東京都の制度

国の手当に上乗せでもらえる|東京都の児童育成手当は月額13,500円【令和8年度】

この制度は東京都にお住まいの方が対象です。全国共通の制度と併用できます。

みさき
先生、児童扶養手当の申請のときに区役所の窓口で「児童育成手当も一緒にどうですか」って言われたんです。これ、児童扶養手当と別のお金なんですか? 正直、名前が似ていて混乱しています。
藤井先生
結論から言うと、児童扶養手当(国の制度)とは別に、児童育成手当という東京都独自の手当があります。しかも両方とも受け取れます。児童1人につき月額13,500円、都内に住所があり、ひとり親家庭等の支給要件と所得制限を満たす場合に、申請によって受け取れるお金です。
みさき
東京都だけの制度なんですか? てっきり全国どこでも同じ制度があるものだと思っていました。
藤井先生
そうなんです。児童育成手当は東京都だけの、ひとり親家庭等向けの上乗せ手当です。窓口はお住まいの区市町村の子育て担当課です。ただし支給要件と所得制限を満たす方が申請した場合に限られます。
みさき
なるほど、他の道府県には無い制度なんですね。私の地元(東京都外)にいる友達に話したら「そんな手当聞いたことない」って言われたのも納得です。
藤井先生
そのとおりです。もしこの記事を東京都以外にお住まいの方が読んでいたら、児童育成手当そのものは対象外になりますが、お住まいの自治体にも独自の上乗せ制度がある場合があります。市区町村のひとり親家庭担当窓口や子育て支援課で、一度「うちの自治体独自の手当はありますか」と聞いてみることをおすすめします。

児童育成手当はいくらもらえるか

みさき
それで、実際いくらもらえるんですか? さっき13,500円っておっしゃっていましたけど。
藤井先生
はい、令和8年度(2026年度)時点で、児童育成手当には2つの区分があります。ひとり親家庭等の児童を対象にした「育成手当」と、障害のある児童を対象にした「障害手当」です。みさきさんのように離婚されたひとり親家庭のお子さんが対象になるのは「育成手当」のほうですね。
区分対象月額(令和8年度)
育成手当ひとり親家庭等の児童(18歳到達年度末まで)児童1人につき 13,500円
障害手当愛の手帳1〜3度/身体障害者手帳1〜2級/脳性まひ・進行性筋萎縮症の20歳未満の児童児童1人につき 15,500円
みさき
ひな(うちの娘)は今7歳で小学2年生なんですけど、18歳まで毎月もらえるってことですか?
藤井先生
正確には「18歳到達年度末」、つまり18歳になったあとの最初の3月31日まで対象です。ひなちゃんが今7歳なら、あと10年以上、所得制限を超えない限りはずっと対象ですね。月額13,500円というと少なく感じるかもしれませんが、年間だと162,000円。10年続けば160万円を超える金額になります。
みさき
児童扶養手当は子どもの人数が増えると少しずつ増額される仕組みでしたよね。育成手当も同じ感じなんですか?
藤井先生
そこが大きな違いです。児童扶養手当は第1子が満額48,050円(令和8年度)で、第2子以降は加算額が段階的に減っていく仕組みですが、児童育成手当は児童1人あたり定額13,500円が人数分そのまま加算されます。減額のスライドはありません。お子さんが2人なら27,000円、3人なら40,500円です。
みさき
それは知らなかったです。子どもが多いほど育成手当のほうが有利になるってことですね。
藤井先生
そう捉えて大丈夫です。もう一つ大事なポイントは、児童扶養手当と児童育成手当は併給できるということ。児童扶養手当をもらっているからといって育成手当が減らされたり、逆に育成手当をもらっているから児童扶養手当が減らされたりすることはありません。別の制度なので、それぞれ満額に近い形で受け取れます。
児童育成手当と児童扶養手当の違い

児童育成手当(東京都)と児童扶養手当(国)は名前が似ていますが別制度です。育成手当は児童1人あたり定額で減額のスライドがなく、両方の手当を併給できます。窓口の申請書類は別々になるので、児童扶養手当の申請時に「児童育成手当も一緒に申請したい」と伝え忘れないようにしましょう。

児童育成手当(東京都)と児童扶養手当(国)のちがいの図解。児童育成手当は児童1人につき月額13,500円で人数分そのまま加算(減額なし)、18歳到達年度末まで。児童扶養手当は1人目全部支給で月額48,050円、2人目以降は加算額が加わり、所得により全部支給・一部支給が決まる。2つの手当は併給できる

みさき
申請のこと、次に詳しく聞きたいです。所得制限があるって聞いたんですが、私みたいなパート収入でも対象になりますか?

所得制限はいくらまでか

藤井先生
育成手当にも所得制限があります。ただし児童扶養手当のような「一部支給」の段階はなく、所得制限を超えるか超えないかの二択というシンプルな仕組みです。令和8年度時点(令和7年6月以後の月分の手当の支給について適用される基準)の限度額はこちらです。
扶養親族数所得限度額
0人3,661,000円未満
1人4,041,000円未満
2人4,421,000円未満
3人以上1人増すごとに380,000円加算
藤井先生
みさきさんの場合、年収約180万円で扶養しているのはひなちゃん1人ですから、所得は限度額の4,041,000円を大きく下回ります。まず対象外になる心配はないと考えていいでしょう。
みさき
よかったです……。あ、でも「所得」って年収とは違うんですよね? 児童扶養手当のときも先生に言われた気がします。
藤井先生
そのとおりです。ここでいう所得は、年収からひとり親控除や社会保険料相当額などを差し引いたあとの金額です。実務上は年収から給与所得控除を引き、そこからさらに一律8万円(社会保険料相当額)や各種控除を差し引いて判定します。年収の額面だけを見て「うちは対象外だ」と思い込まず、実際の申請時に窓口で計算してもらうのが確実です。
自治体の限度額表の見方に注意

区市町村によっては、所得限度額表に「3,741,000円」のような、上の表と違う数字が載っていることがあります。これは一律控除8万円を差し引く前の金額を載せているためで、基準そのものが違うわけではありません。同じ制度でも自治体ごとに表記の仕方が異なるので、迷ったときは「一律控除後の所得で判定していますか」と窓口で確認すると誤解を防げます。

みさき
児童育成手当って、パートで働き始めたばかりの人でも普通に対象になりますか? 私みたいに収入がまだ不安定だと不安で。
藤井先生
収入が不安定かどうかは関係なく、あくまで前年の所得が限度額を下回っているかどうかで判定されます。パート・アルバイト・正社員のような雇用形態も問われません。むしろ収入が少ない時期こそ、育成手当や児童扶養手当のような手当をしっかり受け取って、生活の土台を安定させることが大切だと考えてください。
みさき
表記の仕方まで自治体によって違うんですね……。この前シンママ仲間から「うちの区は書式が独特で戸惑った」って聞いたんですけど、そういうことだったんですね。
藤井先生
そうなんです。制度の中身(金額・所得制限)は都内共通ですが、申請書類の様式や案内の書き方は区市町村によって独自の工夫がされているため、隣の区の友人と情報交換すると「うちと違う」と感じることがあります。金額そのものが変わるわけではないので、そこは安心してください。

子どもの人数で総額はどう変わるか

みさき
さっき「子どもが多いほど有利」っておっしゃっていましたけど、具体的にどのくらい変わるのか気になります。
藤井先生
表にすると分かりやすいので作ってみました。育成手当(月額13,500円)だけを子どもの人数別に単純計算した年間受給額です。障害手当や他の制度は含んでいません。
児童数月額(育成手当のみ)年額
1人13,500円162,000円
2人27,000円324,000円
3人40,500円486,000円
みさき
うちはひな1人なので年16万2千円ですね。児童扶養手当と合わせるとかなりの金額になりそうです。
藤井先生
みさきさんのケース(お子さん1人・年収約180万円・児童扶養手当は一部支給の帯)だと、児童扶養手当と児童育成手当を合わせて、年間でおおよそ数十万円規模の上乗せになります。正確な児童扶養手当の額は所得によって細かく変わるので、詳しくは児童扶養手当の記事も参考にしてください。あくまで育成手当単体で見ても、家計にとって決して小さくない金額だと感じてもらえるはずです。
みさき
人数分の金額がイメージできました。所得の話も含めて、次は実際にどこで、どうやって申請すればいいのか知りたいです。

申請の流れと必要書類

藤井先生
窓口は、お住まいの区役所・市役所・町村役場の子育て担当課です。児童扶養手当と同じ窓口で扱っていることが多いので、来庁したときにまとめて聞くのが効率的です。一般的な必要書類はこちらですが、申請理由や世帯状況によって変わるので、一例として見てください。
ステップ
  1. お住まいの区市町村の子育て担当課(児童手当・児童扶養手当担当)に電話またはウェブで問い合わせ、必要書類を確認する
  2. 申請者本人と対象児童の戸籍謄本(発行から1か月以内のもの)を市区町村窓口で取得する
  3. 離婚・死別など支給事由を証明する公的書類(戸籍謄本で兼ねられる場合が多い)を準備する
  4. 申請者名義の預金通帳(振込先口座がわかるもの)と、本人確認書類・マイナンバーが確認できる書類を用意する
  5. 窓口で「児童育成手当認定請求書」に記入し、必要書類とあわせて提出する
  6. 認定されると、認定された月の翌月分から支給対象になる(さかのぼっての支給は原則ないため早めの申請が重要)
藤井先生
必要書類は、申請理由や世帯状況、市区町村によって異なります。上記は一例です。窓口へ行く前に、必ずお住まいの市区町村へ確認してください。
みさき
さかのぼれないなら、早く動いたほうがいいですね。ひなの分、来月にでも聞きに行こうと思います。ちなみに、もらえるお金っていつ振り込まれるんですか?
藤井先生
支給は年3回に分けて行われるのが一般的です。目安として2月(10月から1月分をまとめて)、6月(2月から5月分)、10月(6月から9月分)という自治体が多いですが、たとえば港区のように偶数月に年6回支給する自治体もあり、支給の回数や具体的な振込日は市区町村によって異なります。正確な支給日は、お住まいの自治体の子育て担当課に確認してください。

障害のあるお子さんの場合

みさき
さっき出てきた「障害手当」のほうも気になります。うちは対象外ですが、周りに障害のあるお子さんを育てているひとり親の知り合いがいるので。
藤井先生
障害手当は、愛の手帳1〜3度、身体障害者手帳1〜2級、または脳性まひ・進行性筋萎縮症のある20歳未満の児童を養育している場合に、児童1人につき月額15,500円が支給される区分です。育成手当とは別の区分ですが、お子さんの状況によっては育成手当と障害手当の両方を受けられる場合があります。該当しそうな場合は自己判断せず、必ず窓口で相談してください。
みさき
両方もらえる可能性があるんですね、それは知らない人が多そうです。
藤井先生
そうですね。障害の状態や等級の認定は制度が細かいので、「うちの子はどちらに該当するか」を窓口で丁寧に確認してもらうのがいちばん確実です。

注意しておきたいポイント

藤井先生
ここまで良い話が中心でしたが、注意点もお伝えしておきます。
都外への転出で資格を失う

児童育成手当は東京都独自の制度なので、都外に転出すると受給資格を失います。転出する場合は「受給資格喪失届」の提出が必要です。届け出を忘れて受給を続けてしまうと、あとで過払い分の返還を求められることがあるため、引っ越しが決まったら早めに窓口へ相談しましょう。逆に、他県から東京都内へ転入してきた場合は、新たに申請すれば対象になります。

みさき
うちは今のところ都内に住み続ける予定なので大丈夫そうですが、覚えておきます。同じ東京都内で、たとえば大田区から港区に引っ越すみたいなケースはどうなるんですか?
藤井先生
都内での転居であれば都独自の制度という土台は変わりませんが、実施主体は区市町村なので、転居先の区市町村で改めて手続きが必要になります。旧住所の区で受給資格喪失の届け出をして、新住所の区で新規に認定請求をする、という流れが一般的です。手続きの窓口や必要書類の細かな案内は区によって異なるので、転居が決まったら旧居・新居どちらの窓口にも早めに連絡しておくと安心です。
みさき
都内での引っ越しでも、手続きし直しが必要なんですね。知らずに放置していたら支給が止まっていたかもしれません。ほかに気をつけることはありますか?
藤井先生
児童扶養手当と同じく、年に一度「現況届」で受給資格を確認する手続きがあります。時期は区市町村によって6月だったり8月だったりします。お住まいの区市町村のページで確認してください。案内が届いたら期限内に手続きをしないと支給が止まりますし、練馬区のように「提出が遅れると支給した手当を返還していただくことがある」と案内している区もあります。案内のハガキや封書は見落とさないようにしてくださいね。

児童育成手当の申請から支給までの流れの図解。STEP1は区市役所の子育て担当課へ相談、STEP2は戸籍謄本・通帳・本人確認書類を準備、STEP3は児童扶養手当とは別の申請書を提出、STEP4は所得制限の判定を行う審査・認定、STEP5は認定された月の翌月分から支給開始、という5ステップ

児童育成手当の基本情報まとめ

みさき
最後に、全体を表でまとめてもらえますか? 後で見返したいので。
藤井先生
もちろんです。
項目内容
制度名児童育成手当(東京都)
支給額育成手当: 児童1人あたり月額13,500円/障害手当: 児童1人あたり月額15,500円(令和8年度)
対象都内在住のひとり親家庭等の児童(18歳到達年度末まで)、または一定の障害がある20歳未満の児童
所得制限扶養親族0人で所得3,661,000円未満など(超えると全額対象外の二択)
支給時期年3回が一般的(自治体により異なる)
申請窓口お住まいの区市町村の子育て担当課
公式情報東京都福祉局「シングルママ・シングルパパ くらし応援ナビTokyo」
公式URLhttps://www.single-ouen-navi.metro.tokyo.lg.jp/support-information/benefits-allowances/

併用できる他の支援制度

みさき
児童育成手当って、他の制度と組み合わせて使えるものなんですか?
藤井先生
はい、むしろ組み合わせて使うことを前提に考えてほしい制度です。代表的なものを挙げますね。
  • 児童扶養手当: 国の制度。育成手当とは別枠で、所得に応じて満額から一部支給まで受け取れます。併給できます。
  • 児童手当: こちらも国の制度で、育成手当・児童扶養手当と重ねて受け取れます。
  • 018サポート: 東京都独自の給付金。所得制限はなく、収入を理由に対象外になることはありませんが、都内在住で0歳から18歳になった後の最初の3月31日までの子という要件はあります。子ども1人につき年額最大60,000円が支給され、所得制限がなく生活保護受給中でも申請できる制度のため、実務上は育成手当と重複して受け取れると考えられます(公式に「併給できる」と明言されているわけではありません)。
  • ひとり親家庭等医療費助成制度(マル親・東京都基準): 医療費の自己負担が大きく下がる東京都独自の助成です。
藤井先生
シングルマザーもシングルファーザーも、母子家庭・父子家庭どちらも対象になる制度ですので、性別を理由に対象外になることはありません。
みさき
東京都だけでこんなに上乗せがあるんですね。恥ずかしながら今日まで児童育成手当の存在自体を知りませんでした。
藤井先生
実際に東京都独自の制度だけを、実務上は併せて受け取れると考えられる前提で合計してみると、規模感がつかみやすいと思います。お子さん1人のケースで単純合算すると次のようになります。
制度年額
児童育成手当(東京都・id11)162,000円
018サポート(東京都・id15)60,000円
合計(東京都独自分のみ)222,000円
藤井先生
これに国の児童扶養手当・児童手当が別途加わりますし、マル親(ひとり親家庭等医療費助成制度)を使えば医療費の自己負担もほぼゼロに近づきます。ここでの「222,000円」は、育成手当と018サポートを実務上は併せて受け取れるという考え方に基づく試算で、東京都が公式に併給を明言しているわけではありません。支給要件と所得制限を満たすひとり親家庭の場合、東京都独自の制度からの上乗せが年間22万円程度になると考えられるケースがあるというのは、地方から転入してきた方には特に驚かれるポイントです。018サポートや医療費助成とあわせると、支給要件と所得制限を満たす、東京都に住んでいるひとり親家庭は、全国共通の制度に加えてかなりの金額が上乗せされる可能性があります。ただし忘れてはいけないのは、これらはすべて申請しないと受け取れないということ。今日聞いた話をもとに、まずは児童育成手当の申請から動いてみてください。

公式情報・問い合わせ先

問い合わせ先

※本記事は令和8年7月時点の東京都および区市町村の公表情報をもとにしています。児童育成手当の認定、所得計算、必要書類、支給時期などは、個別の状況や市区町村によって異なります。最新情報は、お住まいの市区町村の子育て担当窓口でご確認ください。

よくある質問

シングルマザーですが、パート収入でも児童育成手当を申請できますか?
所得が限度額(扶養親族0人で3,661,000円未満など)を下回っていれば、パート・正社員を問わず申請できます。
父子家庭でも児童育成手当はもらえますか?
母子家庭・父子家庭のどちらも対象です。養育者の性別によって支給の可否が変わることはありません。
児童扶養手当と児童育成手当は両方もらえますか?
はい、児童扶養手当(国の制度)と児童育成手当(東京都独自の制度)は別制度のため併給できます。
東京都から他県に引っ越したら児童育成手当はどうなりますか?
都外に転出すると受給資格を失うため、受給資格喪失届の提出が必要です。転出先の自治体に独自の類似制度がないか確認しましょう。

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