栃木県の制度
養育費の公正証書代が戻る|栃木県の離婚前後家庭支援は上限3万円【令和8年度】
この制度は栃木県にお住まいの方が対象です。全国共通の制度と併用できます。
みさき
先生、うちは離婚のとき養育費のことをちゃんと書面にしてなくて、ずっと気になってたんです。最近、友達が「公正証書を作ったら、栃木県からお金が出る制度があるらしい」って言ってて。本当ですか?
藤井先生
はい、あります。栃木県離婚前後家庭支援事業という制度で、養育費について公正証書を作った費用を、上限3万円まで補助してくれます。ただ、先にお伝えしておきたいことがあって、この制度には大きな条件があるんです。
みさき
条件って何ですか?
藤井先生
対象になるのは、栃木県内の「町」にお住まいの方だけなんです。栃木県は14の市と11の町でできていますが、この制度が使えるのは11の町にお住まいの方に限られます。市にお住まいの方は、残念ながらこの制度の対象外です。
みさき
え、市に住んでたら使えないんですか…。栃木市とか宇都宮市とかも全部ダメってことですよね。
藤井先生
そのとおりです。栃木市も宇都宮市も、小山市も足利市も、市はすべて対象外です。この記事では、まず対象になる町の名前と、市にお住まいの方が代わりにできることも合わせてお伝えしますね。
栃木県離婚前後家庭支援事業ってどんな制度?
みさき
そもそも、この制度ってどこで見つけたんですか?県のホームページを探しても出てこなかったので。
藤井先生
実は、それも大事なポイントなんです。この制度は、栃木県のひとり親家庭向けページの一覧には載っていません。県が公表している「ひとり親家庭」のページにも、子育てポータル「とこぽ」のひとり親向けページにも出てこないんです。
みさき
え、そうなんですか。じゃあどこに書いてあるんですか?
藤井先生
申請窓口になっている委託先、公益財団法人栃木県ひとり親家庭福祉連合会のサイトのお知らせに、案内のチラシが1枚公開されています。栃木県のこども政策課が制度そのものを持っていて、実際の相談・申請の受け付けは連合会が担当する形です。
みさき
なるほど…。県のページだけ見てたら、絶対に見つけられなかったです。
藤井先生
そうなんです。だから、栃木県内の町にお住まいで、公正証書を作る予定がある方には、ぜひこの記事で知っておいてほしいんです。制度の中身はシンプルで、養育費について公正証書を作るときにかかった実費を、あとから補助してもらえるというものです。
みさき
公正証書って、私も離婚のときに勧められたんですけど、結局作らなかったんですよね。何にお金がかかるものなんですか?
藤井先生
公証役場で公証人手数料を払って、養育費や親子交流について公的な約束事として書面にするものです。次の章で、補助の対象になる費用を具体的に見ていきましょう。
対象は栃木県内11町にお住まいの方だけです

みさき
さっきの話、もう少し詳しく教えてください。町ってどこのことですか?
藤井先生
栃木県公式サイトの市町一覧をもとにすると、栃木県内の町は次の11です。
対象になる栃木県内11町
- 上三川町
- 益子町
- 茂木町
- 市貝町
- 芳賀町
- 壬生町
- 野木町
- 塩谷町
- 高根沢町
- 那須町
- 那珂川町
藤井先生
この11の町にお住まいの、ひとり親家庭の方が対象です。母子家庭・父子家庭のどちらでも構いません。
みさき
シングルマザーだけじゃなくて、シングルファーザーも対象なんですね。
藤井先生
はい、そうです。逆に言うと、これ以外の14市(宇都宮市・栃木市・足利市・佐野市・鹿沼市・日光市・小山市・真岡市・大田原市・矢板市・那須塩原市・さくら市・那須烏山市・下野市)にお住まいの方は、この制度は使えません。
みさき
うちは市だから対象外ってことですね…。がっかりです。
藤井先生
お気持ちわかります。ただ、市にお住まいの方向けの選択肢も後の章でお伝えしますので、そちらも読んでみてください。まずは、11町にお住まいの方向けに、補助の中身を具体的に見ていきますね。
いくら補助される?対象になる費用

みさき
町に住んでいれば、公正証書にかかったお金は全部戻ってくるんですか?
藤井先生
「全部」ではなく、対象になる費用の実費を、上限3万円まで補助してもらえる、という形です。対象になる費用は次の3種類です。
| 対象になる費用 | 内容 |
|---|---|
| 公証人手数料 | 公証人手数料令(平成5年政令第224号)で決まっている、公証役場に払う手数料 |
| 収入印紙代 | 調停の申立てや裁判をした場合にかかる収入印紙の代金 |
| 書類の取得費用・切手代 | 戸籍謄本など添付書類の取得費用、連絡用の郵便切手代 |
みさき
この3つを足した金額が、そのまま戻ってくるってことですか?
藤井先生
足した金額が3万円以内なら、その全額です。3万円を超えた場合は、3万円までしか補助されません。たとえば実費が4万円かかっても、戻ってくるのは3万円までということですね。案内チラシに対象として書かれている費用は上の3種類だけで、弁護士費用や保証料は書かれていません。
みさき
公証人手数料って、だいたいいくらぐらいかかるものなんですか?
藤井先生
公証人手数料は、公証人手数料令という決まりに沿って算定されます。正確な金額は、お近くの公証役場に直接確認するのが確実です。
実費が3万円を超えた分は自己負担になります
補助されるのは上限3万円までです。公証人手数料・収入印紙代・書類取得費用・切手代を合計した実費が3万円を超える場合、超えた分は戻ってきません。公正証書を作る前に、公証役場でおおよその手数料を確認しておくと安心です。
みさき
わかりました。次は、私みたいな人が対象になるのか、具体的な条件を知りたいです。
対象になる要件(3つ)
藤井先生
対象になるための要件は3つです。案内チラシに書かれている内容をそのままお伝えしますね。
- 養育費の取決めの対象となる子どもを、実際に育てている(扶養している)こと
- 令和8年4月1日以降の養育費について公正証書を作成し、その費用を負担したこと
- 過去に同じ子どもを対象として、この補助金を受け取ったことがないこと
藤井先生
この3つをすべて満たしている必要があります。
みさき
令和8年4月1日以降に作った公正証書というのが、地味に大事なポイントですね。それより前に作った分は対象外ってことですか?
藤井先生
そのとおりです。案内チラシにそう明記されています。これから公正証書を作る予定がある方は、日付を意識しておくとよさそうです。
みさき
あと、所得制限はどうなんですか。うちは年収180万円くらいのパートなんですけど。
藤井先生
正直にお伝えすると、案内チラシには所得に関する条件は書かれていません。ただ、書かれていないことと、所得の条件が本当にないことは別の話です。制度の細かいルールを定めた「交付要領」という文書があるはずなのですが、私たちが確認できた範囲では、県のサイト上に公開されていませんでした。
みさき
え、じゃあ所得制限があるかないか、わからないってことですか?
藤井先生
今の時点では、はっきりしたことは言えません。ですので、この記事では「所得制限はありません」とは書きません。申請を考えている方は、後でお伝えする連絡先に、ご自身の状況を伝えて確認してもらうのが確実です。
申請の期限は「作成日の翌日から6か月以内」
みさき
期限ってあるんですか?公正証書を作ってから、いつまでも申請できるわけじゃないですよね。
藤井先生
公正証書を作成した日の翌日から数えて6か月以内に、申請窓口へ相談する必要があります。医療費助成のような1年の期限に比べると、かなり短めです。
みさき
6か月って、あっという間に過ぎちゃいそうです。
藤井先生
そうなんです。公正証書を作ったら、できるだけ早めに動き始めるのがおすすめです。次は、実際にどう申請するのか、流れを見ていきましょう。
申請の流れ
藤井先生
申請の流れは、案内チラシによると次の5つのステップです。
ステップ
- 相談:申請窓口である公益財団法人栃木県ひとり親家庭福祉連合会に、申請についての相談をします
- 補助金交付申請:相談のあと、対象の要件に当てはまる場合は、必要な書類をそろえて交付申請書を提出します
- 交付決定:提出された書類を審査したうえで、栃木県が補助金を出すかどうかを決めて、申請した人に通知します
- 補助金の請求:交付が決まったら、決められた期限までに、必要な書類を添えて補助金を請求します
- 補助金の支給:請求のあと、指定した口座に補助金が振り込まれます
みさき
思ったよりステップが多いんですね。相談してすぐお金がもらえるわけじゃないんだ。
藤井先生
はい、まずは相談から始まって、審査を経て支給まで進む流れです。医療費助成のように、先に受給者証をもらっておくといった事前の手続きは案内チラシに書かれていません。公正証書をあらかじめ作って費用を負担したあとに申請する仕組みです。必要な書類は「栃木県離婚前後家庭支援事業補助金交付要領」という文書に書かれているとされていますが、この記事を作る時点では、その文書自体を確認できませんでした。申請を考えている方は、最初の相談のときに、必要書類も一緒に確認してもらうのがよさそうです。
所得要件・交付要領はチラシに書かれていません
みさき
さっきから何度も「確認できていません」って出てきますけど、要するにこの制度、情報が少ないってことですよね。
藤井先生
正直に言うと、そのとおりです。栃木県のひとり親家庭ページに載っていないだけでなく、次の点も、公開されている情報だけでは確認できませんでした。
この記事の時点で確認できていないこと
- 所得制限があるかどうか、あるとすればいくらか
- 補助金交付要領そのものの内容(必要書類の詳細など)
- この事業がいつまで続くか(実施期間)
藤井先生
「所得制限はありません」と書いてしまうと、もし本当は制限があったときに、読んだ方が損をしてしまいます。ですから、わからないことは正直に「わからない」とお伝えしています。
みさき
それはそうですね。じゃあ、確認したい人はどうすればいいんですか?
藤井先生
申請窓口である公益財団法人栃木県ひとり親家庭福祉連合会(電話028-665-7806)に、ご自身の状況を伝えて相談するのが一番確実です。制度そのものを持っている栃木県こども政策課(メール jidokateishien@pref.tochigi.lg.jp)でも案内してもらえます。連絡先は、あとの章でもう一度まとめますね。
市にお住まいの方はどうすればいい?
みさき
私みたいに市に住んでいる場合、養育費のことで頼れる制度って他にないんですか?
藤井先生
いくつかあります。まず、養育費を取り決めるための合意書のひな形やパンフレットを、法務省が養育費の取決めの支援として、所得などの条件なしに全国どこからでも無料で公開しています。これは市・町にかかわらず使えます。
みさき
それは市に住んでる私でも使えるってことですね。
藤井先生
はい。それから、市が独自の養育費支援をしている場合があります。栃木県内の市の制度は、この記事では扱っていないので、お住まいの市役所の子育て担当窓口に、公正証書の作成費用や養育費に関する独自の支援がないか、直接確認してみてください。
みさき
市役所に聞いてみればいいんですね。
藤井先生
そうです。それと、養育費の取り決めとは別に、児童扶養手当も確認しておくとよいと思います。こちらは全国共通の制度で、市に住んでいても町に住んでいても、公正証書の有無にかかわらず調べられます。
令和8年4月1日施行の改正民法との関係
みさき
さっきから「令和8年4月1日以降の養育費」ってよく出てきますけど、何か意味があるんですか?
藤井先生
令和8年4月1日は、共同親権や法定養育費などを盛り込んだ改正民法が施行された日でもあります。この制度の対象も「令和8年4月1日以降の養育費についての公正証書」となっていて、時期が重なっています。ただし、案内チラシには改正民法との関わりは書かれていません。栃木県のひとり親家庭ページには、改正民法についての案内も別に掲載されていますので、詳しい内容が気になる方はそちらも確認してみてください。ここでは、対象の期間が令和8年4月1日以降だという事実だけ、しっかり覚えておいてもらえればと思います。
栃木県離婚前後家庭支援事業の基本情報まとめ
みさき
ここまでの話、一度表にまとめてもらえますか?
藤井先生
もちろんです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 栃木県離婚前後家庭支援事業 |
| 対象者 | 栃木県内11町(上三川町・益子町・茂木町・市貝町・芳賀町・壬生町・野木町・塩谷町・高根沢町・那須町・那珂川町)にお住まいのひとり親家庭。市にお住まいの方は対象外 |
| 補助額 | 公証人手数料・収入印紙代・戸籍謄本等取得費用・郵便切手代の実費。上限3万円(令和8年度) |
| 対象になる公正証書 | 令和8年4月1日以降に作成し、費用を負担したもの |
| 所得制限 | 案内チラシに記載なし。確認できていません |
| 申請期限 | 公正証書を作成した日の翌日から6か月以内 |
| 申請窓口 | 公益財団法人栃木県ひとり親家庭福祉連合会(電話028-665-7806) |
| 制度の実施主体 | 栃木県保健福祉部こども政策課 児童家庭支援虐待対策担当(メール jidokateishien@pref.tochigi.lg.jp) |
みさき
こうして見ると、対象が町だけっていうのが、やっぱり大きいですね。
藤井先生
そうですね。ただ、対象になる町にお住まいの方にとっては、公正証書を作る後押しになる制度だと思います。次は、あわせて確認しておきたい他の支援制度をご紹介します。
併用できる他の支援制度
藤井先生
この制度とあわせて知っておきたい支援制度を2つご紹介します。
- 養育費の取決めの支援(法務省):養育費や親子交流の合意書のひな形、パンフレットを、全国どこからでも無料で使える国の制度です。公正証書を作る前の「何を決めればいいか」を整理するのに役立ちます
- 児童扶養手当:離婚などでひとり親になった家庭に対する、国の手当です。養育費の有無や公正証書の有無にかかわらず、対象になるかどうか確認しておく価値があります
みさき
公正証書を作る前と後、両方でサポートがあるってことですね。
藤井先生
はい。特に養育費の取決めの支援は、市・町どちらにお住まいでも使えるので、まずはそちらから確認してみるのもおすすめです。
公式情報・問い合わせ先
問い合わせ先
公益財団法人栃木県ひとり親家庭福祉連合会(申請窓口) 〒320-0071 栃木県宇都宮市野沢町4番地1 電話028-665-7806(受付9時00分から17時00分、最終受付16時30分)
栃木県保健福祉部こども政策課 児童家庭支援虐待対策担当(制度の実施主体) メール jidokateishien@pref.tochigi.lg.jp
藤井先生
案内チラシと、連合会・県のお知らせページのリンクも載せておきますね。
みさき
わかりました。まずは電話で相談してみようと思います。ありがとうございました。
藤井先生
対象になる町にお住まいの方は、ぜひ検討してみてください。市にお住まいの方も、お住まいの市の窓口や、養育費の取決めの支援は使えますので、あわせて確認してみてくださいね。
※本記事は令和8年9月時点の公表情報をもとに作成しています。栃木県離婚前後家庭支援事業の所得要件、必要書類、実施期間などは、公開されている案内チラシに記載がなく、確認できていません。申請をご検討の方は、必ず公益財団法人栃木県ひとり親家庭福祉連合会(電話028-665-7806)または栃木県保健福祉部こども政策課(メール jidokateishien@pref.tochigi.lg.jp)へ、ご自身の状況を伝えたうえでご確認ください。
よくある質問
栃木県のどこに住んでいれば対象になりますか?
栃木県内の11の町(上三川町・益子町・茂木町・市貝町・芳賀町・壬生町・野木町・塩谷町・高根沢町・那須町・那珂川町)にお住まいの方が対象です。宇都宮市・栃木市・小山市などの市にお住まいの方は対象外です。
所得制限はありますか?
案内チラシには所得に関する条件は書かれていません。ただし、書かれていないことと所得制限が無いことは同じではないため、この記事では「所得制限なし」とは案内していません。申請前に公益財団法人栃木県ひとり親家庭福祉連合会(電話028-665-7806)へご確認ください。
いつ作った公正証書でも対象になりますか?
対象になるのは令和8年4月1日以降に作成し、費用を負担した公正証書です。それより前に作成したものは対象外です。
申請の期限はいつまでですか?
公正証書を作成した日の翌日から起算して6か月以内に、申請窓口である公益財団法人栃木県ひとり親家庭福祉連合会へ相談する必要があります。
市に住んでいる場合、養育費について使える支援はありませんか?
栃木県離婚前後家庭支援事業は使えませんが、法務省の養育費の取決めの支援は市・町にかかわらず全国どこからでも無料で使えます。また、お住まいの市が独自に養育費の支援をしている場合があるので、市役所の子育て担当窓口にも確認してみてください。
この記事の情報は 時点のものです。(初回公開: ) 制度の内容は改正や自治体の運用によって変わることがあります。お手続きの前に、お住まいの市区町村の窓口や公式サイトで最新の内容をご確認ください。







