埼玉県の制度
受講料無料|埼玉県の資格取得に向けた受験対策講座は定員50名【令和8年度】
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この制度は埼玉県にお住まいの方が対象です。全国共通の制度と併用できます。

みさき先生、前に
高等職業訓練促進給付金の記事で「看護師の資格を取るあいだ生活費が月10万円もらえる」って教えてもらったじゃないですか。あれを読んでから本気で看護学校を考え始めたんですけど、そもそも受験勉強をどうすればいいのか分からなくて。もう何年も勉強してないし、予備校に通うお金もないんです。

藤井先生そこ、実はとても大事なポイントです。高等職業訓練促進給付金は「養成機関に入ったあと」の生活費を支える制度なんですが、埼玉県はその手前、養成機関に受かるまでの受験勉強そのものを支える講座を、埼玉県内在住のひとり親向けに開いています。看護学校の受験対策講座のほか、医療事務・調剤薬局事務の講座もあり、3つとも受講料は無料です(教材費は別途自己負担になります)。

みさき無料なんですか! 埼玉県が直接やっている講座ってことですか?

藤井先生運営は埼玉県から委託を受けた公益財団法人 埼玉県ひとり親福祉連合会が行っていますが、県の事業として、埼玉県内にお住まいのひとり親家庭の方が対象です。母子家庭・父子家庭のどちらでも申し込めます。ただし先にお伝えしておくと、定員がかなり少なく、面接を行う場合もある狭き門です。良い面と厳しい面、両方を順番に見ていきましょう。
埼玉県の資格取得に向けた受験対策講座とは

藤井先生正式には「令和8年度 資格取得に向けた受験対策講座」といいます。県のページには、こう書かれています。
埼玉県公式ページより
「経済的自立には安定した就労が不可欠です。埼玉県では、3つの講座で正規雇用に結びつきやすい資格取得や、より条件の良い転職の支援をしています。」「受講料は無料ですが、教材費のみ自己負担となります。」

みさき3つの講座って、さっきおっしゃっていた看護学校・医療事務・調剤薬局事務のことですね。

藤井先生そのとおりです。3講座とも受講料は無料ですが、教材費は講座ごとに決まっています。県が掲載しているチラシによると、教材費は看護10,000円・医療事務15,000円・調剤薬局事務3,600円(いずれも自己負担、医療事務と調剤薬局事務は税込)です。全国制度の高等職業訓練促進給付金や修学資金の貸付は「お金を出す」支援ですが、この講座は「学ぶ場そのものを用意する」支援だと考えると分かりやすいと思います。


みさき順番がはっきりすると分かりやすいです。じゃあ、まずこの講座で受験対策をして、受かったら高等職業訓練促進給付金で生活費をもらいながら通う、という流れなんですね。

藤井先生はい、そのイメージで合っています。次は3つの講座、それぞれの中身を具体的に見ていきましょう。
3つの講座の内容(令和8年度)


藤井先生埼玉県のページとチラシに載っている令和8年度の日程・回数・会場・募集人員・申込締切は、次のとおりです。数字は県のページとチラシの記載をもとにしています。

みさき3つの講座、それぞれ目指すものが違うんですよね?

藤井先生そうです。看護学校受験コースは、その名のとおり看護学校(養成機関)の入学試験に受かることを目指す講座で、合格したあとに養成機関へ通う段階で、さきほどの高等職業訓練促進給付金が使えるようになります。一方、医療事務講座は一般財団法人日本医療教育財団の「メディカルクラーク」、調剤薬局事務講座は同財団の「調剤報酬請求事務技能認定」という民間資格の取得を目指す講座で、こちらは全11回・全6回と短くなっています。修了したあとに資格を得るには、講座とは別にお金がかかります。医療事務講座はメディカルクラーク技能審査試験(任意。個人受験8,800円・会場受験10,800円で、どちらの方式でも受験料のうち4,400円は補助されます)の合格が必要で、在宅で受ける場合はパソコンのある環境が要ります。調剤薬局事務講座は修了後に同財団へ申請する形で、申請料が3,000円かかります(こちらも任意)。

みさきなるほど、看護は「学校に入るための準備」、医療事務と調剤薬局事務は「資格そのものを取る準備」ということですね。

藤井先生はい、そのイメージで大丈夫です。どちらも埼玉県内での就職・転職に直結しやすい資格として県が選んでいます。

みさき3講座とも日曜日開催なんですね。これは平日働いている人には助かりますね。

藤井先生そうですね。令和8年度は3講座とも日曜日開催なので、平日に仕事をしている方でも通いやすい設計になっています。ただし看護学校受験コースは11時00分から16時45分までと長丁場です。求職中の方はもちろん、パートや正社員として働きながら通う場合は、日曜日の予定を長期間空けられるかどうかを、申し込み前に確認しておく必要があります。

みさきうちはひなが小学2年生なので、日曜日にお留守番させるのは正直まだ不安です。近くに預け先があるか確認しておいたほうがよさそうですね。

藤井先生実は、この講座は託児について相談できることになっています。医療事務・調剤薬局事務講座のチラシには「託児希望の方ご相談ください」とあり、看護学校受験コースも未就学児の託児について相談を受け付けています。ただし「相談してください」という書き方なので、必ず預かってもらえると決まっているわけではありません。小学生のお子さんが対象になるかも含めて、申し込む前に埼玉県ひとり親福祉連合会に電話で確かめてみてください。

みさき看護学校受験コースだけ回数が多くて、大宮駅の東口側なんですね。医療事務と調剤薬局事務は同じソニックシティで、駅の反対側という感じですか?

藤井先生そうですね。看護学校受験コースは大宮駅東口周辺の貸会議室(会場は回によって変わります)、医療事務講座と調剤薬局事務講座はソニックシティ(大宮駅西口)です。3講座とも会場は大宮駅の周辺に固まっています。しかも申込・問い合わせ先の埼玉県ひとり親福祉連合会は浦和区です。対象は埼玉県内全域なのですが、県北や秩父地方など、大宮・浦和から離れた地域にお住まいの方には通うだけでも負担になります。ここは正直にお伝えしておきたい点です。

みさき日程を見ると、看護学校受験コースと医療事務講座はもう始まっている時期ですよね。今から読んでいる人は間に合わないんじゃないですか?

藤井先生実は、そうとも限りません。看護学校受験コースは、定員に達するまで今も受講生を募集しています。県のページにも「定員に達するまで受講生募集中です」とあり、チラシにも「途中から参加してもしっかりサポートします」と書かれているので、6月に始まっていても今から申し込めます。医療事務講座は申込締切の8月10日を過ぎていますが、調剤薬局事務講座は10月27日(火曜日)が申込締切なので、こちらもまだ間に合います。
来年度も同じ内容とは限らない
ここで紹介した日程・回数・会場・募集人員は、いずれも令和8年度のものです。この講座は単年度の事業なので、予算は年度ごとに決まります。来年度以降も同じ3講座が同じ時期・同じ定員で開かれるとは限りません。「去年あったから今年もあるはず」と思い込まず、申し込む年度の埼玉県公式ページの募集案内を必ず確認してください。

みさきなるほど、毎年同じだと思い込まないほうがいいんですね。
だれが対象になるか

みさき対象者の条件、詳しく知りたいです。私みたいなパート勤めでも対象になりますか?

藤井先生埼玉県のページには、令和8年4月1日時点で次の要件をすべて満たす方、とあります。
- 居住地が埼玉県内であること
- 求職中(仕事を探している状態)又は就業中で、その資格を生かして就職・転職を希望していること
- 児童扶養手当の支給を受けていること、又は同等の所得水準にあること
- 原則として全日程、全時間出席可能であること

藤井先生みさきさんのように、児童扶養手当を受け取りながらパートで働いている方は、要件③の「同等の所得水準」に当てはまる可能性が高いです。ただし正確な所得の判定は窓口で確認する必要があります。

みさき「同等の所得水準」って言われても、自分がそれに当てはまるのか、なんとなくしかイメージできません。

藤井先生埼玉県のページには具体的な金額の記載はありません。申込書では「①児童扶養手当を受けている」「②①と同等の所得水準」のどちらかに〇を付ける形になっていて、②を選んだ場合は事務局から事情を聞かれたうえで判断されるしくみです。自分で計算して線を引く必要はありません。

藤井先生同じ「児童扶養手当と同等の所得水準」という言い方は、全国制度の
高等職業訓練促進給付金でも使われていて、こども家庭庁はその目安として
お子さんが1人の場合、1年間の収入が385万円未満という例を挙げています。これは埼玉県が決めた数字ではなく、あくまで国が示している別制度の目安ですが、感覚をつかむ手がかりにはなります。迷ったら自己判断せずに、埼玉県ひとり親福祉連合会に「②に当てはまるか分からない」と伝えて相談してみてください。

みさき要件②は、いま働いていない人しか対象にならないんですか? パートで働いている人は対象外になっちゃいますか?

藤井先生そうではありません。仕事を探している方(求職中)も、いま働いている方(就業中)も対象です。「その資格を生かして就職・転職を希望していること」が条件で、働いているかどうかそのものよりも、資格を取ったあとにどう働きたいかが問われる形です。

みさき要件④の「全日程、全時間出席可能」というのが、正直ちょっと不安です。看護学校受験コースなんて全19回もありますし、子どもが急に熱を出したりすることもあるので……。

藤井先生気持ちはよく分かります。ここは「原則として」という言い方になっているので、多少の欠席がすべて失格につながるとは限りませんが、基本的には全19回(または全11回・全6回)をきちんと通える見込みがあることが前提です。申し込む前に、その期間の家族の予定や子どもの預け先を確保できそうか、一度整理しておくと安心です。
良いことだけじゃない、知っておきたい弱点

みさきここまで聞くと良い制度だなと思うんですが、何か注意しておいたほうがいいことはありますか?

藤井先生大事な点なので、ここでまとめてお伝えします。
申し込む前に知っておきたい4つの弱点
①募集人員は看護学校受験コース20名・医療事務講座15名・調剤薬局事務講座15名の3講座合計でわずか50名で、しかも受講者決定前に面接を行う場合があります。②受講料は無料ですが、教材費は講座ごとに自己負担です(看護10,000円・医療事務15,000円・調剤薬局事務3,600円)。③会場は大宮駅周辺(貸会議室・ソニックシティ)に集まっており、対象は埼玉県内全域なのに、通いにくい地域の方もいます。④単年度の事業のため、来年度も同じ内容で開催されるとは限りません。

みさき50名しか枠がないのは、正直かなり厳しい競争になりそうですね。面接もあるって聞くと緊張します。

藤井先生そうですね。定員は合計50名と少ないので、応募が定員を上回る可能性があります。「申し込めば必ず受けられる」制度ではないことは、はっきりお伝えしておきたいです。面接は必ず行われるとは限りませんが、行われる場合は、資格取得後の就労意欲や、全日程出席できる見込みなどが確認されると考えられます。

みさきもし落ちてしまったら、他に道はないんでしょうか。

藤井先生実はあります。次のセクションでご紹介しますね。
講座に入れなかったときに使える別の窓口

藤井先生埼玉県ひとり親福祉連合会は、この受験対策講座とは別の事業として、資格取得セミナーやパソコン教室も開いています。受験対策講座ほど内容は絞られていませんが、参加費・受講料はどちらも無料です(パソコン教室はワード・エクセルのテキスト代各800円、パワーポイントのテキスト代400円が別途かかります)。

藤井先生資格取得セミナーは、看護師・医療事務・調剤薬局事務について1日で説明を聞ける会で、県の就業支援専門員による個別相談もあわせて行われます。パソコン教室は年4回、各回2日間・定員20名で開かれており、ワード・エクセル・パワーポイントを学べます。会場は埼玉会館(浦和駅)や坂戸市文化施設オルモです。パソコン教室は回によって無料の託児がつくので、小さいお子さんがいる方には利用しやすい形になっています。

みさきそれも埼玉県内在住のひとり親なら誰でも参加できるんですか?

藤井先生セミナーは埼玉県内在住のひとり親家庭の親子とその家族が対象、パソコン教室は埼玉県内在住のひとり親家庭の親又は寡婦が対象です。どちらも受験対策講座とは別の申し込みが必要な、別の事業です。開催時期は年度によって決まるので、参加したい場合は埼玉県ひとり親福祉連合会に開催時期を問い合わせてください。受験対策講座の選考に通らなかった場合の、もう一つの選択肢として知っておくと安心です。

みさきそれは受験対策講座と同じものではなく、別の申し込みが必要ということですね。

藤井先生そのとおりです。同じ「埼玉県ひとり親福祉連合会」が窓口になっているので、問い合わせる際に「受験対策講座」なのか「セミナー・パソコン教室」なのかを区別して伝えると、案内がスムーズです。また、講座に通う期間の教材費や生活費そのものが心配な場合は、
母子父子寡婦福祉資金貸付金の修学資金・技能習得資金を使える場合があります。あわせて窓口で相談してみてください。
申し込みの流れ

藤井先生実際の申し込みは、次のような流れになります。募集の詳細は年度によって変わるので、あくまで一般的な流れとして参考にしてください。
ステップ
- 埼玉県公式ページで最新の募集チラシ・申込書を確認する
- 希望する講座(看護学校受験コース・医療事務講座・調剤薬局事務講座)を決め、全日程出席できそうか家族の予定を確認する
- 埼玉県公式ページまたは埼玉県ひとり親福祉連合会のサイトの申込フォームで申し込む。または申込書に記入して郵送・メールで提出する(連絡のつくメールアドレスを必ず記入する。面接の会場と日時はメールで届く)
- 面接の案内が届いた場合は、指定された日時に面接を受ける
- 受講者として決定されたら、初回日程・教材費の案内に沿って準備する

みさき面接が行われる場合は、事前に準備しておいたほうがいいこともありますか?

藤井先生「資格を取ってどう働きたいか」を自分の言葉で説明できるようにしておくとよいでしょう。要件にある「就職・転職を希望していること」を、面接官に伝わる形で話せるようにしておくと安心です。

みさき講座を無事に修了できたら、そのあとはどうすればいいんですか?

藤井先生看護学校受験コースを修了した方は、そのまま志望する看護学校の入学試験に臨むことになります。合格したら、養成機関に通う間の生活費として
高等職業訓練促進給付金を申請できないか、お住まいの市区町村(町村にお住まいの方は県)の窓口に相談してください。医療事務講座・調剤薬局事務講座を修了した方は、それぞれの資格を取得したあと、資格を生かした就職・転職活動に進む形になります。
埼玉県 資格取得に向けた受験対策講座の基本情報まとめ

みさきこれを見ながら、まず公式ページをチェックしてみます。

藤井先生それが確実です。最後に、この講座とあわせて知っておくとよい制度をご紹介します。
併用できる他の支援制度

藤井先生この講座で資格取得の準備を進めながら、次の制度もあわせて確認しておくと安心です。
- 児童扶養手当 — 対象要件の「同等の所得水準」の基準にもなる、ひとり親家庭向けの全国制度です
- 高等職業訓練促進給付金 — 養成機関に入学したあと、修業中の生活費として月額10万円(住民税課税世帯は70,500円)が支給される全国制度です。修業期間の最後の1年間は月4万円が上乗せされます。この受験対策講座で合格したあとに使う制度になります
- 母子父子寡婦福祉資金貸付金 — 教材費や受験にかかる費用、進学後の学費を借りられる全国制度です。無利子または低利子で借りられます

藤井先生このほかにも、お住まいの市区町村が独自に行っている資格取得の支援や上乗せの助成があることがあります。市役所・町村役場のひとり親家庭担当窓口で、市区町村独自の制度がないかもあわせて確認してください。

みさき県の制度だけじゃなくて、市の窓口にも聞いてみます。
公式情報・問い合わせ先

藤井先生募集チラシ・申込書は公式ページからダウンロードできます。看護学校受験コースは定員に達すると受付が終わるので、検討している方は早めに公式ページを確認することをおすすめします。

みさきシングルマザーの友達にも教えてあげたいです。母子家庭だけじゃなく父子家庭のお父さんでも申し込めるんですよね。

藤井先生はい、母子家庭・父子家庭どちらの方でも、要件を満たせば申し込めます。シンママ同士で情報を共有するのはとても良いことだと思います。ぜひ広めてあげてください。
※本記事は令和8年9月時点の公表情報をもとに作成しています。資格取得に向けた受験対策講座の募集人員、日程、選考方法、教材費などは、年度によって内容が変わる場合があります。最新情報は、埼玉県公式ページまたは公益財団法人埼玉県ひとり親福祉連合会でご確認ください。