東京都の制度

抽せん番号が7つもらえる|東京都の都営住宅のひとり親優遇抽せんは世帯向限定【令和8年度】

この制度は東京都にお住まいの方が対象です。全国共通の制度と併用できます。

みさき
先生、家賃のことで相談なんですが……。今の賃貸、更新料もあって正直きついんです。都営住宅って抽選が当たらないイメージがあって諦めていたんですけど、ひとり親だと有利になるって本当ですか?
藤井先生
本当です。結論から言うと、都営住宅では、ひとり親世帯(母子世帯・父子世帯)は通常1つの抽せん番号が7つ割り当てられる「優遇抽せん(乙優遇・優遇倍率7倍)」の対象になります。優遇抽せんが実施されるのは5月・11月の定期募集で、「当たらないもの」と思い込んで応募すらしていない方が多いので、まずこの制度を知ってもらいたいです。
みさき
7倍! そんなに違うんですか。これも東京都だけの制度なんですよね?
藤井先生
そうです。都営住宅そのものが東京都が管理する公営住宅なので、この優遇抽せんの仕組みも東京都独自のものです。もし東京都以外にお住まいであれば、都営住宅そのものへの応募はできませんが、お住まいの都道府県や市区町村にも公営住宅・市営住宅・県営住宅があり、同じようにひとり親世帯向けの優遇抽せんを実施している場合があります。市区町村の住宅担当窓口に確認してみてください。
みさき
7倍っていうのは、当選する確率が7倍アップするっていう意味であってますか?
藤井先生
そこは少し正確に理解しておきたいポイントです。仕組みとしては抽せん番号が7つ交付される形で実現されています。一般の申込者は抽せん番号が1つなのに対して、ひとり親世帯(乙優遇)は同じ抽せんに7つの番号で参加できる、つまりくじを7本引けるようなイメージです。ただし実際に当せんする確率は、その回の募集戸数や応募している人数によって変わります。「7倍」はあくまで抽せん番号の割り当て倍率(優遇倍率)のことで、当せん確率そのものが常に一般の7倍になると保証されているわけではない、と理解しておいてください。

優遇抽せんの仕組みを正しく理解する

みさき
くじを7本引けるイメージ、分かりやすいです。ほかにも優遇される世帯ってあるんですか?
藤井先生
あります。優遇区分には「甲優遇」と「乙優遇」の2段階があり、ひとり親世帯は7倍の乙優遇に区分されます。
優遇区分抽せん番号優遇倍率主な対象世帯
甲優遇5つ5倍子育て世帯(子ども1〜2人)など
乙優遇7つ7倍ひとり親世帯(母子・父子世帯)、高齢者世帯(60歳以上)、心身障害者世帯、多子世帯(子ども3人以上)、生活保護受給世帯、小さな子どもが2人以上いる世帯
みさき
子育て世帯は5倍で、ひとり親世帯は7倍なんですね。同じ「子育て」でも扱いが違うんだ。
藤井先生
そうなんです。一般の子育て世帯(子ども1〜2人)は甲優遇の5倍ですが、ひとり親世帯はより手厚い乙優遇の7倍に区分されます。ひとり親であることそのものが、住宅確保の面でも配慮されているということですね。
優遇抽せんが効くのは特定の地区だけ

優遇抽せんは、募集される都営住宅すべてに適用されるわけではありません。募集案内に「優遇抽せんのある地区」として指定された住宅だけが対象で、同じ5月・11月の定期募集でも、優遇抽せんを実施していない区域(住宅)が数多く含まれています。一般の枠にしか応募していないと、せっかくひとり親世帯なのに優遇が一切効かないまま抽選に参加することになってしまいます。都営住宅入居者募集サイトの検索画面で「優遇抽せんの対象住宅のみ表示」にチェックを入れると、優遇の対象になっている住宅だけに絞り込めます。募集案内を見るときは、必ず「優遇抽せん」の欄を確認してから申し込む住宅を選んでください。なお、都内のどの区市町村に優遇抽せん対象の都営住宅がどれだけあるかは募集のたびに変わるため、この記事では明記していません。お住まいになりたい地域に対象住宅があるかどうかは、募集のたびに検索画面で確認してください。

都営住宅の優遇抽せんの倍率の図解。甲優遇は優遇倍率5倍で抽せん番号が5つ交付され、心身障害者世帯・子育て世帯(子1〜2人)などが対象。乙優遇は優遇倍率7倍で抽せん番号が7つ交付され、ひとり親世帯(母子・父子世帯)・多子世帯などが対象。優遇抽せんのある地区に応募した場合のみ適用される

みさき
優遇抽せんのある地区を選ばないと意味がないんですね、それは知らずに応募して落ち続ける人も多そうです。
藤井先生
おっしゃるとおりです。せっかくの優遇制度なので、対象地区をしっかり確認してから申し込むことが何より大切です。

ひとり親世帯として優遇を受けるための条件

みさき
うちはひな(7歳)と2人暮らしなんですが、条件は満たせそうですか?
藤井先生
条件は次の4点です。
乙優遇(ひとり親世帯)の対象条件

①申込者に配偶者がいないこと(法律上の配偶者だけでなく、内縁関係やパートナーとの事実婚状態も配偶者に含めて判定されます)。②同居する親族全員が20歳未満の申込者の子であること。③申し込む募集が、5月・11月の定期募集のうち「世帯向(一般募集住宅)」であること。④入居する人数が、申込者本人を含めて2人以上であること。この4点をすべて満たす必要があります。

藤井先生
みさきさんのケースでは、離婚されていて配偶者がおらず、同居しているのは7歳のひなちゃんだけですから、①と②は満たしています。みさきさんとひなちゃんの2人暮らしなら④の入居人数2人以上も満たします。あとは、募集案内で「世帯向(一般募集住宅)」の5月・11月の定期募集であることを確認して申し込めば、乙優遇の対象になります。
みさき
「世帯向」ってどういう意味ですか?普通の募集と何が違うんでしょう。
藤井先生
都営住宅の募集には、「世帯向(一般募集住宅)」のほかに「単身者向」「若年夫婦・子育て世帯向」など複数の区分があります。乙優遇の対象は「世帯向(一般募集住宅)」の募集だけです。たとえばお子さんが独立して申込者おひとりだけの世帯になった方が単身者向けの住宅に応募しても、乙優遇は適用されません。募集案内で「世帯向」「一般募集住宅」の表記になっているかを、申し込む前に必ず確認してください。
みさき
「同居親族全員が20歳未満の子」っていうのが少し引っかかります。うちの親と同居していたらどうなるんですか?
藤井先生
そこが見落とされがちな落とし穴です。ご自身の親(お子さんから見て祖父母)と同居している場合、その親族は20歳未満の子ではないため、乙優遇の要件から外れてしまいます。実家で親と同居しながら都営住宅に応募しようと考えている方は、優遇抽せんの対象にならない可能性があるので、事前に確認しておくことをおすすめします。
みさき
知らずに応募して「当たらない」と思っていたら、そもそも優遇の対象外だった、なんてこともありそうですね。
藤井先生
実際にそういうケースは少なくないと聞きます。申込前に、募集案内に載っている資格要件を一つひとつ照らし合わせてみてください。

募集スケジュールと申し込みの流れ

みさき
いつ応募すればいいんですか?
藤井先生
ひとり親世帯の優遇抽せんが実施される定期募集は、原則として5月・11月です。ただし、5月・11月の募集すべてが対象ではなく、そのうち「世帯向(一般募集住宅)」の募集に限られます。都営住宅には、このほかに8月・2月の定期募集、毎月募集、随時募集もありますが、募集区分によって対象世帯や選考方法が異なり、優遇抽せんが適用されるのは5月・11月の定期募集(世帯向)だけです。

都営住宅の募集区分と優遇抽せんの対象範囲を示す図解。募集区分には5月・11月の定期募集、8月・2月の定期募集、毎月募集、随時募集の4種類があり、優遇抽せんの対象になりうるのは5月・11月の定期募集だけ。さらにそのうち「世帯向(一般募集住宅)」の区分だけが実際の対象で、同じ5月・11月の募集でも世帯向以外の区分は対象外であることを示した図解

募集区分実施時期優遇抽せん
定期募集(世帯向・一般募集住宅)5月・11月対象
定期募集(世帯向以外の区分)5月・11月対象外
定期募集8月・2月対象外
毎月募集毎月対象外
随時募集随時対象外
みさき
5月と11月を逃したら、次は半年待ちってことですか?
藤井先生
そうなります。ですので、5月・11月の募集時期はカレンダーに入れておくことを強くおすすめします。令和8年5月の定期募集を例に挙げると、申込書の配布が5月7日から5月15日、申込締切が5月21日でした(オンラインは23時59分まで、郵送は締切日必着)。11月の募集も同様の流れになると見込まれますが、正確な日程は毎回の募集案内で確認してください。
ステップ
  1. 募集時期(5月・11月)になったら、都営住宅募集センターや区市町村の窓口で募集案内を入手する
  2. 募集案内の中から「優遇抽せんのある地区」を確認し、応募したい住宅を選ぶ
  3. 入居資格(都内在住・収入基準・住宅に困窮していることなど)を満たしているか確認する
  4. 申込書に必要事項を記入し、オンラインまたは郵送で申し込む
  5. 抽せん結果を確認する。当せんした場合は、指定された期間内に入居手続き(収入審査・契約等)を行う
藤井先生
必要書類や収入基準の詳細は、申込む世帯の状況によって異なります。募集案内をよく読んだうえで、不明な点は都営住宅募集センター(電話 03-3498-8894、平日9時から18時)に確認してください。
みさき
この前シンママ友達が「何回応募しても外れる」ってぼやいていたんですけど、優遇抽せんの地区に応募していなかっただけかもしれないですね。
藤井先生
その可能性は十分あります。一般枠だけに応募し続けていると、どれだけ回数を重ねても当せん率は変わりません。まずは優遇抽せんのある地区を選んでいるか、乙優遇の対象条件を満たしているかを確認することが、当せんへの一番の近道です。
みさき
落選が続いたら、もう都営住宅は諦めるしかないんでしょうか。
藤井先生
いいえ、そんなことはありません。申込みを重ねることで有利になる仕組みや、区市町村営住宅、JKK東京が扱う一般賃貸住宅(ひとり親向けの優遇があるものも含む)など、都営住宅以外の選択肢も並行して検討する価値があります。都営住宅だけに絞らず、複数の選択肢を持っておくと安心です。

都営住宅以外の選択肢も知っておく

みさき
さっき「区市町村営住宅」や「JKK一般賃貸」の話も出ましたが、それぞれどう違うんですか?
藤井先生
都内でひとり親世帯が使える公的な住宅の選択肢は、都営住宅だけではありません。主なものを表にまとめました。
種類実施主体特徴
都営住宅東京都応能応益家賃で比較的低廉。ひとり親世帯は乙優遇(7倍)の対象
区市町村営住宅各区市町村実施の有無・優遇の内容は自治体ごとに異なる
JKK東京の一般賃貸住宅東京都住宅供給公社(JKK東京)都営住宅とは別の公社住宅。ひとり親向けの優遇や家賃減額の制度がある物件もある
みさき
区市町村営住宅は、都営住宅みたいに優遇の仕組みがあるとは限らないんですね。
藤井先生
そのとおりです。実施しているかどうか、優遇の内容がどうなっているかは区市町村によって異なるため、都営住宅の応募と並行して、お住まいの区市町村の住宅担当窓口にも「ひとり親世帯向けの区営・市営住宅はありますか」と聞いてみることをおすすめします。都営住宅の抽せんを待つ間に、他の選択肢も並行して調べておくと、住まい探しの視野が広がります。

家賃はどのくらい安くなるのか

みさき
そもそも都営住宅の家賃って、民間の賃貸と比べてどのくらい違うものなんですか?
藤井先生
都営住宅の家賃は、住宅の広さや立地だけでなく、入居する世帯の収入に応じて決まる「応能応益家賃」という仕組みです。つまり、収入が少ない世帯ほど家賃が低く設定されます。みさきさんのようにパート収入が中心の世帯であれば、周辺の民間賃貸と比べてかなり低い家賃になる可能性があります。ただし、具体的な家賃額は住宅の所在地・広さ・世帯の収入によって個別に決まるため、この記事で一律の金額をお伝えすることはできません。募集案内や窓口で、具体的な物件ごとの家賃を確認してください。
みさき
更新料や礼金みたいな、民間賃貸特有の初期費用もかからないんですか?
藤井先生
都営住宅は公営住宅なので、民間賃貸のような礼金・更新料の慣習は基本的にありません。この点も、家計への負担を大きく軽減できるポイントです。
みさき
今住んでいる賃貸は更新のたびに家賃1か月分の更新料がかかっていて、正直つらいです。都営住宅に移れたら、その分を教育費とか貯蓄に回せそうですね。
藤井先生
そう考えてもらって大丈夫です。家賃そのものが下がる可能性に加えて、更新料・礼金のような一時的な出費もなくなるので、年間で見るとまとまった金額が浮くケースは少なくありません。浮いたお金を、受験生チャレンジ支援貸付事業を使う前の学習塾費用の積み立てや、緊急時の備えに回す、という考え方もできます。

都営住宅の優遇抽せんの基本情報まとめ

みさき
最後に表でまとめてもらえますか?
藤井先生
もちろんです。
項目内容
制度名都営住宅の優遇抽せん(ひとり親世帯・乙優遇)
内容定期募集で通常1つの抽せん番号が7つ割り当てられる(優遇倍率7倍)。実際の当せん確率は募集戸数・応募状況により変動
対象条件申込者に配偶者がいないこと/同居親族全員が20歳未満の申込者の子であること/入居人数が申込者本人を含めて2人以上であること
募集時期優遇抽せんの対象は5月・11月の定期募集のうち「世帯向(一般募集住宅)」の募集のみ。このほか8月・2月の定期募集、毎月募集、随時募集もあるが、いずれも優遇抽せんの対象外
家賃世帯の収入に応じた応能応益家賃
申込窓口都営住宅募集センター
問い合わせ03-3498-8894(平日9時〜18時)
公式URLhttps://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/toei_jutaku/kanri/bosyu/261toei3

併用できる他の支援制度

みさき
都営住宅と一緒に使える制度もありますか?
藤井先生
住居費が下がることで、他の手当をより有効に使えるようになる、という意味で組み合わせて考えるといいと思います。
藤井先生
母子家庭・父子家庭のどちらも乙優遇の対象で、シングルマザーもシングルファーザーも同じ条件で申し込めます。

公式情報・問い合わせ先

問い合わせ先

※本記事は令和8年7月時点の東京都の公表情報をもとにしています。都営住宅の募集戸数、申込資格、家賃、募集スケジュールなどは、募集の回ごとに変更される場合があります。最新情報は、都営住宅募集センターまたは東京都住宅政策本部の公式サイトでご確認ください。

よくある質問

都営住宅の優遇抽せんで、ひとり親世帯の当せん率は本当に7倍になりますか?
ひとり親世帯(母子・父子世帯)は乙優遇に区分され、通常1つの抽せん番号が7つ割り当てられます(優遇倍率7倍)。ただし実際に当せんする確率は、その回の募集戸数や応募状況によって変わるため、必ず7倍の確率で当せんするというわけではありません。
シングルマザーですが都営住宅に申し込めますか?
母子世帯・父子世帯のどちらも乙優遇の対象です。配偶者がおらず、同居親族が20歳未満の子のみで、入居人数が申込者本人を含めて2人以上であれば、乙優遇の対象として申し込めます。
実家の親と同居していても優遇抽せんの対象になりますか?
対象になりません。乙優遇は同居親族全員が20歳未満の申込者の子であることが条件のため、親と同居していると要件から外れます。
子どもが独立して一人暮らしになったひとり親でも、優遇抽せんの対象になりますか?
対象になりません。乙優遇は入居する人数が申込者本人を含めて2人以上であることが条件のため、申込者おひとりだけの世帯は対象外です。
都営住宅の募集はいつ行われますか?
優遇抽せんが適用されるのは、5月と11月の定期募集のうち「世帯向(一般募集住宅)」の募集です。このほかに8月・2月の定期募集、毎月募集、随時募集もありますが、これらは優遇抽せんの対象外です。

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