埼玉県の制度

63市町村中59は自己負担なし|埼玉県のひとり親家庭等医療費助成制度【令和8年度】

この制度は埼玉県にお住まいの方が対象です。全国共通の制度と併用できます。

みさき
先生、うちは埼玉県に住んでいるんですけど、ひとり親家庭向けの医療費の助成ってあるんでしょうか。ひな(小2)が急に熱を出したりすると、病院代が地味にきついんです。
藤井先生
ありますよ。埼玉県にもひとり親家庭等医療費助成制度という制度があります。母子家庭・父子家庭のどちらも対象で、シングルマザーだけでなくシングルファーザーのご家庭も使えます。
みさき
よかった。いくらくらい安くなるものなんですか?
藤井先生
そこなんですが、この制度には少し変わった特徴があるんです。埼玉県が自己負担額の基準を決めているのに、基準どおりに払っている市町村は少数派なんですよ。
みさき
え、どういうことですか?県が決めているのに、県の基準どおりじゃないんですか?
藤井先生
はい。ここが埼玉県のこの制度でいちばん大事なところなので、順番にお話ししますね。まず制度の仕組みから見ていきましょう。

ひとり親家庭等医療費助成制度、埼玉県のしくみ

藤井先生
このセクションでは、お金の流れと、誰が何を決めているのかを図でイメージしてもらいますね。

ひとり親家庭等医療費助成制度(埼玉県)のしくみを示す図解。STEP1で埼玉県が自己負担額の基準(通院1,000円/月・入院1,200円/日)を決め、STEP2で実際に助成する市町村が窓口負担額を決定し、STEP3で医療機関の窓口で医療証を提示して受診する、という3段階の流れを示す。下部に「自己負担額は市町村によって異なります」という注記がある。令和8年度時点の図。

藤井先生
図の通り、実施主体は市町村です。埼玉県の実施要綱の第2条にも「事業の実施主体は市町村とする」とはっきり書かれています。埼玉県はその市町村に対して、かかった費用の一部を補助する立場です。
みさき
県はお金を出す側で、実際に助成するのは市町村ってことですね。
藤井先生
そうです。ただし埼玉県は、自己負担額の基準を県自身が数字で定めています。次のセクションで、その基準の中身を見ていきましょう。
みさき
県が決めた数字があるなら、それが私が払う金額になるってことですか?

埼玉県が決めている自己負担額の基準

藤井先生
結論から言うと、埼玉県の実施要綱では次のように決められています。
埼玉県が定める自己負担額の基準(令和8年度)

医療機関ごとに1人につき、通院は月額1,000円・入院は1日1,200円です。埼玉県の公式ページにも同じ金額が明記されています。ただし、市町村民税が非課税の世帯は、この自己負担額が免除されます。

みさき
通院で1か月1,000円なら、そこまで高くないですね。うちは今のところ住民税は払っているので、免除にはならなそうですけど。
藤井先生
そうですね。非課税世帯はこの自己負担額そのものが免除されるので、まずご自身の世帯が課税か非課税かを確認しておくとよいです。ここまでが、埼玉県が要綱で定めている「基準」の話です。ただ、実際に窓口で埼玉県内のどこでも1,000円を払うことになるかというと、そうではないんです。
みさき
あれ、さっき「県が基準を決めている」っておっしゃってましたよね。基準どおりに払わない市町村があるってことですか?
藤井先生
はい、そこが今日いちばんお伝えしたいポイントです。次のセクションで、実際の運用を見てみましょう。

でも実際には、63市町村のうち59市町村が自己負担なし

藤井先生
埼玉県は「現物給付市町村別概要」という資料を公表していて、県内63市町村それぞれが窓口の自己負担金をどう扱っているかが1枚の表にまとまっています。令和8年4月1日時点の内容を確認しました。

埼玉県内63市町村における、ひとり親家庭等医療費助成の自己負担金を比較した図解(令和8年4月1日時点)。左側に59市町村は自己負担金なしと示し、右側に行田市・加須市・羽生市・深谷市の4市は入院1,200円/日・通院1,000円/月の自己負担があると示し、「子どもの分は自己負担なし(加須・羽生・深谷)」という注記を添える。下部に「お住まいの市町村で必ず確認してください」という注記がある。

みさき
59市町村がなし……ほとんどじゃないですか。
藤井先生
63市町村のうち、自己負担ありと記載があるのは4市だけでした。県の資料に記載されている市の名前を、そのままお伝えしますね。
自己負担金を徴収している市表の記載
行田市入院1,200円/日、通院1,000円/月(免除あり)
加須市入院1,200円/日、通院1,000円/月(免除あり)
羽生市入院1,200円/日、通院1,000円/月(免除あり)
深谷市入院1,200円/日、通院1,000円/月(免除あり)。ただし現物給付の対象は子どものみで、親・養育者は対象外
みさき
逆にこの4市以外は、みんな自己負担なしってことですか?
藤井先生
この4市以外の59市町村は、県の資料で自己負担金の欄が「なし」になっています。たとえば加須市の公式ページには「通院の場合、児童の保護者が住民税課税者である場合に、1つの医療機関等につき、1人ごとに1か月当たり1,000円の負担金」と書かれていて、実際に徴収している側の説明とも一致します。
みさき
4市に住んでいたら、ひなの病院代にも自己負担金がかかるんですか?
藤井先生
ここで見落としやすい点があります。県の表には金額しか載っていませんが、市のページを見ると、加須市・羽生市・深谷市の3市では、子どもの自己負担金はかかりません。加須市は満18歳の年度末までの分、羽生市は18歳(一定の障害があれば20歳未満)までの児童の分、深谷市は児童の医療費について、自己負担金が発生しないと案内しています。自己負担金がかかるのは、親御さんや養育者が受診したときです。薬局で払う分と、治療用装具の製作費にも自己負担金はかかりません(県の実施要綱 第6条)。行田市は市のページに子どもの扱いの記載を見つけられなかったので、窓口で確認してください。
お住まいの市町村がどちらか、必ず確認してください

行田市・加須市・羽生市・深谷市にお住まいで、課税されている世帯の場合、親御さん自身の受診には自己負担金がかかります。それ以外の市町村でも、この表は現物給付(窓口無料化)の運用を示したものです。県外の医療機関を受診したときは、県の案内どおり償還払いになります。深谷市のほか越生町も、親・養育者は窓口無料化の対象外です(県の資料の備考欄)。和光市・新座市は現物給付の上限年齢が70歳未満と書かれているので、祖父母が養育者の場合は窓口で確認してください。お住まいの市町村の窓口かホームページで、最終的に確認してください。

みさき
なるほど、自分の市がどっちなのかは絶対に確認しないとダメですね。じゃあ次は、そもそも誰が対象になるのか教えてください。

対象になるのは誰?

藤井先生
埼玉県の公式ページによると、対象になるのはひとり親家庭等の18歳になった年度の末(3月31日)までの児童と、その母・父または養育者です。児童に一定の障害がある場合は20歳未満まで対象が延びます。
みさき
ひなは今7歳なので、まだだいぶ先の話になりますね。うちみたいに離婚したケース以外でも対象になるんでしょうか?
藤井先生
はい。離婚以外の理由でも対象になります。埼玉県のページには、離婚(法律上の結婚だけでなく事実婚の解消も含みます)のほか、死別、父母のどちらかに一定の障害がある場合、生死が明らかでない場合、1年以上遺棄されている場合、1年以上拘禁されている場合、DVで保護命令を受けた場合、そして結婚しないまま出産した場合などが挙げられています。母子家庭・父子家庭のどちらも同じ条件で申請できます。なお、市町村によって対象となる方の要件が記載と異なる場合もあるという注記が県のページにあります。
みさき
うちは国民健康保険に入っているんですけど、それも関係ありますか?
藤井先生
はい、関係します。県内にお住まいで、国民健康保険・社会保険・共済組合など医療保険に加入していることが必要です。何らかの医療保険に入っていない状態では、そもそもこの助成の前提になる「医療費の自己負担分」が発生しないためです。
みさき
対象にならないケースもあるんでしょうか?
藤井先生
あります。生活保護を受けている方は対象になりません。ほかにも、小規模住居型児童養育事業者や里親に養育されている方、児童福祉施設(母子生活支援施設を除く)に入所している方、市町村の子ども医療費助成制度や重度心身障害者医療費助成制度にすでに登録されている方も対象外です。次は、実際にどんな医療費が助成されるのか見ていきましょう。

助成される医療費の範囲

藤井先生
助成の対象になるのは、医療機関で入院・通院をしたときに窓口で支払う医療保険の一部負担金です。医療費・薬剤費・治療用装具などの一部負担金が対象になります。目安を表にまとめました。
対象になるもの対象にならないもの
入院・通院・調剤にかかる保険診療の一部負担金医療保険の適用がない治療やサービス(自由診療)
治療用装具の製作費の一部負担金薬の容器代・予防接種の費用・おむつ代
差額ベッド代・文書料
入院時の食事療養標準負担額(※22市町村は独自に助成)
学校・幼稚園・保育園でのケガなどで、日本スポーツ振興センターの災害共済給付を受けられる場合
みさき
入院したときの食事代は、対象になるんでしょうか?
藤井先生
入院時の食事療養標準負担額は、県の基準では対象外です。ただし県のページには「市町村により入院時の食事療養標準負担額等を助成対象としている場合もあります」という注記があります。県が公表している令和8年4月1日現在の資料を数えると、63市町村のうち22市町村が食事療養費を助成しています(全額助成18・半額助成4)。自己負担金と同じで、ここも市町村によって分かれます。入院の予定があるときは、お住まいの市町村がどちらか確認しておいてください。
みさき
予防接種も対象外なんですね。
藤井先生
はい。予防接種や健康診断は病気の治療ではなく、そもそも保険診療の対象外なので、この助成でもカバーされません。ここは全国どの自治体でもだいたい共通する考え方で、ひとり親家庭等医療費助成制度の全国版記事でも同じ整理をしています。それから、一部負担金に対して高額療養費など医療保険から本人に支給された額がある場合は、その分を差し引いた額が助成される仕組みになっています。
みさき
ひなが学校でケガをしたときも、この助成は使えますか?
藤井先生
保育所・幼稚園・学校の管理下(通学・通園中を含む)でのケガは、日本スポーツ振興センターの災害共済給付という別の制度が使えます。その場合はこの医療費助成の対象になりませんので、受給者証は使わず、学校を通した手続きになります。
みさき
保険が効くかどうかと、どの制度が使えるかが分かれ目、ってことですね。次は、みんなが気になる所得制限の話を聞きたいです。

所得制限のしくみ

藤井先生
埼玉県の公式ページには「児童扶養手当に準じた所得制限があります」と書かれていて、具体的な金額は県の実施要綱の別表に載っています。ただ、申請者本人の額は市町村の運用とずれているので、順番に整理しますね。
ステップ
  1. 申請者本人(養育者を除く)の所得制限は、実施要綱の別表第3で決まっています
  2. 申請者が養育者にあたる場合の所得制限は、別表第4で決まっています
  3. 申請者の配偶者や扶養義務者(親・きょうだいなど)の所得制限は、別表第5で決まっています
  4. 扶養している人数が増えるほど、限度額も上がっていきます
藤井先生
県の実施要綱の別表には、申請者本人について扶養親族等0人で1,920,000円という額が載っています。ただしこれは令和6年4月1日施行の版で、その後、児童扶養手当の所得制限限度額が令和6年11月分の手当から引き上げられました。これを受けて、川口市・所沢市・越谷市・草加市・加須市・深谷市の6市は、申請者本人の限度額を2,080,000円として案内しています。深谷市は「令和7年1月1日から所得制限限度額が以下のとおり引き上げられました」と書いています。
みさき
県の要綱に書いてある金額のままだと、少し古いってことですか?
藤井先生
はい。申請者本人の額は、市町村が公表している金額でお伝えします。養育者と、配偶者・扶養義務者の額は、要綱の別表のとおりです。
区分扶養親族等0人扶養親族等1人1人増えるごとの加算
申請者本人(別表第3・調べた6市の公表額)2,080,000円2,460,000円380,000円
養育者(別表第4)2,360,000円2,740,000円380,000円
配偶者・扶養義務者(別表第5)2,360,000円2,740,000円380,000円
みさき
この金額を超えると対象外になる、ってことですよね?
藤井先生
表の金額以上だと、その回の助成は受けられません。扶養親族の中に老人扶養親族や特定扶養親族等がいる場合は、限度額が加算されます。加算の額は立場で違い、申請者本人は老人扶養親族等1人につき10万円・特定扶養親族等1人につき15万円、養育者や配偶者・扶養義務者は老人扶養親族1人につき6万円です。
みさき
この「所得」って、額面の年収とはちがうものなんでしょうか?
藤井先生
はい、違います。給与所得控除など各種の控除をしたあとの「所得」の金額で判定されます。額面の年収そのものではないので、その点は誤解しないようにしてください。
みさき
所得は、いつの分を見られるんでしょうか?
藤井先生
見るのは申請日の前年の所得です。ただし1月から6月に申請する場合は、前々年の所得で判定されます(県の実施要綱 第7条)。
みさき
うちは養育費を少しもらっているんですけど、それも関係しますか?
藤井先生
良いところに気づきましたね。実施要綱には「児童扶養手当法に定める、児童の養育に必要な費用の支払いを受けたときは、前項の所得に算入する」とあります。つまり受け取っている養育費の8割にあたる額が、所得に加算されます。加須市と深谷市は、養育費の8割相当を加算すると案内しています。全額ではなく8割相当の額が対象です。ご自身が限度額に収まるかどうかは、養育費の扱いも含めて窓口で確認するのが確実です。
お住まいの市町村の金額も確認してください

ここでご紹介した申請者本人の額は、調べた6市が公表している額に合わせています。ほかの市町村が別の額にしていないかまでは確認できていません。「うちは対象外かも」と自己判断せず、お住まいの市役所・町村役場のひとり親家庭担当窓口で、実際の所得制限額を確認してください。

みさき
自己判断せずに窓口で聞きます。じゃあ、実際に申請する流れも教えてください。

申請の流れ

藤井先生
ここはとても大事なポイントです。病院の窓口でいきなり使えるわけではありません。事前にお住まいの市役所・町村役場へ申請し、受給者証(医療証)の交付を受けておく必要があります。
ステップ
  1. お住まいの市役所・町村役場の担当窓口(こども家庭課など、名称は市町村により異なります)へ、ひとり親家庭等医療費助成の申請をします
  2. 審査を経て、対象と認められると受給者証(医療証)が交付されます
  3. 病院・診療所・薬局を受診するときに、マイナ保険証か資格確認書とあわせて受給者証を窓口に提示します
  4. 現物給付を実施している市町村であれば、その場での自己負担が、お住まいの市町村が定めた金額になります
みさき
手続方法は、どこの市町村でも同じなんでしょうか?
藤井先生
いいえ、手続方法は市町村によって異なります。埼玉県の公式ページにも「詳しくはお住まいの市役所・町村役場のホームページ等をご確認ください」と案内されています。まずはお住まいの市町村の窓口に問い合わせるところから始めてください。次は、申請のときに必要になりやすい書類を見ていきましょう。

必要書類

藤井先生
必要書類は、申請理由や世帯状況、市町村によって異なります。以下は一例です。窓口へ行く前に、必ずお住まいの市町村へ確認してください。
書類の例補足
申請書市町村の窓口または公式サイトで入手できることが多いです
マイナ保険証・資格確認書など、健康保険の資格がわかるものご本人と対象の児童の分
ひとり親家庭等認定調書県の実施要綱で定められている書類です(様式は市町村により異なります)
戸籍謄本など、ひとり親であることが分かる書類原則として必要な書類です(県の実施要綱 第5条第2項)。市町村が公簿で確認できるときや、児童扶養手当証書を提示するときは省略できます
世帯全員の住民票の写し県の実施要綱で定められている書類です
所得(課税)証明書転入直後などで市町村が所得を把握できない場合に求められることがあります
養育費申告書養育費を受け取っているかどうかを申告する書類です
マイナンバーが分かるもの深谷市・加須市などが持ち物に挙げています
印鑑・振込先口座が分かるもの口座(通帳やキャッシュカード)は、行田市・深谷市・所沢市が登録の申請のときの持ち物に挙げています。印鑑(朱肉を使うもの)を挙げているのは行田市です。ほかの市町村の持ち物は窓口で確認してください。償還払いの振込先にも使います
みさき
戸籍謄本まで必要になるんですね。省略できることはないんでしょうか?
藤井先生
あります。児童扶養手当を受けている方(全部支給停止の方を含みます)は、児童扶養手当証書を見せることで、添付書類を省略できる場合があります。毎年の現況届も、児童扶養手当の現況届を出していれば省略できると定められています(県の実施要綱 第5条第3項・第10条第2項)。それでも手続きを面倒に感じる気持ちはよく分かります。ただ一度受給者証を受け取ってしまえば、その後の毎回の受診ではマイナ保険証か資格確認書と受給者証を見せるだけで済みます。最初の手続きだけ乗り越えれば、あとはぐっと楽になりますよ。それから、窓口で払う金額に関わる、もうひとつ大事な仕組みをお話ししておきますね。

窓口の支払いと、あとから戻ってくるお金のちがい

藤井先生
埼玉県の資料を見ると、多くの市町村で「現物給付の対象外となる条件」として自己負担月額21,000円以上という条件が示されています。
みさき
自己負担月額21,000円というのは、どういう意味なんでしょうか?
藤井先生
1つの医療機関で1か月の自己負担額の合計が21,000円以上で現物給付の対象外になる、という市町村が多いという意味です。窓口無料化(現物給付)が続くのは、その医療機関での自己負担が21,000円未満のときまでということです。この場合、いったん通常どおりの自己負担額を窓口で支払い、あとで市町村に申請して払い戻しを受ける「償還払い」に切り替わります。
みさき
大きな手術や長期入院のときは、いったん自分で払うことになる可能性があるってことですね。
藤井先生
そのとおりです。ふだんの通院・入院では窓口の支払いが軽くなりますが、1か月の自己負担額が21,000円以上になると払い戻しに切り替わる市町村が多いということは知っておいてください。21,000円以外にも、窓口でいったん支払う場面があります。たとえば、現物給付に対応していない医療機関を受診したとき、マッサージ・針・灸・接骨院などにかかったとき、受給者証を忘れたときです(加須市・所沢市の案内)。また、埼玉県外の医療機関を受診した場合は、県の案内どおり償還払いになります。窓口でいったん支払い、領収書を添えて市町村に申請すると、あとから振り込まれます。どの市町村にどの条件があるかは、お住まいの市町村の窓口で確認してください。次は、この制度を続けて使ううえで注意しておきたいことをお伝えしますね。

注意しておきたいこと

藤井先生
ここではよくある注意点を整理しますね。
現況届・更新手続きを忘れずに

受給者証の有効期間は、県の実施要綱でその年の12月31日までと決まっていて、1月1日に更新されます。そのため、多くの市町村が秋(所沢市は11月)に現況届の提出を求めます。提出時期や書式は市町村ごとに案内が違うので、受給者証を受け取るときに「いつ、どんな手続きが必要か」を一緒に確認しておくと安心です。児童扶養手当の現況届(8月)とは時期が違うので、混同しないようにしてください。手続きを忘れると、一時的に受給者証が使えなくなることがあります。

転居・再婚などで資格が変わることがあります

埼玉県内の他の市町村へ引っ越したとき、県外へ引っ越したとき、再婚したとき、児童が18歳の年度末を迎えたときなど、状況が変わると資格の見直しが必要になる場合があります。「前の市町村で受給者証をもらっていたから大丈夫」と思い込まず、状況が変わったタイミングで一度窓口に相談することをおすすめします。

みさき
引っ越しのときは要注意ですね。ところで「こども医療費助成」っていうのも聞いたことがあるんですが、これとは違うものなんでしょうか?

「こども医療費助成制度」との違い

藤井先生
いい質問です。埼玉県には、ひとり親家庭に限らないすべての子育て世帯向けの「こども医療費助成制度」という別の制度もあります。埼玉県のページによると、令和6年10月1日から、県内すべての市町村で対象年齢が18歳の年度末までに揃いました。
みさき
じゃあ、ひとり親家庭は両方使えるんですか?
藤井先生
いいえ、どちらか一方だけが適用されます。埼玉県のページには、市町村の子ども医療費助成制度またはひとり親家庭等医療費助成制度にすでに登録されている子どもは、もう一方の対象にならないと書かれています。実務上は、ひとり親家庭等医療費助成のほうが優先して登録される形になります。
みさき
中身に違いはあるんでしょうか?
藤井先生
はい。親御さん自身の受診も対象になるのが、こども医療費助成との大きな違いです。子どもだけでなく、ひとり親家庭の親御さん自身の医療費も助成の対象になります。
みさき
名前が似ているので、うっかり混同しそうです。最後に、金額や窓口をまとめて見られる表があると助かります。

ひとり親家庭等医療費助成制度(埼玉県)の基本情報まとめ

項目内容
制度名ひとり親家庭等医療費助成制度(埼玉県)
実施主体お住まいの市役所・町村役場(埼玉県は費用の一部を市町村に補助)
対象ひとり親家庭等(母子家庭・父子家庭とも)の親と児童。18歳になった年度の末まで(一定の障害がある場合は20歳未満まで)
自己負担額(県の基準)通院1,000円/月・入院1,200円/日(市町村民税非課税世帯は免除)。ただし63市町村のうち59市町村は自己負担金なし(令和8年4月1日時点)
自己負担ありの市行田市・加須市・羽生市・深谷市(加須市・羽生市・深谷市は子どもの分は自己負担なし。行田市は窓口で確認)
所得制限あり(児童扶養手当に準じる)。申請者本人は扶養0人で2,080,000円(調べた6市が公表している額)
申請方法お住まいの市役所・町村役場へ事前申請し、受給者証(医療証)の交付を受ける
公式ページhttps://www.pref.saitama.lg.jp/a0702/hitorioya.html
みさき
これはスクリーンショットして保存しておきます。埼玉県には、このほかにも使える制度があれば教えてほしいです。

併用できる他の支援制度

藤井先生
この医療費助成とあわせて確認しておきたい制度をいくつか紹介しますね。それと、今日お話しした通り、市区町村が独自の上乗せを行っている場合があります。市役所・町村役場のこども家庭課などの窓口で、市区町村独自の制度がないかもあわせて確認してみてください。
あわせて確認したい制度
  • 全国共通の制度として、ひとり親家庭等医療費助成制度という国レベルの解説記事もあります。埼玉県のように市町村実施型の自治体は他にもあるので、他の都道府県に引っ越す予定がある方は目を通しておくと役立ちます
  • 所得に応じて受け取れる児童扶養手当は、この医療費助成の所得制限を考えるうえでも目安になる制度です。まだ申請していない方は、あわせて確認してみてください
  • 一時的にまとまったお金が必要なときの選択肢として、母子父子寡婦福祉資金貸付金があります
  • 税金の面ではひとり親控除も知っておくと役立ちます
みさき
リンクをたどってみます。市役所にも確認してみますね。
藤井先生
よくある質問は、このページの下にまとめてあります。

公式情報・問い合わせ先

問い合わせ先
  • 埼玉県「ひとり親家庭等医療費助成制度」: https://www.pref.saitama.lg.jp/a0702/hitorioya.html
  • 埼玉県 保健医療部 国保医療課 福祉医療・後期高齢者医療担当: 048-830-3364
  • 実施主体は県内各市役所・町村役場です。自己負担額・所得制限額・必要書類・受給者証の交付は、お住まいの市町村のひとり親家庭担当窓口にご確認ください

※本記事は令和8年9月時点の公表情報をもとに作成しています。ひとり親家庭等医療費助成制度の対象認定、所得の判定、必要書類、自己負担額などは、個別の状況や市区町村によって異なります。最新情報は、お住まいの市区町村の担当窓口でご確認ください。

よくある質問

シングルマザーですが、埼玉県のどの市町村でも医療費は無料になりますか?
埼玉県は自己負担額の基準として通院1,000円/月・入院1,200円/日を定めていますが、令和8年4月1日時点で県が公表している資料では、63市町村のうち59市町村は自己負担金がないとされています。基準どおりに自己負担があると記載されているのは行田市・加須市・羽生市・深谷市の4市だけです。お住まいの市町村がどちらにあたるかは、必ず市町村の窓口かホームページで確認してください。
父子家庭でも同じように使えますか?
はい。埼玉県の制度は母子家庭・父子家庭のどちらも対象です。児童と児童を監護し生計を同じくする父も対象者に含まれており、必要書類や所得制限も基本的に共通です。
所得制限はいくらですか?
申請者本人の場合、扶養親族等0人で2,080,000円、1人で2,460,000円、以降は1人増えるごとに380,000円が加算されます。県の実施要綱の別表(令和6年4月1日施行)には1,920,000円と載っていますが、児童扶養手当の限度額の引き上げ(令和6年11月分から)を受けて、川口市・所沢市・越谷市・草加市・加須市・深谷市は2,080,000円で案内しています。養育者や配偶者・扶養義務者は、扶養親族等0人で2,360,000円、1人で2,740,000円です(別表第4・第5)。見るのは申請日の前年の所得で、1月から6月の申請は前々年の所得です。受け取っている養育費の8割相当も加算されます。お住まいの市町村の額は窓口で確認してください。
児童扶養手当をもらっていないと、この医療費助成は使えませんか?
児童扶養手当の受給が必須というわけではありません。埼玉県のページには「児童扶養手当に準じた所得制限があります」と書かれていますが、これは所得制限の水準を児童扶養手当に合わせているという意味で、独自に所得制限を設けています。児童扶養手当を受けていない場合でも、まずは医療費助成を単独で申請できるか窓口に確認してみてください。なお、児童扶養手当を受けている方は、申請書類の一部や現況届を省略できる場合があります。
行田市・加須市・羽生市・深谷市に住んでいると、自己負担はいくらになりますか?
埼玉県が公表している資料によると、この4市には通院が医療機関ごとに1人につき月額1,000円、入院が医療機関ごとに1人につき1日1,200円の自己負担金が記載されています。ただし市町村民税が非課税の世帯は免除されます。加須市・羽生市・深谷市は市のページで、子どもの医療費には自己負担金がかからないと案内しています(行田市は子どもの扱いを確認できていないので、窓口で確認してください)。薬局で払う分と治療用装具の製作費にも、自己負担金はかかりません。深谷市は現物給付の対象が子どものみで、親・養育者は現物給付の対象外という記載もあるため、詳しい運用は各市の窓口で確認してください。
1か月の医療費が高額になったときも、この助成の範囲内ですか?
埼玉県の資料では、多くの市町村で1つの医療機関での自己負担月額が21,000円以上になると、その医療機関については窓口無料化(現物給付)の対象外になり、いったん通常どおり支払ってから市町村に払い戻しを申請する償還払いに切り替わるとされています。具体的な扱いは市町村ごとに異なるため、大きな手術や長期入院の予定がある場合は事前に窓口で確認しておくと安心です。

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