年金事務所・お住まいの市区町村へご確認ください。

よくある質問

ひとり親控除を受けると、35万円が現金でもらえますか?
いいえ、現金が支給されるわけではありません。所得税を計算するもとになる所得から35万円を差し引ける、という仕組みです。実際に安くなる税額は「35万円×税率」で、目安として1万〜数万円程度です。
父子家庭でもひとり親控除の控除額は同じですか?
はい、母子家庭・父子家庭で控除額に違いはありません。婚姻歴の有無も問われず、要件を満たせばどちらも所得税で35万円の控除を受けられます。
控除の申告を忘れた場合、あとから受けられますか?
年末調整で申告し忘れた場合でも、確定申告や還付申告をすることで控除を受けられる場合があります。詳しくは税務署に確認してください。
← ワード集にもどる