被保険者ひほけんしゃ
ひとことで言うと
保険に入っている本人のこと。家族(被扶養者)ではなく、保険料や給付の対象になる人自身を指します。
みさき
藤井先生、年金事務所からの書類に「第1号被保険者」って書いてあったんですけど、この「被保険者」って何のことですか?
藤井先生
被保険者というのは、保険に入っている本人のことです。保険料を納めたり、給付を受け取ったりする対象になっている、その人自身を指します。
みさき
「本人」ってことは、家族とは違うんですか?
藤井先生
はい、そこが大事なところです。被保険者に対して、その保険料負担なしで保障を受けている家族のことは「被扶養者」と呼びます。みさきさんが離婚されて、お子さんの扶養や保険の入り方が変わったのも、この被保険者・被扶養者の関係が変わったからなんです。
みさき
なるほど…。結婚しているときは夫の扶養に入っていたので、私は被扶養者だったってことですね。
藤井先生
そのとおりです。夫婦のどちらか一方が会社の健康保険や厚生年金の被保険者で、もう一方が収入の少ない配偶者としてその扶養に入る、というのはよくある形です。
みさき
被保険者って、健康保険とか年金以外にも出てくる言葉なんですか?
藤井先生
出てきます。健康保険・国民健康保険なら医療の保険、国民年金・厚生年金なら年金の保険、ほかにも介護保険や雇用保険など、それぞれの制度に「被保険者」がいます。同じ「被保険者」という言葉でも、そのつど指している保険の種類が違うので、書類を見るときは「これは何の保険の話か」を確認する意識を持つと分かりやすいです。
みさき
それを聞くと、離婚したあとの手続きがちょっと心配になってきました。健康保険はどうなるんですか?
藤井先生
会社員の夫の健康保険の被扶養者だった場合、離婚するとその資格を失うので、多くの方はお住まいの市区町村の国民健康保険に加入することになります。ここで会社の健康保険と大きく違う点があります。国民健康保険には、そもそも「被扶養者」という考え方がありません。
みさき
え、被扶養者がいないってどういうことですか?
藤井先生
国民健康保険では、世帯の中の一人ひとりが、それぞれ被保険者になります。みさきさんご自身はもちろん、お子さんも被保険者としてそれぞれ登録され、保険料は世帯主がまとめて納める、という仕組みです。会社の健康保険のように「扶養に入れれば保険料は増えない」という発想がないので、離婚で会社の健康保険から国民健康保険に切り替わった方は、ここで戸惑うことが多いですね。
みさき
年金のほうも、同じように変わるんですか?
藤井先生
年金では「被保険者」がさらに3つに分かれます。会社員・公務員本人が第2号被保険者、その配偶者で扶養されている方が第3号被保険者、自営業や無職の方などが第1号被保険者です。みさきさんは結婚していたとき、ご主人の扶養に入る第3号被保険者だった可能性が高く、離婚すると第3号被保険者の要件から外れるので、自分で第1号被保険者への切り替え手続きが必要になります。
みさき
それ、忘れたらどうなるんですか?
藤井先生
切り替えの届出をしないままだと、年金の記録が正しくつながらない期間ができてしまうことがあります。具体的な手続きの期限や必要書類は、お住まいの年金事務所や市区町村の窓口で確認してください。国民年金保険料の免除・納付猶予を利用する場合も、まず自分がどの被保険者区分になるかを確認するところから始まります。
みさき
被保険者って言葉、年金がもらえるかどうかにも関わってくるんですか?
藤井先生
はい。たとえば遺族基礎年金は、亡くなった方が国民年金の被保険者だったかどうかが、もらえるかどうかの大事な条件になります。ここでも「被保険者」という言葉が、その人が保険の対象者だったことを表しています。
被保険者・被扶養者のちがい
- 被保険者: 保険に入っている本人。保険料や給付の対象になる人
- 被扶養者: 被保険者に扶養されている家族。健康保険・厚生年金にはこの考え方があります
- 国民健康保険には被扶養者という考え方がなく、世帯の全員がそれぞれ被保険者になります
- 国民年金には第1号・第2号・第3号の3種類の被保険者があります
みさき
そういえば、保険証のことを「被保険者証」って呼ぶこともありますよね?
藤井先生
はい、いわゆる保険証の正式な名前が被保険者証です。今はマイナ保険証への移行が進んでいて、被保険者証としてどんなカードや書類が使えるかは変わってきている最中です。いま自分が何を使えるかは、加入している保険の窓口や公式サイトで確認するのが確実です。
藤井先生
そうですね。同じ「被保険者」という言葉を見たら、まず「これは医療の保険か、年金の保険か」を確認する、そのうえで自分が被保険者なのか被扶養者なのかを整理する、という順番で見ていくと、離婚の前後で変わったことが分かりやすくなると思います。
※本記事は令和8年8月時点の公表情報をもとに作成しています。被保険者・被扶養者の区分や手続きは、加入している保険の種類や個別の状況によって異なります。最新情報は、年金事務所や健康保険の窓口、お住まいの市区町村でご確認ください。
よくある質問
被保険者と被扶養者はどう違いますか?
被保険者は保険に入っている本人で、保険料や給付の対象になる人です。被扶養者は、その被保険者に扶養されている家族のことで、健康保険や厚生年金にはこの区分があります。
国民健康保険にも被扶養者はいますか?
国民健康保険には被扶養者という考え方がありません。世帯の中の一人ひとりが、それぞれ被保険者として登録され、保険料は世帯主がまとめて納めます。
離婚すると年金の被保険者区分は変わりますか?
配偶者の扶養に入っていた第3号被保険者だった方は、離婚するとその要件から外れるため、自分で第1号被保険者への切り替え手続きが必要になります。手続きの詳細は年金事務所や市区町村の窓口で確認してください。
この記事の情報は 時点のものです。 制度の内容は改正や自治体の運用によって変わることがあります。お手続きの前に、お住まいの市区町村の窓口や公式サイトで最新の内容をご確認ください。
← 用語集にもどる