学用品費や給食費が助かる|就学援助は市区町村ごとに内容が違う【令和8年度】
みさき
先生、来年うちの子が小学校に入学するんですけど、ランドセルとか制服とか、入学準備だけでかなりお金がかかるって聞いて今から心配なんです……。
藤井先生
それなら就学援助という制度をぜひ知っておいてください。学用品費や給食費、修学旅行費など、学校にかかる費用の一部を市区町村が援助してくれる制度です。ランドセルなど入学準備にかかる費用も「新入学児童生徒学用品費」という形で対象にしている自治体があります。
みさき
それってひとり親家庭向けの制度なんですか?
藤井先生
いいえ、ここはとても大事なところなので最初にはっきりお伝えします。就学援助はひとり親専用の制度ではなく、経済的に就学が難しいすべての子育て家庭が対象です。学校教育法という法律に、市町村は経済的理由で就学が困難な家庭を援助しなければならないと定められていて、母子家庭・父子家庭はもちろん、ふたり親の家庭でも所得が基準以下なら対象になります。
みさき
なるほど、ひとり親限定じゃないんですね。それでも聞いておきたいのは、シングルマザーやシングルファーザーだと有利になる部分があるのかということです。
藤井先生
そこは今日じっくりお話ししますね。実は児童扶養手当を受けていることが、就学援助の認定基準の目安として扱われている自治体があります。ひとり親家庭は児童扶養手当を受けている方が多いので、結果的に就学援助の対象になりやすいケースが少なくありません。
みさき
それは心強いです。
藤井先生
もう一つ、この制度でいちばんお伝えしたいのは自治体ごとに中身がかなり違うということです。国が大枠を作っていますが、実際に誰が対象になるか、いくらもらえるか、いつから支給されるかは市区町村が決めています。今日は①誰が対象か ②何がもらえるか ③所得の目安 ④申請の時期とさかのぼりの有無 ⑤入学準備金は前払いされるかという5つの確認ポイントに沿ってお話ししていきます。特に④の申請の時期は、知らないと1年分近く損をすることがあるので、しっかり聞いてくださいね。
みさき
1年分損するかもしれないって、それは聞き逃せません。順番に教えてください。
就学援助ってどんな制度?
藤井先生
まず制度の位置づけを整理しましょう。文部科学省の就学援助ポータルサイトによると、根拠になっているのは学校教育法第19条で、「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない」と定められています。援助を行う実施主体は市町村です。
みさき
国の制度なのに、市町村が実施するんですね。
藤井先生
はい。国が「援助しなさい」という枠組みを法律で決めていて、実際の対象者の基準や支給額、支給される費目の細かい範囲は市区町村が自分たちで決めています。だから同じ「就学援助」という名前でも、隣の市に引っ越しただけで受け取れる金額や条件が変わることがあります。

就学援助の役割分担
- 国の役割: 学校教育法などの法律で「市町村は援助しなければならない」という枠組みを定めている。生活保護を受けている家庭(要保護者)への援助には国が補助金を出している
- 市区町村の役割: 対象者の所得基準、支給する費目の範囲、金額、申請の時期、支給のタイミングを条例や要綱で個別に決定する
- 学校の役割: 申請書の配布や提出の窓口になっている自治体があります
みさき
つまり「就学援助」という名前を覚えるだけじゃなくて、うちの市の中身を確認しないといけないんですね。まずは誰が対象になるのか、そこから教えてください。
確認ポイント① 誰が対象か
藤井先生
就学援助の対象は、まず要保護者と準要保護者という2つの区分に分かれます。文部科学省が公表している最新の実績値(令和6年度)では、要保護者は「生活保護法第6条第2項に規定する要保護者」で全国に約8万人。準要保護者は「市町村教育委員会が生活保護法第6条第2項に規定する要保護者に準ずる程度に困窮していると認める者」とされていて、同じく令和6年度の実績で約109万人と、要保護者よりずっと多くの家庭が対象になっています。
みさき
準要保護のほうが人数がずっと多いんですね。うちみたいな家庭は、たぶんこっちに当てはまるんでしょうか?
藤井先生
多くのご家庭は準要保護での申請になると思います。準要保護は「生活保護ではないけれど、それに近いくらい生活が苦しい家庭」を市区町村が個別に認定する仕組みなので、所得が基準以下であれば、母子家庭・父子家庭に限らずどの世帯でも対象になり得ます。そのうえで、児童扶養手当を受給していることを、認定の目安の一つとして扱っている自治体があります。横浜市の案内では「児童扶養手当を受給されている方、その他経済的にお困りの方で世帯全体の所得が限度額以下の方」が対象として挙げられていますし、足立区・船橋市・札幌市でも児童扶養手当の受給が対象要件の一つとして明記されています。
みさき
じゃあ児童扶養手当をもらえていれば、就学援助も自動的にもらえるということですか?
藤井先生
自動的に認定されるとは限りません。就学援助と児童扶養手当は別の制度で、それぞれ別に申請が必要です。児童扶養手当の受給は「対象になりやすい目安の一つ」であって、最終的な所得審査や必要書類は就学援助の申請の中で改めて行われます。「うちは児童扶養手当をもらっているから就学援助もいけそうだ」という当たりはつけられますが、必ず学校か教育委員会に申請書を出してください。
みさき
子どもの年齢や学校の種類に決まりはあるんですか?
藤井先生
対象になるのは小学校・中学校(義務教育学校を含む)に通っているお子さんです。高校生になると就学援助の対象からは外れ、高等学校等就学支援金など別の支援制度に切り替わります。ここは制度が変わるタイミングなので、お子さんが中学3年生になったら、次に使える高校向けの制度も併せて調べておくと安心です。
確認ポイント② 何がもらえるか
藤井先生
次は肝心の「何が支給されるのか」です。このセクションでは支給される費目の全体像を確認していきます。文部科学省が就学援助ポータルサイトで挙げている費目は、学用品費、体育実技用具費、新入学児童生徒学用品費等、通学用品費、通学費、修学旅行費、校外活動費、医療費、学校給食費、クラブ活動費、生徒会費、PTA会費、卒業アルバム代等、オンライン学習通信費と幅広いです。
みさき
こんなにたくさんあるんですね。全部もらえるものだと思っていいんでしょうか?
藤井先生
そこは注意が必要です。このリストは国が示している費目の一覧であって、実際にどの費目をどの金額で支給するかは市区町村が個別に決めます。全部の費目を援助している自治体もあれば、一部の費目に絞っている自治体もあります。お住まいの市区町村の一覧表やお知らせで、実際に対象になっている費目を確認してください。
| 支給費目の例 | 内容のイメージ |
|---|---|
| 学用品費 | ノート、鉛筆などの文房具、体操服など |
| 新入学児童生徒学用品費等 | ランドセルや通学用のかばんなど入学準備品(入学準備金と呼ばれることもあります) |
| 通学用品費・通学費 | 通学用の傘、雨具、遠距離通学の交通費など |
| 修学旅行費 | 小学校・中学校の修学旅行にかかる費用 |
| 校外活動費 | 遠足など校外での学習活動にかかる費用 |
| 学校給食費 | 給食費(実施している学校に限る) |
| 医療費 | 学校保健安全法で定められた特定の疾病の治療費 |
| クラブ活動費・生徒会費・PTA会費 | 部活動や生徒会、PTAにかかる費用(対象にしていない自治体もあります) |
みさき
全国共通でもらえるものと、市によって差があるものが混ざっているんですね。
藤井先生
おっしゃる通りです。国庫補助の対象になっているのは要保護者向けの援助だけで、補助率は2分の1です。準要保護者への援助は、後ほど説明する経緯から市区町村が独自の財源で行っているため、費目の範囲や金額は自治体の判断に委ねられている部分が大きくなっています。次は、この費目を判断するもとになる所得の目安について見ていきましょう。
確認ポイント③ 所得の目安・認定基準
藤井先生
このセクションでは、認定基準として使われている所得の目安を確認していきます。所得基準額は世帯人数や自治体によって大きく異なります。参考として、札幌市が公表している令和8年度の基準を挙げると、世帯人数2人で令和7年中の所得が186万円以下、8人で480万円以下など、世帯人数が増えるごとに基準額も上がる仕組みになっています。
みさき
世帯の人数によって基準が変わるんですね。うちは子ども1人なので、当てはめて考えないといけないですね。
藤井先生
そうですね、必ずお住まいの自治体の基準表で確認してください。この所得の基準額そのものが、市区町村ごとに全く違う数字を使っています。同じ世帯構成でも、隣の市に住んでいたら基準額が違う、ということが普通に起こります。
所得の基準以外にも認定される場合があります
札幌市の例では、所得基準額以下という条件のほかに、次のような場合も認定対象として挙げられています。
- 生活保護が廃止・停止になった直後の世帯
- 児童扶養手当を受給している世帯
- 世帯全員の市町村民税が非課税または全額免除されている世帯
- 個人事業税の減免を受けている世帯 など
こうした「所得基準額以外の認定理由」があるかどうかも自治体によって異なります。「うちは所得基準額をわずかに超えているから対象外」と決めつけず、窓口で他の認定理由がないか聞いてみましょう。
みさき
所得だけで機械的に決まるわけじゃないんですね。少し安心しました。次は、いちばん気になっていた申請の時期の話を聞きたいです。
確認ポイント④ 申請の時期とさかのぼりの有無(ここが一番大事です)
藤井先生
この制度でいちばんお伝えしたいのが、この申請の時期の話です。就学援助は、年度の初め、だいたい4月から5月ごろに、学校を通じて申請書が配られる自治体があります。船橋市では令和8年度の当初の提出期限が5月14日、足立区では区立学校の提出期限が4月20日とされています。
みさき
じゃあ、そのタイミングを逃したら、その年はもう申請できないんですか?
藤井先生
いいえ、年度の途中でも申請を受け付けている自治体があります。船橋市は「申請は年度内、随時可能です」としていますし、足立区も「提出期限後も受け付けを行」うとしています。離婚や失業などでひとり親になったタイミングが年度の途中だったとしても、申請自体は諦めなくて大丈夫です。
みさき
それなら安心……と言いたいところですが、さっき「1年分近く損をすることがある」っておっしゃっていましたよね。
藤井先生
はい、ここからが今日いちばん大事な話です。年度途中で申請しても、さかのぼって支給されるとは限りません。足立区の案内では「認定となった場合の支給対象は申請書を提出した月(郵送の場合は消印日の属する月)以降」となっており、船橋市でも「申請日(在籍校への提出日)が属する月からの適用となります」と明記されています。この2つの自治体のように、申請した月より前にはさかのぼらない仕組みを取っている自治体があるということです。
みさき
それは知らなかったら本当に損しますね……。申請できるって聞いて安心して、後回しにしてしまいそうです。
藤井先生
そうなんです。「年度途中でも申請できる」という言葉だけを聞くと安心してしまいますが、実際には「申請した月からしか支給されない」自治体があるため、対象になりそうだと気づいた時点で、できるだけ早く申請するのが鉄則です。なお足立区では、通常の申請(普通申請)とは別に特別な事情がある場合の「特別申請」という区分を設けており、この場合は扱いが異なることがあるともされています。こうした例外の有無や条件は自治体によって違うので、「うちの場合はさかのぼれないか」を窓口で必ず確認してください。

申請が遅れると、その分の月の援助を受け取れないことがあります
- 支給対象を申請書を提出した月(または消印日の月)以降からとしている自治体があります(足立区・船橋市など)。年度当初にさかのぼって全額もらえるとは限りません
- 「対象になるかもしれない」と思ったら、正式な書類がそろっていなくても、まず学校か教育委員会の窓口に相談することをおすすめします
- さかのぼって認定される特別な仕組みを設けている自治体もありますが、条件や有無は自治体によって異なるため、窓口で確認してください
みさき
とにかく「気づいたらすぐ相談」ですね、肝に銘じます。もう一つ気になっているのが、入学準備のお金は入学前にもらえるのか、それとも入学した後になるのかということです。
確認ポイント⑤ 入学準備金は前払いされるか
藤井先生
いいところに気づきましたね。「新入学児童生徒学用品費」、いわゆる入学準備金は、本来は入学した後に支給される費目ですが、入学前の時期に前倒しで支給している自治体があります。ランドセルや制服は入学前にそろえる必要があるので、入学後に届くお金では間に合わないという声を受けて広がってきた取り組みです。
みさき
それは助かります。うちの市もやっているといいんですが。
藤井先生
文部科学省は、この入学前支給の実施状況を市区町村ごとに継続して調査・公表しています。実際に実施している自治体の例を挙げると、神戸市では小学校入学予定のお子さんについて2026年3月上旬に支給するとしており、金額は2025年10月時点で小学校57,060円、中学校63,000円です。札幌市も、小学校入学予定で認定期間に4月を含む場合に入学準備金64,300円を前倒しで支給する仕組みを設けています(中学校入学の場合は金額が異なります)。江戸川区や日立市、新宿区など、入学前支給を行っている自治体は他にもあります。
みさき
具体的な自治体名を聞くと、うちの市も調べてみようという気になります。
藤井先生
ぜひ調べてみてください。ただし入学前支給を実施していない自治体もありますし、実施していても申請の締切が早いことがある点には注意が必要です。神戸市の例では、入学前支給の申請締切は2026年1月8日(消印有効)と、入学するかなり前に設定されています。「入学が決まってからゆっくり申請すればいい」と思っていると締切に間に合わないことがあるので、お子さんの入学が決まったら早めに教育委員会や学校に確認するのがおすすめです。次は、少し違う角度から、生活保護を受けている世帯の場合の扱いを見ていきましょう。
要保護世帯(生活保護世帯)の場合の扱い
藤井先生
ここまで主に準要保護のお話をしてきましたが、生活保護を受けている要保護世帯の場合は少し扱いが異なります。生活保護には教育扶助という仕組みがあり、義務教育にかかる学用品費や学校給食費などは、就学援助ではなくこの教育扶助から支給されます。大田区の案内でも「生活保護費から支給される費目については、就学援助費では支給しません」と説明されています。
みさき
生活保護を受けていると、就学援助はもらえないってことですか?
藤井先生
そういうわけではありません。教育扶助でまかなわれる費目については就学援助からは重ねて支給されませんが、教育扶助の対象になっていない費目(修学旅行費など)については、要保護者向けの就学援助から支給される場合があります。つまり「同じ費目を二重にはもらえないが、教育扶助でカバーされない部分は就学援助でカバーされる」という仕組みです。詳しい振り分けは自治体やケースワーカーに確認してください。
みさき
なるほど、二重取りにはならないけれど、抜け落ちる部分もないようになっているんですね。ちなみに、準要保護の制度が自治体ごとにこんなにバラバラなのはどうしてなんですか?
藤井先生
それには歴史的な経緯があります。文部科学省によると、準要保護者に対する就学援助については、三位一体の改革により、平成17年度より国の補助を廃止し、税源移譲・地方財政措置を行い、各市町村が単独で実施する形に変わりました。それまでは準要保護者への援助にも国の補助金が出ていたのですが、平成17年度以降は市町村が自分たちの財源で実施することになったんです。これが、就学援助の中身が自治体ごとに大きく異なる理由の一つになっています。
みさき
つまり、国がお金を出さなくなったタイミングで、自治体ごとの差が生まれやすくなったということですね。仕組みの背景がわかると納得できます。次は、実際に申請するときに必要な書類を教えてください。
必要書類は何が必要?
藤井先生
必要書類は、申請理由や世帯状況、市区町村によって異なります。ここでは一例をご紹介しますが、窓口へ行く前に、必ずお住まいの市区町村や学校へ確認してください。
| 書類の例 | 内容 |
|---|---|
| 就学援助申請書 | 学校で配布される様式に記入します。学校配布のお知らせが最初の入り口になっている自治体があります |
| 課税(非課税)証明書 | 世帯の所得を確認するための書類。市区町村役場で取得できます |
| 児童扶養手当証書の写しなど | 児童扶養手当の受給を認定基準の一つとしている自治体で求められることがあります |
| 生活保護廃止・停止の通知など | 生活保護を最近まで受けていた世帯で求められることがあります |
| 振込先口座がわかるもの | 支給を口座振込で受け取る場合に必要になることがあります |
みさき
書類は学校を通してそろえることがあるんですね。次は実際の申請の流れを教えてください。
申請の流れ
ステップ
- お子さんの通う学校、または教育委員会の窓口・ホームページで、就学援助のお知らせや申請書を入手します。4〜5月ごろに学校を通じて配布する自治体がありますが、年度途中でも入手できることがあります
- 必要書類を確認し、そろえます。持ち物や様式は自治体によって異なるため、事前に学校や教育委員会に確認しておくと二度手間になりません
- 記入した申請書と必要書類を、学校または教育委員会に提出します。対象になるかもしれないと気づいたら、できるだけ早く提出することが大切です
- 教育委員会が所得の状況や認定要件を審査します
- 認定されると通知が届き、申請した月(または消印日の月)以降の分から援助が始まります。支給の時期や回数は自治体によって異なります
みさき
審査にかかる期間って、だいたい決まっているんですか?
藤井先生
審査にかかる期間や、実際に支給が始まるまでの日数は自治体によって異なります。申請の際に窓口で目安を聞いておくと安心です。手続きが終わったあとにも、気をつけておきたいポイントがいくつかあるので、続けてお話ししますね。
気をつけたいポイント
毎年の申請が必要になる自治体があります
- 札幌市の例では、就学援助は1年に1回申請が必要で、前年度に認定されていた方も改めて申請する必要があるとされています。「一度認定されたらずっと自動更新」とは限らないので、案内が届いたら早めに手続きしましょう
- 年度が変わるタイミングで所得の判定期間も切り替わるため、前年度に対象外だった世帯が翌年度に対象になることもあります。「うちは前に対象外と言われたから」と決めつけず、状況が変わったら改めて相談してみてください
引っ越し・世帯状況の変化があったときは早めに相談
- 他の市区町村に引っ越した場合、転出前の認定がそのまま引き継がれるとは限りません。転出元・転入先の両方の窓口で手続きが必要になる場合があります
- 就職・退職、扶養義務者との同居・別居などで世帯の所得状況が変わったときも、届出が必要かどうかを教育委員会に確認してください
みさき
引っ越しや年度替わりのタイミングで手続きを忘れそうなので、気をつけます。ここまでの内容を一度、表で整理してもらえますか?
基本情報まとめ
藤井先生
5つの確認ポイントを踏まえて表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 就学援助(学用品費・学校給食費等) |
| 制度の位置づけ | 学校教育法に基づき市町村が実施する援助。対象者の基準や金額は市区町村が個別に決定する |
| 対象区分 | 要保護者(生活保護受給世帯、令和6年度で全国約8万人)、準要保護者(要保護に準ずると市町村教育委員会が認めた世帯、同約109万人) |
| 誰が対象か | 小学校・中学校(義務教育学校を含む)に通うお子さんの保護者。ひとり親家庭専用ではなく、すべての子育て家庭が対象。児童扶養手当の受給を認定の目安にしている自治体がある |
| 何がもらえるか | 学用品費・新入学児童生徒学用品費・通学用品費・修学旅行費・校外活動費・学校給食費・医療費など(自治体により対象費目が異なる) |
| 所得の目安 | 世帯人数・自治体ごとに基準額が異なる。児童扶養手当の受給など所得以外の認定理由がある自治体もある |
| 申請時期 | 4〜5月ごろに学校を通じて配布する自治体がある。年度途中の申請を受け付ける自治体もある |
| さかのぼり支給 | 申請した月(または消印日の月)以降からの支給とする自治体がある。さかのぼっての支給は自治体によって扱いが異なる |
| 支給の時期・回数 | 自治体によって異なる。例:船橋市は年間の支給額を3期に分けて支給(4〜7月分は7月、8〜11月分は12月、12〜3月分は3月) |
| 入学準備金の前払い | 実施している自治体がある(神戸市・札幌市など)。実施していない自治体もあり、締切が早い場合もある |
| 申請窓口 | お子さんの通う学校、または市区町村の教育委員会 |
| 公式情報 | 就学援助制度について(文部科学省) |
みさき
こう見ると、「誰が」「何が」「いくら」「いつ申請するか」「さかのぼれるか」「前払いがあるか」を、自分の市に確認する制度だということがよくわかります。他にも使える制度があれば教えてください。
併用できる他の支援制度
藤井先生
就学援助と一緒に確認しておきたい制度がいくつかあります。ひとり親家庭であれば、生活費を直接支える児童扶養手当は、就学援助の認定の目安にもなる制度なのであわせて申請しておきたいところです。中学生から高校生になるタイミングでまとまった資金が必要になったときは母子父子寡婦福祉資金貸付金の修学資金・就学支度資金なども選択肢になります。税金の面ではひとり親控除も知っておくと役立ちます。中学生以下のお子さんがいる家庭全般では児童手当もあわせて確認しておきましょう。
みさき
一つの窓口でまとめて聞けるものなんでしょうか?
藤井先生
就学援助については学校や教育委員会が窓口になりますが、児童扶養手当や母子父子寡婦福祉資金貸付金は市区町村の子育て支援課やひとり親家庭の相談窓口が担当することがあります。「就学援助とあわせて、ひとり親家庭で使える制度があれば教えてください」と伝えると、関連する制度をまとめて案内してもらいやすくなりますよ。
みさき
一つずつ調べるより、まとめて聞きに行った方がよさそうですね。最後に、よくある疑問をいくつか聞いてもいいですか?
よくある質問
みさき
シングルマザーですが、就学援助はもらえますか?
藤井先生
はい、母子家庭・父子家庭のどちらも対象です。就学援助はひとり親専用の制度ではありませんが、児童扶養手当の受給を認定の目安の一つとしている自治体があります。詳しい基準はお住まいの市区町村で確認してください。
みさき
児童扶養手当をもらっていれば、就学援助も自動的にもらえますか?
藤井先生
自動的に認定されるとは限りません。児童扶養手当の受給を認定の目安にしている自治体はありますが、就学援助は別途申請が必要な制度です。学校や教育委員会に申請書を提出してください。
みさき
年度の途中で離婚した場合、すぐに申請できますか?
藤井先生
はい、年度途中の申請を受け付けている自治体があります。ただし、申請が遅れた月については、さかのぼって支給されないとする自治体がある点に注意してください。対象になりそうだと気づいたら、できるだけ早く学校か教育委員会に相談しましょう。
みさき
入学準備金は入学前にもらえますか?
藤井先生
前倒しで支給している自治体があります(神戸市・札幌市など)。ただし実施していない自治体もあり、実施している場合でも申請の締切が入学のかなり前に設定されていることがあります。お子さんの入学が決まったら早めに教育委員会に確認してください。
みさき
生活保護を受けていても就学援助はもらえますか?
藤井先生
生活保護を受けている世帯(要保護者)は、教育扶助でまかなわれる費目については就学援助から重ねては支給されませんが、教育扶助の対象になっていない費目については、要保護者向けの就学援助から支給される場合があります。詳しい振り分けはケースワーカーや教育委員会に確認してください。
みさき
毎年申請しないといけないんですか?
藤井先生
自治体によります。札幌市のように1年に1回の申請を必要とし、前年度に認定されていた方も改めて申請が必要な自治体があります。案内が届いたら早めに手続きしてください。
みさき
ありがとうございます。「誰が」「何が」「所得の目安」「申請の時期とさかのぼり」「入学準備金の前払い」の5つを自分の市に確認すればいいってことがはっきりしました。
藤井先生
それが今日いちばんお伝えしたかったことです。特に申請の時期だけは、知らないと本当に損をしてしまうので、対象になるかもしれないと思ったら、まず学校か教育委員会に相談してみてください。
公式情報・問い合わせ先
問い合わせ先
- 就学援助制度について(文部科学省 就学援助ポータルサイト): https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/05010502/017.htm
- 対象者・所得の目安・支給費目・申請時期・さかのぼり支給の有無・入学準備金の前払いの有無は、すべて市区町村ごとに異なるため、実際の手続きはお子さんの通う学校、またはお住まいの市区町村の教育委員会へお問い合わせください
※本記事は令和8年7月時点の公表情報をもとに作成しています。就学援助の対象者、所得の目安、支給費目、申請時期、さかのぼり支給の有無、入学準備金の前払いの有無などは、個別の状況や市区町村によって異なります。最新情報は、お子さんの通う学校、またはお住まいの市区町村の教育委員会でご確認ください。
よくある質問
就学援助はひとり親家庭専用の制度ですか?
いいえ、就学援助はひとり親専用の制度ではなく、経済的に就学が難しいすべての子育て家庭が対象です。ただし児童扶養手当の受給を認定の目安の一つとしている自治体があります。
対象になるのは要保護と準要保護のどちらですか?
生活保護を受けている世帯は要保護者(令和6年度で全国約8万人)、それに準ずる程度に困窮していると市町村教育委員会が認めた世帯は準要保護者(同約109万人)です。多くのご家庭は準要保護での申請になります。
何が支給されますか?
学用品費、新入学児童生徒学用品費(入学準備金)、通学用品費、修学旅行費、校外活動費、学校給食費、医療費などが国の示す費目の例です。実際にどの費目をいくら支給するかは市区町村ごとに異なります。
年度の途中で申請しても間に合いますか?
年度途中の申請を受け付けている自治体があります。ただし申請した月(または消印日の月)以降の分からの支給とする自治体があり、さかのぼって支給されるとは限らないため、対象になりそうだと気づいたら早めに申請してください。
入学準備金は入学前にもらえますか?
前倒しで支給している自治体があります(神戸市・札幌市など)。ただし実施していない自治体もあり、申請の締切が入学のかなり前に設定されていることがあるので、入学が決まったら早めに確認してください。
生活保護を受けていても就学援助はもらえますか?
生活保護の教育扶助でまかなわれる費目は就学援助から重ねては支給されませんが、教育扶助の対象になっていない費目(修学旅行費など)については要保護者向けの就学援助から支給される場合があります。
毎年申請し直す必要がありますか?
自治体によります。札幌市のように1年に1回申請が必要で、前年度に認定されていた方も改めて申請が必要な自治体があります。案内が届いたら早めに手続きしてください。
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この記事で触れている関連制度
本文のなかで出てきた制度です。あわせて使えるかどうかは、それぞれの記事と窓口でご確認ください。
- 手当児童扶養手当子どもが18歳に達した日以後の最初の3月31日まで(障害があるときは20歳未満まで)、生活費の手当がもらえる制度。シングルマザー・シングルファーザーの家庭が対象です。第1子は月額最大48,050円で、支払いは奇数月に年6回、2か月分ずつまとめて振り込まれます。収入によって全額もらえる人と一部だけの人がいます。
- 貸付母子父子寡婦福祉資金貸付金子どもの学費や引っ越し代など、まとまったお金を利子なし(保証人がいないときは年1.0%)で借りられる制度。シングルマザー・シングルファーザーと寡婦が対象で、使いみちに応じて修学資金・就学支度資金・生活資金など12種類あります。もらえるお金ではなく、あとで返すお金です。借りられる上限は資金の種類ごとに決まっています。
- 税制ひとり親控除シングルマザー・シングルファーザーの税金が安くなるしくみ。所得(収入から必要な分を差し引いた額)から所得税は35万円、住民税は30万円を引いてから税金を計算します。手続きは年末調整か確定申告で。結婚したことがあるかどうかは関係ありません。
- 手当児童手当子どもを育てている家庭がもらえる制度で、ひとり親の家庭にかぎらず対象になります。2024年10月から所得(収入から必要な分を差し引いた額)による制限がなくなり、18歳に達する日以後の最初の3月31日まで(高校生年代まで)もらえるようになりました。金額は3歳未満が月15,000円、3歳から高校生年代が月10,000円、第3子以降は月30,000円で、支払いは偶数月に年6回、2か月分ずつまとめて振り込まれます。シングルマザーの家庭は児童扶養手当と一緒に受け取れます。
同じ「助成」のほかの制度
- 助成ひとり親家庭等医療費助成制度ひとり親の家庭が病院にかかったときの窓口の支払いが軽くなる制度。子どもだけでなく親の分も対象にしている自治体があります。国が金額を一律に決めておらず、制度の名前・窓口で払う額・収入の条件は市区町村ごとに違います。シングルマザーの方は、お住まいの市区町村で①誰が対象か ②親の分も出るか ③収入の条件 ④窓口でいくら払うか ⑤申請の期限、の5つを確認してください。
- 東京都助成ひとり親家庭等医療費助成制度(マル親)東京都でひとり親の家庭の病院代が軽くなる制度(通称マル親)。子どもだけでなく親の医療費も対象です。「マル親医療証」をもらうと、住民税がかかる世帯は医療費全体の1割の負担(通院は月18,000円・年144,000円、入院は月57,600円が上限)、住民税がかからない世帯は窓口での支払いがありません。子どもが18歳になった年の3月末(障害があるときは20歳未満)まで、シングルマザー・シングルファーザーの家庭が使えます。
- 東京都助成水道料金・下水道料金の減免(東京都)児童扶養手当または特別児童扶養手当をもらっているシングルマザー・シングルファーザーの世帯は、申請すると水道の基本料金と1か月あたり10m³まで使った分の料金に相当する額が免除されます。23区では下水道料金も1か月あたり8m³までの分が免除されます。多摩地区の下水道料金は市町によって取扱いが異なります。自動では適用されず、水道局への申請が必要です。









