ひとり親家庭等医療費助成とは|『マル親』の対象・自己負担は自治体ごとに違う
みさき
先生、うちの子が急に熱を出して小児科に連れて行ったとき、窓口で「マル親」って書かれた紙を出したら会計がすごく安くなったんです。あれって何だったんですか?
藤井先生
それはひとり親家庭等医療費助成制度ですね。東京都などでは「マル親」という通称で呼ばれていますが、実は制度名も中身も自治体によってかなり違うんです。
みさき
違うんですか? てっきり全国共通の制度だと思っていました。
藤井先生
そこが今日いちばんお伝えしたいポイントです。この制度は国が金額まで一律に決めている制度ではなく、都道府県や市区町村がそれぞれ独自に実施している助成制度なんです。だから「みさきさんの市ではどうなっているか」を確認する視点がとても大切になります。
みさき
なるほど、それなら「うちの場合はどうなの?」を教えてもらう感じで聞いていきたいです。
藤井先生
いいですね。今日は①誰が対象か ②助成されるのは親か子どもか ③所得制限はいくらか ④窓口負担と償還払いはどうなるか ⑤申請期限・更新手続きは何かという5つの確認ポイントに沿ってお話ししていきますね。この5つさえ押さえれば、どの自治体に住んでいても窓口で迷わず質問できるようになりますよ。
マル親医療費助成ってどんな制度?
藤井先生
まず制度の位置づけから整理しましょう。千葉県が公式サイトで説明している言葉を借りると、「この助成の実施主体は市町村で、市町村ごとに条例等で助成方法等を定めています。県は市町村に補助金を交付し支援しています」とされています。つまり実際に窓口になり金額を決めているのは主に市区町村で、都道府県は補助金という形で財政的に支えている立場です。全国一律の給付基準は設けられていません。
みさき
じゃあ「マル親」っていう呼び方も全国共通じゃないんですね。
藤井先生
はい。東京都やその周辺の市区町村では「マル親」という通称が定着していますが、他の地域では「ひとり親家庭等医療費助成」「福祉医療費助成」など呼び方が違うこともあります。受給者証の名称や見た目もさまざまです。共通しているのは、主に医療保険の自己負担分を軽減する制度だという点で、そこから先の対象者・金額・手続きは自治体ごとに確認していく必要があります。

自治体ごとの制度とは?
- 国の役割: ひとり親家庭支援の施策の一つとして各制度を紹介しているが、金額や細かい要件までは決めていない
- 都道府県の役割: 市区町村への補助金交付など、財政面での支援が中心になっている自治体がある
- 市区町村の役割: 実際の申請窓口となり、所得制限額・自己負担額・対象年齢・受給者証の名称などを条例で個別に決定する
- 制度の名称そのものも「マル親」「ひとり親家庭等医療費助成」「福祉医療費助成」など自治体によって異なる
みさき
つまり「マル親」という名前だけ覚えても、うちの市で使えるかどうかは分からないってことですね。だからこそ5つの確認ポイントが大事なんですね。まずは誰が対象になるのか、そこから教えてください。
確認ポイント① 誰が対象か
藤井先生
このセクションでは「そもそも誰が対象になるのか」を確認していきます。原則として、離婚・死別・障がい・生死不明などの事情でひとり親となった家庭の親御さんとそのお子さんが対象です。母子家庭・父子家庭のどちらも同じ枠組みで対象になります。足立区の例では「離婚、死亡、障がい、DV保護命令など8つの要件のいずれかに該当する方」と具体的に列挙されていて、離婚だけが理由ではないことがわかります。
みさき
「多くの自治体で対象」みたいな言い方だと、うちが対象かどうか不安になります。
藤井先生
おっしゃる通りです、根拠のない言い方はやめますね。離婚・死別などにより父または母の一方が児童を養育している家庭の親と児童を対象としている自治体があります。そのうえで、父母の一方が一定の障害状態にある場合や、DV保護命令が出ている場合、父母がいない児童を養育する方などを対象に含める自治体もあります。「対象かどうか」は思い込みで判断せず、お住まいの自治体の要綱で確認するのが確実です。
みさき
子どもの年齢に上限ってあるんですか?
藤井先生
子どもが18歳に達した日の属する年度の末日(高校卒業にあたる年度の3月31日)までを対象にする自治体があります。障がいがある場合は20歳未満まで対象を広げる自治体もありますが、これも自治体によって異なる部分なので、お住まいの自治体の要綱を確認してください。
健康保険への加入が前提となる自治体があります
この制度は医療保険の自己負担分を助成する仕組みのため、国民健康保険や被用者保険など何らかの医療保険に加入していることが前提となる自治体があります。また、生活保護を受給している方は対象外とする自治体があります。東京都のページでも「国民健康保険や健康保険など各種医療保険の加入が前提」「生活保護を受けている方は助成対象外」と明記されています。生活保護を利用している方は、医療扶助など別の仕組みで医療費が扱われる形になります。
みさき
うちは国保に入っているので、その点は大丈夫そうです。次に気になるのが、この助成が親と子どものどちらに使えるのかっていうことです。
確認ポイント② 助成されるのは親? 子ども?
藤井先生
ここは見落としやすいポイントです。制度名からは「親も子も同じように助成される」ように見えますが、実は親と児童のどちらまでを助成対象にしているかも自治体によって違います。親と児童の両方を対象にする自治体もあれば、児童のみを対象にする自治体もあります。
みさき
同じ「ひとり親の医療費助成」でも、対象になる人の範囲が違うことがあるんですね。
藤井先生
特に分かりやすい例が神戸市です。神戸市では、高校生年代以下(18歳到達後の最初の3月31日まで)の子どもは「こども医療費助成」という別の制度の対象になり、ひとり親家庭等医療費助成の対象にはなりません。ひとり親家庭等医療費助成の対象になるのは、18歳到達後の最初の4月1日から20歳到達月の末日までの間で、高等学校などに在学中の子どもという条件です。つまり同じお子さんでも、年齢の段階によって受ける助成制度が切り替わる仕組みになっています。
みさき
てっきり「ひとり親家庭の子はずっとマル親の対象」だと思っていました。
藤井先生
そう思われがちなんですが、実はこのように他の医療費助成制度との役割分担も自治体によって異なります。「こども医療費助成」のような子育て世帯全体向けの制度と、ひとり親家庭等医療費助成が別々に用意されていて、年齢や制度間でうまく引き継がれる自治体もあれば、そうでない自治体もあります。お子さんの年齢によってどちらの制度が使えるのか、窓口で確認しておくと安心です。
みさき
「親も対象」「子も対象」だけじゃなくて、「どの制度がどの年齢を担当しているか」まで確認する必要があるんですね。次は一番気になる所得制限を教えてください。
確認ポイント③ 所得制限はいくらか
藤井先生
所得制限を設けている自治体があり、金額や判定の仕組みは自治体ごとに異なります。そして児童扶養手当と同じか、それに準じた所得基準を使う自治体があります。埼玉県の公式ページでも「児童扶養手当に準じた所得制限」とはっきり書かれていますし、千葉市も「前年の所得が児童扶養手当受給水準以下であること」を要件にしています。
みさき
じゃあ児童扶養手当をもらえていれば、この医療費助成も自動的にもらえるってことですか?
藤井先生
自動的に認定されるとは限りません。医療費助成は原則として児童扶養手当とは別の制度で、別途申請が必要になります。所得基準が似ていても、判定に使う所得の年度がずれることもあります。町田市の例では「児童扶養手当は前年の所得、ひとり親家庭等医療費助成制度は前々年の所得が対象になる場合がある」とされており、同じ市の中でも2つの制度の判定基準は似ていても完全に同一ではない場合があります。
みさき
前に先生が「208万円くらいが目安」って教えてくれた気がするんですが、あれはどういう数字だったんでしょうか?
藤井先生
そこは私の以前の説明が不正確でした、訂正させてください。足立区や堺市では、扶養親族等が0人の場合、申請者本人の所得限度額を208万円未満としています。この額は、令和6年11月以降の児童扶養手当における一部支給の所得限度額と同水準です。児童扶養手当の全部支給の限度額は、扶養親族等0人の場合69万円で、208万円ではありません。ただし、所得の判定時期、控除、扶養義務者の扱いなどが完全に同じとは限らないので、この208万円という数字はあくまで足立区・堺市という個別の自治体の例として見てください。
みさき
全部支給の69万円と、一部支給の208万円を混同していたんですね。危うく勘違いしたままになるところでした。
藤井先生
はい、ここは金額を覚え違えると生活設計に関わる部分なので、正直にお伝えしておきたかったんです。扶養人数が増えれば限度額も上がりますし、自治体によって設定額自体が異なることもあります。ご自身の扶養人数での正確な限度額は、児童扶養手当の所得制限テーブルとあわせて、お住まいの自治体窓口で確認するのが確実です。
みさき
埼玉県は通院月1,000円って書いてあった気がしますが、これも所得制限の話と関係ありますか?
藤井先生
それは自己負担額の話ですね。埼玉県が定めている基準では、通院は医療機関ごとに1人月額1,000円、入院は医療機関ごとに1人1日1,200円で、市町村民税が非課税の場合は免除されます。ただしこれは県が定める基準であって、さいたま市のように市町村が独自に上乗せして全額助成にしている例もあります。「県基準を県内の全受給者が必ず負担する額」と決めつけず、お住まいの市町村の窓口で確認してください。次は、この自己負担額と、窓口でどう払うかについて詳しく見ていきましょう。
確認ポイント④ 窓口負担と償還払いはどうなるか
藤井先生
ここが今日いちばん自治体差の大きいポイントです。自己負担額は自治体によってまったく違います。全額無料のところもあれば、通院1回いくら、月額上限いくらと決まっているところもあります。まず東京都の例を詳しく見てみましょう。
みさき
東京都は「1割負担」って聞いたことがあるんですが、本当ですか?
藤井先生
はい、本当です。東京都の課税世帯は、原則として保険診療分の1割を自己負担します。ただし上限があって、外来は個人ごとに月額18,000円・年間上限144,000円、入院等は月額57,600円などの上限が設けられています。非課税世帯は保険診療分の自己負担がありません。「1割負担」と聞くと不安になるかもしれませんが、上限額があるので青天井にはなりません。
みさき
1割で上限もあるなら、思ったより安心できそうです。他の自治体の例も見てみたいです。
現物給付と償還払いの違い
- 現物給付: 医療機関の窓口で受給者証を提示すれば、その場で自己負担額(0円や定額など自治体が決めた金額)だけを支払えばよい
- 償還払い: いったん医療保険の自己負担分を窓口で立て替え払いし、あとから領収書を添えて自治体に申請すると、助成分が口座に振り込まれる
- 受給者証を利用できない医療機関、自治体外・都道府県外での受診、受給者証の提示忘れ、治療用装具などは償還払いになる場合があります
みさき
立て替えが必要なケースもあるんですね。覚えておきます。
藤井先生
続けて具体例を見ていきましょう。あくまで「◯◯市の例」であって、全国共通の金額ではないという前提で見てくださいね。
自治体で見られる主な制度例
藤井先生
※以下は2026年7月に各自治体の公式サイトで確認した制度例です。制度改正や市区町村独自の上乗せにより変更されることがあります。実際の利用前に、必ず居住自治体の最新情報をご確認ください。
| 自治体 | 自己負担額の例 | 給付方法 | 確認日 |
|---|---|---|---|
| 東京都(足立区含む都内区市町村) | 課税世帯は保険診療分の1割負担。外来は個人ごと月額上限18,000円(年間上限144,000円)、入院等は月額上限57,600円。非課税世帯は自己負担なし | 都内契約医療機関は現物給付、都外受診は償還払い | 2026年7月 |
| 千葉市 | 保険診療の自己負担額を全額助成し、実質無料 | 千葉県内は現物給付、県外受診時などは償還払い | 2026年7月 |
| 埼玉県(県基準) | 通院は医療機関ごとに1人月額1,000円、入院は医療機関ごとに1人1日1,200円。市町村民税非課税なら免除。さいたま市は独自に全額助成 | 自治体ごとに詳細が異なる | 2026年7月 |
| 堺市 | 通院・入院とも1つの医療機関ごとに対象者1人当たり1日500円まで(同じ医療機関で月2日まで)。調剤薬局は自己負担なし。対象者1人当たり月額2,500円を超えた分は自動的に還付 | 大阪府内は現物給付、府外受診等は償還払い(超過分は口座へ自動還付) | 2026年7月 |
| 神戸市 | 外来は1日最大400円を月2回まで(3回目以降は無料)、入院は1割負担で月額上限1,600円 | 詳細は自治体窓口で要確認 | 2026年7月 |
みさき
5つの自治体を並べただけでも、無料のところから1日500円、月額1,000円台までいろいろあるんですね……。うちの市がどのパターンか、これだけ見ても分からないです。
藤井先生
そうなんです。だからこそこの記事の金額はあくまで他の自治体の例として参考にしていただき、お住まいの市区町村の窓口かホームページで必ず確認してほしいんです。次は、申請したあとどのくらいの期間有効なのか、更新の手続きについて見ていきましょう。
確認ポイント⑤ 受給者証の有効期限・更新方法を確認
藤井先生
このセクションでは、受給者証の有効期限や更新の仕組みを確認していきます。受給者証には有効期限が設けられていることがあり、自治体が定期的に所得や世帯状況を確認して更新します。更新が自動的に行われるのか、書類の提出が必要なのかは自治体によって異なります。
みさき
「毎年提出しないといけない」って聞いた気もするんですが、違うんですか?
藤井先生
そこも自治体で運用が分かれるところです。更新の時期や方法(自動更新か、現況届のような書類提出が必要か)は自治体によって異なりますので、「毎年必ず届出が必要」と決めつけず、受給者証に記載された有効期限や、自治体からの案内を確認してください。手続きを忘れると資格が停止されたり、受給者証が使えなくなったりすることがあるので、案内が届いたら早めに対応するのが安心です。
みさき
申請そのものにも期限ってあるんですか?
藤井先生
対象の事由(離婚した、など)が発生してから申請までの期間や、さかのぼって助成を受けられる期間も自治体によって設定が異なります。「対象になったかもしれない」と思ったら、時間を置かずにお住まいの窓口へ相談するのがいちばん確実です。窓口に行く前に、次は必要な書類を確認しておきましょう。
必要書類は何が必要?
藤井先生
必要書類は、申請理由や世帯状況、市区町村によって異なります。ここでは一例をご紹介しますが、窓口へ行く前に、必ずお住まいの市区町村へ確認してください。足立区の例を挙げると、健康保険情報がわかるもの、申請者とお子さんの戸籍謄本、本人確認書類が必要とされています。ひとり親になった事情(離婚・死別など)を確認するための書類も別途求められることがあります。
| 書類の例 | 内容 |
|---|---|
| 健康保険の資格がわかるもの | マイナ保険証、資格確認書、資格情報のお知らせ、マイナポータルの資格情報画面などが対象になる場合があります(従来の健康保険証は2025年12月1日をもって原則使えなくなっています) |
| 戸籍謄本など | ひとり親であることや続柄を確認するため |
| 本人確認書類 | 運転免許証やマイナンバーカードなど顔写真付きの証明書 |
| 所得を確認できる書類 | 課税(非課税)証明書の提出を求められる場合があります |
| 振込先口座がわかるもの | 償還払いを利用する場合に必要になることが多い |
みさき
健康保険証がなくなったって聞いたので、代わりに何を持っていけばいいのか気になっていました。
藤井先生
従来の紙の健康保険証は2024年12月2日以降新規発行されておらず、経過措置も2025年12月1日で終了しています。現在はマイナ保険証、資格確認書、資格情報のお知らせなどで医療保険の資格を確認する形になっているので、窓口へ行くときはこのいずれかを持参することになります。あわせて、ひとり親になった事情を確認するための書類(離婚の場合は離婚日のわかる戸籍抄本、死別の場合は死亡が確認できる書類など)を別途求められることもあります。マイナンバーの記載や確認書類の提示を求める自治体もあるので、事前に電話やホームページで持ち物を確認しておくのがおすすめです。
みさき
二度手間を防ぐためにも、先に電話しておいた方がよさそうですね。書類が揃ったら、実際の申請の流れを見ていきたいです。
申請の流れ

ステップ
- お住まいの市区町村の担当窓口(子育て支援課や福祉事務所など)に、対象になるか・自己負担額はいくらかを問い合わせます
- 案内された必要書類を確認します。持ち物は自治体によって異なるため、電話やホームページでの事前確認がおすすめです
- 必要書類をそろえて窓口に提出します
- 自治体側で所得状況や対象要件の審査が行われます
- 審査が通ると受給者証(名称は自治体によって異なります)が交付されます。届いたら医療機関の窓口で提示できるようになります
みさき
具体的な審査にかかる日数とか、証がいつ届くかって、だいたい決まってるんですか?
藤井先生
審査期間や証の交付までの日数は自治体によって異なりますので、申請時に窓口で目安を聞いておくと安心です。手続きが終わってからも、実は気をつけておきたいポイントがいくつかあるので、次はそちらをお話ししますね。
気をつけたいポイント
引っ越し・再婚などで手続きが必要になります
- 他の市区町村に引っ越した場合、旧受給者証を利用できる最終日や新しい資格の開始日は自治体によって異なるため、転出元・転入先の双方へ確認してください
- 再婚した場合や、事実婚とみなされる状況になった場合は、資格を失うことがあります。事実婚にあたるかどうかは自治体が生活実態等を踏まえて判断します。児童扶養手当と全く同じ考え方とは限りません
- 就職、退職、扶養義務者との同居・別居などにより、世帯状況や所得判定の対象者が変わる場合があります。届出が必要かどうかは自治体へ確認してください
所得制限を超えたときの扱いを確認しておきましょう
所得が限度額以上になると、その年度・認定期間の助成対象外となる場合があります。児童扶養手当のように段階的に減っていく制度ではなく、対象・対象外の「有無」で判定する制度もあるので、境界線に近い方は窓口で所得額と控除を確認してもらいましょう。償還払いを利用する場合も、払い戻される範囲、申請期限、必要書類は自治体によって異なるため、領収書と診療明細書を保管したうえで担当窓口へ確認してください。
みさき
引っ越しや所得の変化のタイミングでうっかり手続きを忘れそうなので、気をつけます。ここまでの内容を一度、表で整理してもらえますか?
基本情報まとめ
藤井先生
いいですね、5つの確認ポイントを踏まえて表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | ひとり親家庭等医療費助成制度(東京都などでの通称マル親。自治体により名称が異なる) |
| 制度の位置づけ | 自治体が独自に実施する医療費助成。全国一律の制度ではない |
| 実施主体 | 主に市区町村。都道府県の補助制度を利用して実施する場合や、市区町村が独自に拡充する場合がある |
| 誰が対象か | 原則としてひとり親家庭(母子・父子)の親と児童。養育者を含める自治体もある(自治体で要件確認) |
| 親と子のどちらが助成対象か | 親・児童の双方を対象にする自治体がある一方、対象年齢の区切りや他制度との役割分担は自治体で異なる |
| 所得制限 | 児童扶養手当に準じた基準を用いる自治体があるが、金額・判定年度は自治体で異なる |
| 窓口負担 | 無料〜定額負担までさまざま。お住まいの自治体で要確認 |
| 給付方法 | 現物給付または償還払い(自治体・受診先医療機関により異なる) |
| 申請期限・更新 | 受給者証の有効期限・更新方法(自動更新か書類提出か)は自治体で異なる |
| 申請窓口 | お住まいの市区町村の子育て支援課・福祉事務所等 |
| 公式情報 | こども家庭庁 ひとり親家庭等関係 |
みさき
こう見ると、「誰が」「何を」「いくら」「どう払うか」「いつまで」の5つを自治体ごとに確認する制度だってことがよく分かります。他にも使える制度があれば教えてください。
あわせて使える制度
藤井先生
医療費以外にも、ひとり親家庭が使える制度はいくつかあります。所得制限の考え方が近い児童扶養手当は、現金給付という形で生活を直接支える制度なので、この医療費助成とあわせて申請しておきたい制度の代表格です。お子さんの就学や資格取得を考えている場合は高等職業訓練促進給付金、まとまったお金が必要な場面では母子父子寡婦福祉資金貸付金、税金の面ではひとり親控除も知っておくと役立ちます。それぞれ窓口や要件が異なるので、市区町村の窓口でまとめて相談すると効率的です。
みさき
一度にいろいろ聞くと窓口の方に迷惑じゃないかと少し気になっていました。
藤井先生
そんなことはありません。ひとり親家庭向けの相談窓口では、複数の制度をまとめて案内する自治体があります。「医療費助成と児童扶養手当、あと使える制度があれば教えてください」と最初にひとこと伝えるだけで、担当者から関連制度をまとめて案内してもらいやすくなりますよ。
みさき
一つずつ調べるより、まとめて聞きに行った方が早そうですね。最後に、よくある疑問をいくつか聞いてもいいですか?
よくある質問
みさき
マル親医療費助成って、所得が少し制限を超えたら1円ももらえなくなるんですか?
藤井先生
自治体によって制度設計が異なります。児童扶養手当のような段階的な減額の仕組みとは違い、限度額以上になるとその年度の助成対象外となる制度もありますが、これも自治体によって異なります。境界線に近い方は、お住まいの窓口で所得額と控除を確認してもらいましょう。
みさき
子どもが2人以上いる場合、書類は子どもの人数分必要なんですか?
藤井先生
世帯としてまとめて申請できるかどうか、受給者証がお子さん一人ひとりに発行されるかどうかは自治体によって異なります。詳しい手続き方法は自治体窓口で確認してください。
みさき
引っ越し先が決まっていない場合、今の受給者証はいつまで使えますか?
藤井先生
旧受給者証を利用できる最終日や、新しい自治体での資格の開始日は自治体によって異なるため、転出元・転入先の双方へ確認してください。転居が決まったら早めに両方の窓口に相談しておくと安心です。
みさき
離婚していなくても、事実上ひとり親のような状態なら対象になりますか?
藤井先生
足立区の例のように、DV保護命令が出ている場合や、生死不明の場合など、法律上の離婚が成立していなくても対象になる要件を設けている自治体があります。逆に、離婚していても事実婚とみなされる状態にあると判断されると対象外になる場合がある点は、児童扶養手当と近い考え方をとる自治体があります。「事実婚にあたるかどうか」は自治体が生活実態等を踏まえて個別に判断するため、迷う場合は正直に窓口へ相談するのがいちばん確実です。
みさき
医療機関の窓口で受給者証を忘れてしまったら、その場で助成は受けられませんか?
藤井先生
その場では通常どおりの医療保険の自己負担分(3割など)を一度支払うことになり、あとから領収書を添えて自治体に申請する「償還払い」で助成分の払い戻しを受ける形になります。堺市や千葉市の例でも、受給者証の忘れや対象地域外での受診は償還払いの対象として扱われていました。払い戻される範囲や申請期限は自治体によって異なるので、急な受診の際は受給者証を忘れないようにしつつ、忘れてしまった場合は領収書と診療明細書を必ず保管しておきましょう。
みさき
ありがとうございます。「誰が」「親か子か」「所得制限」「窓口負担」「更新手続き」の5つを自分の市に聞けばいいってことがはっきりしました。
藤井先生
それが今日一番お伝えしたかったことです。金額の細かい数字を覚えるより、この5つの確認ポイントを持って窓口に行くという視点があれば、どの自治体に住んでいても迷わず必要な情報を聞き出せるようになりますよ。
※本記事は令和8年7月時点の公表情報をもとに作成しています。ひとり親家庭等医療費助成制度の対象者、助成対象(親・児童の範囲)、所得制限、自己負担額、給付方法、必要書類、受給者証の有効期限・更新手続きなどは、個別の状況や市区町村によって異なります。最新情報は、お住まいの市区町村の担当窓口でご確認ください。
よくある質問
マル親医療費助成は母子家庭・父子家庭のどちらも対象ですか?
はい、母子家庭・父子家庭のどちらも対象です。両親のいない児童を養育する養育者が対象になる自治体もあります。
助成されるのは親と子どものどちらですか?
親・児童の双方を対象にする自治体がありますが、対象年齢の区切りや他の医療費助成制度との役割分担は自治体によって異なります。たとえば神戸市では高校生年代以下は別の「こども医療費助成」の対象になり、この制度の対象は18歳到達後の最初の4月1日から20歳到達月末までの高校在学中の子どもです。
所得制限はいくらですか?
児童扶養手当に準じた所得基準を使う自治体がありますが、金額や判定年度は自治体で異なります。足立区や堺市では扶養親族0人の場合208万円未満としていますが、これは児童扶養手当の一部支給の限度額と同水準で、全部支給の限度額(69万円)とは異なります。正確な基準はお住まいの自治体で確認してください。
窓口負担はいくらですか?
自治体によって大きく異なります。東京都は課税世帯が原則1割負担(外来月18,000円・入院月57,600円などの上限あり)、非課税世帯は自己負担なしです。千葉市のように全額助成の自治体もあります。お住まいの市区町村で必ず確認してください。
生活保護を受給していても使えますか?
生活保護受給中は対象外とする自治体があります。医療費は医療扶助など別の仕組みで扱われる場合があります。
引っ越したら手続きは必要ですか?
はい、転出前の受給者証が使えなくなり、転入先の市区町村で改めて申請が必要になります。旧受給者証を利用できる最終日や新しい資格の開始日は自治体によって異なるため、転出元・転入先の両方へ確認してください。
所得が限度額を超えたらどうなりますか?
限度額以上になるとその年度・認定期間の助成対象外となる場合があります。段階的に減額する制度ではなく対象・対象外の有無で判定する自治体もあるため、窓口で所得額と控除を確認してもらいましょう。
離婚していなくても対象になりますか?
DV保護命令が出ている場合や生死不明の場合など、法律上の離婚が成立していなくても対象になる要件を設けている自治体があります。一方で事実婚とみなされる状態では対象外になる場合もあります。
受給者証を忘れて受診したらどうなりますか?
その場では通常の自己負担分を支払い、あとから領収書と診療明細書を添えて自治体に申請する「償還払い」で助成分の払い戻しを受ける形になります。払い戻される範囲や申請期限は自治体によって異なります。