栃木県の制度
22市町は先に全額払う|栃木県のひとり親家庭医療費助成制度【令和8年度】
助成 公開・ 更新
この制度は栃木県にお住まいの方が対象です。全国共通の制度と併用できます。

みさき先生、ひな(小2)が急に熱を出して病院に行ったんですけど、栃木県にもひとり親家庭向けの医療費助成ってあるんでしょうか。

藤井先生はい、栃木県にもひとり親家庭医療費助成制度があります。ただ、この制度には最初に知っておいてほしい大事な特徴が一つあるんです。

みさき特徴、ですか? 何か気をつけることがあるんでしょうか。

藤井先生栃木県の多くの市町では、病院の窓口でいったん医療費を全額払います。あとから市町に申請して、自己負担分を除いた金額が口座に振り込まれる「償還払い」という方式が原則なんです。

みさきえ、助成があるって聞いたので、窓口では払わなくていいのかと思っていました。

藤井先生そう思う方は多いです。だからこそ最初にお伝えしたかったんです。今日はお財布からいくら出す必要があるのかを中心に、順番にお話ししていきますね。

みさきお願いします。まず、この制度は誰が対象になるんでしょうか。
栃木県のひとり親家庭医療費助成制度、まず知ってほしい仕組み

藤井先生このセクションでは、制度の全体像とお金の流れを見ていきましょう。


藤井先生実施主体はお住まいの市町です。栃木県は市町に補助金を交付する立場で、窓口で実際に手続きをするのは市役所・町役場のこども家庭担当窓口になります。

藤井先生栃木県の公式ページでは、母子家庭・父子家庭の親と子が対象で、子の年齢は満18歳に達する日以後の最初の3月31日までとされています。対象になる理由も、離婚・死別・配偶者の重度障害・配偶者の1年以上の拘禁・婚姻によらずに父または母となった場合・配偶者から1年以上遺棄されている場合・配偶者が裁判所からDVの保護命令を受けた場合など、いくつかのパターンがあります。母子家庭・父子家庭のどちらも対象です。

みさきシングルマザーだけじゃなくて、シングルファザーの家庭も同じように使えるんですね。

藤井先生そのとおりです。それでは、さきほどお話しした「窓口でいったん全額払う」という部分を、もう少し詳しく見ていきましょう。
まず知ってほしい大事なこと- 窓口ではいったん全額を払います

藤井先生栃木県の公式ページには、助成の受け方についてこう書かれています。「実際に医療機関窓口で自己負担額を支払った後、定められた様式でお住まいの市町村児童福祉主管課へ助成申請すると、後日指定した金融機関の口座に自己負担額が振り込まれます。」

みさきつまり、病院ではいつもどおり払って、あとで戻ってくるということですか?

藤井先生そのとおりです。この受け取り方を「償還払い」と呼びます。矢板市の公式ページも同じ仕組みを「矢板市ではいったん受診者が医療機関等に医療費を支払い、後日申請する(償還払い)方式で助成を行っています」と説明しています。

みさきいったん立て替えないといけないなら、手持ちのお金が心配になります。

藤井先生その心配はとてもよく分かります。だからこそ、この記事の最初にお伝えしました。次のセクションで、実はこの償還払いにも例外があることをお話ししますね。
窓口無料(現物給付)にしているのは25市町のうち3町だけ

藤井先生実は、栃木県内すべての市町が償還払いというわけではありません。窓口で払わずに済む「現物給付」を行っているのは、茂木町・那須町・那珂川町の3町だけです(県内の医療機関で受診した場合)。

みさき3町だけなんですね。それ以外の市町はどうなるんでしょう。


藤井先生この情報の出どころは少し珍しいところにあります。栃木県のホームページではなく、栃木県国民健康保険団体連合会が公表している一覧(「地方単独事業医療助成一覧」令和8年4月1日現在)というPDFです。この一覧の「区分82 ひとり親家庭医療費助成事業(市町単独事業)」の欄に載っているのは、茂木町・那須町・那珂川町の3町だけでした。

みさき残りの22市町は、この一覧に載っていないということは……。

藤井先生載っていない市町は、現物給付をしていない、つまり償還払いということになります。宇都宮市・栃木市・小山市など、県内の大半の市町がこちらに含まれます。

藤井先生はい、開始時期に違いがあります。茂木町は平成31年4月から、那珂川町は令和7年4月から、那須町は令和8年度から現物給付を始めています。ただし茂木町だけは少し注意が必要で、親の現物給付は子が15歳に達する日以降の最初の3月31日までに限られています。那須町・那珂川町は18歳までの子を扶養する親が対象です。

みさきお住まいの町によって、細かいところまで違うんですね。

藤井先生そうなんです。だからこそ、お住まいの市町の窓口で確認することが大切です。ここまでは「親」の医療費の話でしたが、実は「子ども」の医療費は事情が違います。次にそこをお話ししますね。
子どもは全市町で窓口無料、親は立て替え、という構造

藤井先生栃木県ではこども医療費助成事業が県内25市町すべてで現物給付(窓口無料)になっています。県の制度としては0歳から12歳に達する日以後の最初の3月31日まで、つまり小学6年生の年度末までが対象で、さらにその先(中学校就学時から18歳まで)は市町独自の上乗せとして、これも25市町すべてが現物給付で対応しています。

みさきということは、ひなの医療費は今も窓口無料ってことですよね。

藤井先生お子さんの医療費は、栃木県内どこに住んでいても窓口無料です(県内の医療機関で受診した場合)。一方で、お母さん・お父さんご自身の医療費(ひとり親家庭医療費助成)は、さきほどお話ししたとおり22市町では窓口でいったん全額払う償還払いになります。つまり「子どもの分は窓口無料なのに、親の分は立て替えになる」という状態が起きるわけです。

みさき同じ病院の窓口なのに、子どもと自分とで扱いが違うっていうのは、覚えておかないと戸惑いそうです。

藤井先生まさにそこが、この制度で一番間違えやすいポイントです。次は、実際にいくら自己負担するのかを見ていきましょう。
自己負担額はいくら?- 県の案内は薬局を除く医療機関ごとに月500円

藤井先生栃木県の公式ページには、助成対象外(つまり自己負担)になるものとして「薬局を除く医療機関ごとに月500円(1レセプト)」「入院時食事療養費」の2つが挙げられています。

みさき月500円っていうのは、1回の受診ごとにかかるんでしょうか。

藤井先生いいえ、県の案内では1医療機関につき月500円が上限で、レセプト(診療報酬明細書)の単位で計算されます。矢板市の公式ページでも「薬局を除く1医療機関(医科と歯科は別)あたり月額500円の自己負担分を差し引いた金額を助成します」と説明されていて、栃木県のページと同じ内容です。

みさき医科と歯科は別ってことは、両方通院したら医療機関ごとに月1,000円になることもあるんですね。

藤井先生そのとおりです。医科と歯科でそれぞれ月500円が上限になる、という考え方です。薬局(調剤)は対象外なので、薬局での自己負担分はこの500円には含まれません。

藤井先生はい、入院時食事療養費は助成の対象外です。これは全国的にも共通する考え方で、入院時の食事代は保険診療の自己負担分とは別に扱われます。
医療機関ごとの月500円の自己負担は、市町によって扱いが異なります
「薬局を除く医療機関ごとに月500円」という自己負担の金額は、栃木県の公式ページと矢板市の公式ページの両方で確認できました。ただし、市町が独自に軽減している場合があります。たとえば那珂川町の公式ページには、令和6年4月診療分から月500円の自己負担がなくなったと書かれています。「栃木県内はどこでも必ず500円かかる」と決めつけず、現物給付の3町にお住まいの方も窓口での自己負担が残るかどうかを、お住まいの市町の窓口で確認してください。

みさき分かりました、自己判断はしないようにします。次は、所得制限について教えてください。
所得制限のしくみ- 扶養親族の人数で変わります

藤井先生所得制限限度額は、扶養親族の人数によって変わります。令和6年11月1日からの引き上げ後の金額がこちらです。

みさきこの「所得」っていうのは、お給料の額そのままってことでしょうか。

藤井先生いいえ、ここでいう所得は、給与の額面から給与所得控除などを引いたあとの金額です。さらに2つの注記があります。1つ目は、受給資格者本人に老人扶養親族がいる場合は100,000円、特定扶養親族がいる場合は150,000円が限度額に加算されるというものです。

藤井先生受給資格者が父または母の場合、児童の父または母から受け取った養育費の8割の額が所得に算入されます。養育費を受け取っている方は、この点も所得の計算に影響することを知っておいてください。

みさき私は今、扶養親族がひな1人なので、246万円未満かどうかが目安になるんですね。

藤井先生そのとおりです。ただし養育費の算入や各種の加算があるので、正確な判定はお住まいの市町の窓口に相談するのが確実です。次は、助成の対象になる医療費の範囲を見ていきましょう。
助成される医療費の範囲

藤井先生栃木県の公式ページでは、助成の対象を「医療保険の適用を受ける全ての疾病又は負傷により対象者が保険給付を受けた場合の自己負担額」としています。目安を表にまとめました。

藤井先生予防接種や健康診断は、そもそも
病気の治療ではなく保険診療の対象外なので、この助成でもカバーされません。これは全国どの自治体でもだいたい共通する考え方です。全国共通の仕組みについては、
ひとり親家庭等医療費助成制度の全国版記事でも解説しているので、あわせて読んでみてください。

みさき対象になる範囲は分かりました。次は、実際に申請するときの流れを教えてください。
申請の流れ- まずは受給資格者証を受け取ります

藤井先生申請の流れは大きく2段階に分かれます。まず、この助成を受けるための「受給資格者証」の交付を受ける必要があります。
ステップ
- お住まいの市町の児童福祉を担当する窓口で、受給資格者証の交付を申請します
- 審査を経て、受給資格者証が交付されます(茂木町・那須町・那珂川町にお住まいの方は、県内の医療機関では以後この証を提示すれば窓口で全額を払う必要がなくなります。県外の医療機関は現物給付の対象外です)
- それ以外の市町にお住まいの方は、医療機関の窓口でいったん医療費の自己負担額を全額支払います
- 領収証(保険点数等の記載があるもの)を保管し、定められた様式の申請書とあわせてお住まいの市町の児童福祉主管課へ助成申請します
- 審査を経て、後日指定した金融機関の口座に自己負担分(1医療機関ごとに月500円等を除いた金額)が振り込まれます

みさき領収証は普通の会計時にもらうレシートでもいいんでしょうか。

藤井先生保険点数の記載がある領収証が必要です。矢板市や小山市の案内では、保険点数の記載がない場合は医療機関で証明を受ける必要があり、その証明手数料は自己負担になると説明されています。もらった領収証は、念のためすぐに捨てずに保管しておくと安心です。

みさき振込までは、どれくらいの期間がかかるんでしょうか。

藤井先生目安として、矢板市では「申請日がその月の初日から25日までのものは翌月の25日に、26日から月末までのものは翌々月の25日に」振り込むとしています。小山市では「毎月20日までに届いた申請書が、翌月末の振込の対象」としています。振込までにはおおむね1〜2か月かかると考えておくとよいでしょう。この振込日はあくまで一例で、お住まいの市町によって異なります。

みさき申請すればいつまでも受け付けてもらえるものなんでしょうか。

藤井先生いいえ、ここはとても大事な期限があります。次のセクションで詳しくお話ししますね。
申請期限は、診療の翌月初日から1年です

藤井先生栃木県の公式ページには「助成申請の期限は、保険給付を受けた日(=診療を受けた日)の翌月初日から起算して1年となりますので注意してください」と明記されています。

藤井先生診療を受けた翌月初日から1年で申請期限が切れます。栃木市の公式ページでも「診療月の翌月から12ヵ月以内(診療月の翌年の同月末日まで)に提出してください。1年を超えますと無効となり、助成を受けることができません」と、同じ内容が説明されています。
申請期限は診療の翌月初日から1年。忘れると助成を受けられません
医療費を立て替えたまま、領収証をしまい込んで申請を忘れてしまうと、1年を過ぎると助成を受けられなくなります。通院のたびに申請するのが理想ですが、難しい場合でも、半年に一度など決まったタイミングでまとめて申請する習慣をつけておくと安心です。

みさき忘れないように、通院したらすぐ申請するくらいの気持ちでいたほうがよさそうですね。次は、申請に必要な書類を教えてください。
必要書類- 窓口へ行く前に準備しておきたいもの

藤井先生必要書類は、お住まいの市町や申請理由によって異なります。以下は一例です。窓口へ行く前に、必ずお住まいの市町へ確認してください。

みさき保険点数の証明をもらうのに手数料がかかることもあるんですね。ちょっと意外でした。

藤井先生医療機関によっては証明手数料がかかる場合があり、証明手数料は助成の対象になりません。矢板市・小山市とも、この点を案内しています。できるだけ保険点数入りの領収証をそのまま使えるよう、受診時に確認しておくとよいでしょう。

みさき分かりました。他に気をつけておきたいことはありますか。
注意しておきたいこと
現況届・更新手続きを忘れずに
栃木市の案内では「毎年11月1日に受給資格が更新されます」とされています。更新の時期や必要な手続きは市町によって異なるため、受給資格者証の交付を受けるときに、あわせて確認しておくと安心です。手続きを忘れると、一時的に助成が受けられなくなることがあります。
転居・再婚などで資格が変わることがあります
栃木県内の他の市町へ引っ越したとき、県外へ引っ越したとき、再婚したとき、児童が18歳(達する日以後の最初の3月31日)を迎えたときなど、状況が変わると受給資格の見直しが必要になる場合があります。「前の市町でもらっていたから大丈夫」と思い込まず、状況が変わったタイミングで一度窓口に相談することをおすすめします。

みさき引っ越しのときは特に注意ですね。ここまでの話をいったん整理してもらえますか。
ひとり親家庭医療費助成制度(栃木県)の基本情報まとめ

みさきこれは保存しておきます。他に併せて確認しておきたい制度があれば教えてください。
併用できる他の支援制度

藤井先生この医療費助成とあわせて確認しておきたい制度をいくつか紹介しますね。それと、このほかにもお住まいの市町が独自に行っている支援がある場合があります。市役所・町役場のこども家庭担当窓口で、お住まいの市町独自の制度がないかもあわせて確認してみてください。
あわせて確認したい制度
- 全国共通の制度として、ひとり親家庭等医療費助成制度という全国版の解説記事もあります。医療費助成は自治体によって仕組みが大きく異なるので、他の都道府県と比べてみたい方はあわせて読んでみてください
- 所得に応じて受け取れる児童扶養手当は、この医療費助成の所得制限を考えるうえでも目安になる制度です。まだ申請していない方は、あわせて確認してみてください
- 一時的にまとまったお金が必要なときの選択肢として、母子父子寡婦福祉資金貸付金があります
- 税金の面ではひとり親控除も知っておくと役立ちます

みさきリンクをたどってみます。市役所にも確認してみますね。

藤井先生よくある質問は、このページの下にまとめてあります。
公式情報・問い合わせ先
※本記事は令和8年9月時点の公表情報をもとに作成しています。ひとり親家庭医療費助成制度の対象認定、所得の判定、必要書類、振込日などは、個別の状況や市町によって異なります。最新情報は、お住まいの市町の担当窓口でご確認ください。
よくある質問
シングルマザーですが、栃木県では病院の窓口で医療費を払わずに済みますか?
栃木県内25市町のうち、窓口で払わずに済む現物給付を行っているのは茂木町・那須町・那珂川町の3町だけです(栃木県国民健康保険団体連合会が公表する令和8年4月1日現在の一覧による。県内の医療機関で受診した場合)。それ以外の市町では、窓口でいったん医療費の自己負担額を全額支払い、あとから市町に申請して口座に振り込まれる償還払いが原則です。
父子家庭でも同じように使えますか?
はい。栃木県の公式ページでも母子家庭・父子家庭の親と子が対象とされており、母子家庭・父子家庭のどちらも同じ条件で申請できます。
自己負担はいくらになりますか?
栃木県の案内では、薬局を除く医療機関ごとに月500円(1レセプト)が助成の対象外(自己負担)になります。医科と歯科は別に数えるため、両方受診した場合は合計で1,000円になることがあります。入院時食事療養費も助成の対象外です。ただし市町によっては独自に軽減していて、たとえば那珂川町は令和6年4月診療分から月500円の自己負担がなくなっています。お住まいの市町の窓口で確認してください。
子どもの医療費も窓口でいったん払う必要がありますか?
こども医療費助成事業は栃木県内25市町すべてで現物給付(窓口無料)になっています。窓口でいったん立て替えが必要になるのは、ひとり親家庭医療費助成(親御さん自身の医療費、および3町以外にお住まいの場合の助成)のほうです。
申請にはいつまでの期限がありますか?
栃木県の公式ページによると、助成申請の期限は保険給付を受けた日(診療を受けた日)の翌月初日から起算して1年です。この期限を過ぎると助成を受けられなくなるため、領収証を保管したまま申請を忘れないよう注意してください。
所得制限はいくらですか?
令和6年11月1日から引き上げられた基準では、扶養親族0人で受給者本人が2,080,000円未満、1人で2,460,000円未満などとなっています。老人扶養親族・特定扶養親族がいる場合は加算があり、養育費を受け取っている場合はその8割が所得に算入されます。