保育料は無料(給食費は別途)|幼児教育・保育の無償化は3〜5歳は所得問わず対象【令和8年度】
幼稚園・保育所・認定こども園などの利用料(保育料)が、3歳から5歳児クラスは所得(収入から必要な分を差し引いた額)にかかわらず、0歳から2歳児クラスは住民税がかからない世帯を対象に、条件を満たせば無料になる制度です。
助成すべての子育て家庭が対象 公開・ 更新

みさきパート先の後輩に、来年子どもが保育園に入るという人がいるんです。その人に「幼児教育・保育の無償化」ってニュースでよく聞くけど実際どうなの、と聞かれて。うちのひなはもう小学2年生で保育園は卒業しているんですけど、私みたいなシングルマザーの家庭も対象になる制度なんでしょうか?

藤井先生結論から言うと、対象になります。この制度はひとり親家庭専用の制度ではなく、すべての子育て家庭が対象です。母子家庭・父子家庭はもちろん、両親がそろっているご家庭でも、条件を満たせば同じように利用料が無料になります。

みさきあ、そうなんですね。てっきり所得が低い家庭だけの制度かと思ってました。

藤井先生3歳から5歳のお子さんは、
世帯の収入の高さを理由に対象から外れることはありません。(保育所や幼稚園に通っていることなど、利用のための要件はあります。)0歳から2歳のお子さんは、住民税がかからない世帯(住民税非課税世帯)に限られます。ここは年齢ではっきり扱いが分かれるので、まずお子さんの年齢で自分が対象かどうかを確認しましょう。

みさきその後輩の子はまだ1歳だと言っていたので、そこは気になるところですね。ちなみに「無償化」というくらいだから、保育園にかかるお金は全部タダになるってことですか?

藤井先生そこが今日いちばんお伝えしたいところです。無償になるのは利用料(保育料)だけで、給食費や行事費、通園の送迎にかかる費用は無償化の対象外です。「幼児教育・保育の無償化」という名前だけを見て「保育園にかかるお金が全部いらなくなる」と思って園に行くと、給食費の請求書を見て「聞いていた話と違う」となってしまいます。

みさきそれは知らないと戸惑いそうです…。じゃあ具体的に、何が無料になって何にお金がかかるのか、順番に教えてください。
幼児教育・保育の無償化ってどんな制度?

藤井先生この節では、制度全体の対象範囲を整理します。まず前提として、この制度はひとり親家庭専用の制度ではなく、子育て中のすべての家庭が使える制度だという点を押さえてください。そのうえで、母子家庭・父子家庭ももちろん対象になります。


藤井先生対象になる年齢と対象世帯は次のとおりです。

みさき「3歳児クラス」というのは、誕生日で3歳になったらすぐ、ということですか?

藤井先生そこは施設の種類で少し違います。認可保育所や認定こども園では満3歳になった後の4月1日から、小学校入学前までの3年間が対象です。一方、幼稚園は入園できる年齢に合わせているので、満3歳の誕生日を迎えた時点から利用料が無償になります。

みさき幼稚園のほうが早く始まるんですね。じゃあ0〜2歳の「住民税非課税世帯」というのは、うちみたいな家庭でも当てはまるものなんでしょうか?

藤井先生住民税がかかるかどうかは、前年の所得と
扶養人数で決まります。パート収入が年収180万円くらいで、お子さんが1人の世帯なら、非課税になっているケースは少なくありません。ご自身が非課税かどうかは、毎年届く住民税の決定通知書や、お住まいの市区町村の窓口で確認できます。

みさきなるほど、まずは自分の家が非課税かどうかを確認するのが最初の一歩なんですね。じゃあ次は、実際どこまでがタダになるのか、詳しく知りたいです。
無償になるのは利用料だけ―給食費・行事費は別

藤井先生ここが今日いちばん大事な話です。無償化の対象になるのは、
幼稚園・保育所などの利用料(保育料)だけです。次の費用は、無償化が始まる前と同じように保護者が負担します。
- 給食費(主食費・副食費(おかず・おやつ代))
- 行事費
- 通園送迎にかかる費用
- 教材費など、施設が実費として集めているもの

藤井先生この4つは、こども家庭庁のFAQでも「これまでどおり保護者の負担」とはっきり書かれています。
「無償化」でも園への支払いがゼロにはならない
無償になるのは利用料(保育料)だけです。給食費・行事費・通園送迎費・教材費などの実費は、無償化が始まる前と同じように保護者が負担します。園から届く請求書がゼロにならないことを、あらかじめ知っておきましょう。

みさき給食費までタダになると思っていたので、それは知らないと園で「請求と違う」って戸惑いそうです。副食費って、絶対払わないといけないものなんですか?

藤井先生いいえ、副食費は年収360万円未満相当の世帯と第3子以降は免除されます。年収360万円未満相当とは、国の定義では市民税所得割額(所得に応じて課税される住民税の一部)が57,700円未満の世帯で、ひとり親世帯等は77,101円未満です。所得割額は円単位なので、77,101円未満は77,100円以下と同じ意味になります。ひとり親世帯は上限が高く設定されているので、この基準に当てはまって副食費が免除になる方も少なくありません。

みさきそれはうちも当てはまるか確認したほうがよさそうです。手続きは何か必要なんですか?

藤井先生認定こども園・認可保育所・幼稚園(子ども・子育て支援制度に移行している園)に通っている場合、この免除は基本的に手続き不要で自動的に判定されます。新制度に移行していない一部の私立幼稚園だけは、別途申請が必要になることがあるので、通っている園に確認してください。

みさき自動でやってもらえるのはありがたいです。ちなみに主食費(ご飯やパン)のほうは免除の対象にならないんですか?

藤井先生主食費は副食費とは別の扱いで、免除の仕組みは用意されていません。金額は施設によって差がありますが、月あたり数百円〜千円程度の実費を負担するのが一般的です。給食費全体がゼロになるわけではない、ということは覚えておいてください。

みさき主食費・副食費のことはよくわかりました。ところで、うちは1人っ子ですけど、きょうだいがいる家庭だと保育料の計算は変わったりするんですか?

藤井先生0歳から2歳の住民税がかかる世帯(無償化の対象外の世帯)では、きょうだいの人数で保育料が軽くなる仕組みがあります。保育所等を利用している一番上のお子さんを第1子として数え、第2子は半額、第3子以降は無料になります。この軽減は所得にかかわらず受けられます。さらに、年収360万円未満相当の世帯は第1子の年齢を問わずに数えられるので、上のお子さんが小学生以上でも、第2子・第3子としてカウントされます。

みさき3歳以上の子は無償化でタダになって、0〜2歳の子は世帯の状況によって半額か無料になることもあるってことですね。さっきの後輩みたいに0〜2歳の子がいる家庭は、どうやって自分の世帯の区分を確認すればいいんでしょうか?

藤井先生保育料の区分は、毎年届く住民税の決定通知書に書かれている「市民税所得割額」をもとに、市区町村が判定します。通知書が手元にない場合は、市区町村の窓口で「課税証明書」を取れば同じ金額を確認できます。実際に0〜2歳の保育料がいくらになるか、きょうだい軽減がいくつ適用されるかは、この所得割額をもとに市区町村が個別に計算するので、窓口で試算してもらうのが確実です。

みさき会社が保育園を運営している「企業主導型保育」を使っている友人がいるんですけど、あれも対象になるんでしょうか?

藤井先生企業主導型保育事業も無償化の対象です。標準的な利用料にあたる金額が無料になります。就学前のお子さんが通う障害児の発達支援についても、3〜5歳のお子さんは利用料が無料になります。利用している施設がどの制度に当てはまるかわからないときは、施設か市区町村の窓口に聞けば教えてもらえます。

みさきよくわかりました。無料になる範囲がはっきりしたところで、次は保育園以外――認可外保育施設や幼稚園の預かり保育も無償化の対象になるのか知りたいです。
認可外保育施設・幼稚園の預かり保育は上限額と手続きが必要

藤井先生ここからは、認可保育所や認定こども園以外を使う場合の話です。認可外保育施設や、幼稚園が行う「預かり保育」も無償化の対象になりますが、認可保育所などと違い、月額の上限額があり、事前に認定を受ける手続きが必要です。


藤井先生令和8年4月時点の上限額は次のとおりです。

みさきけっこう細かく分かれているんですね。これは全部自動で決まるものなんですか?

藤井先生いいえ、ここが認可保育所との大きな違いです。認可外保育施設や預かり保育は、事前に「保育の必要性の認定」を受ける必要があります。仕事をしている、求職中である、といった保育を必要とする事情があることを、市区町村に認めてもらう手続きです。

みさきそれを受けていないと、上限額まで使ってもお金が戻ってこないってことですか?

藤井先生そのとおりです。認定を受けないまま利用料を払い続けても、無償化分は請求できません。認定を受けたあとは、いったん施設に利用料を支払い、領収書などを市区町村に提出して払い戻しを受ける「償還払い」という流れになる自治体があります。窓口ごとに提出書類や締切が違うので、通う予定の施設が決まったら早めに市区町村の窓口に相談してください。

みさき上限額って、この先ずっとこの金額のままなんでしょうか?

藤井先生今お伝えした金額は令和8年4月時点のものです。制度の改定で今後上限額が変わる可能性があると、自治体の案内にも注記があります。変更があれば市区町村や、こども家庭庁の公式ページで確認できます。

みさきわかりました。ここまでで制度の範囲はだいぶ整理できました。私みたいなひとり親の家庭だと、ほかにも知っておいたほうがいいことってありますか?
ひとり親世帯が知っておきたい併用制度と軽減

藤井先生この制度自体はひとり親専用ではありませんが、ひとり親世帯だからこそ有利になる点や、あわせて使える制度がいくつかあります。

藤井先生まず、0歳から2歳のお子さんで、住民税がかかる世帯(無償化の対象外になる世帯)の場合です。この場合でも、ひとり親世帯は一般の世帯より低い金額の区分が用意されている市区町村があります。たとえば京都市では、ひとり親世帯で市民税所得割額の合計が77,100円以下の場合、1人目の保育料が軽くなり、2人目以降は無料になる仕組みがあります。横浜市でも、ひとり親世帯には一般世帯より低い利用料の区分が設定されています。実際に軽減があるかどうか、金額は市区町村ごとに違うので、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。

みさきうちの市でも同じような制度があるか、聞いてみます。副食費の免除のところで出てきた「市民税所得割額77,100円以下」というのも、この軽減と同じ基準なんですか?

藤井先生副食費免除の目安になる「年収360万円未満相当」(ひとり親世帯等は77,100円以下)と、京都市のひとり親世帯向けの保育料軽減の基準は、同じ金額で設定されています。ただし基準の金額や軽減の内容は制度ごと・市区町村ごとに個別に決まっているので、「副食費が免除になったから保育料も自動的に軽くなる」と決めつけず、それぞれ窓口で確認するようにしてください。

みさきなるほど、別々に確認したほうがよさそうですね。ほかにも併用できる制度ってありますか?

藤井先生はい。保育園にかかるお金以外の生活費の面では、
児童扶養手当で日々の生活費を補うことができますし、税金の面では
ひとり親控除で所得税・住民税が安くなります。保育料そのものが無償化されても、給食費や生活費は別にかかるので、こうした制度とあわせて使うことで家計全体の負担を減らせます。

みさき保育料だけじゃなくて、家計全体で見ればいいんですね。

藤井先生そのとおりです。次は、実際に無償化を使うために必要な書類を確認していきましょう。
必要書類

藤井先生必要書類は、利用する施設の種類や市区町村によって異なります。窓口へ行く前に、必ずお住まいの市区町村へ確認してください。以下は一例です。

みさき就労証明書は前の会社を辞めたときにも書いてもらったので覚えています。求職中でも保育を必要とする事情として認められるんですか?

藤井先生はい、求職活動中であることも保育を必要とする事情の一つとして認められます。詳しい認定基準は市区町村ごとに定められているので、状況が変わったときは早めに窓口へ相談してください。

みさき引っ越しをして市区町村が変わった場合、認定はそのまま引き継がれるんですか?

藤井先生いいえ、引き継がれません。「保育の必要性の認定」は認定した市区町村ごとの手続きなので、引っ越した先で改めて申請し直す必要があります。転居の予定があるときは、早めに引っ越し先の市区町村の窓口へ相談しておくと、手続きの空白期間を減らせます。

みさきわかりました。それじゃあ実際の申請の流れを教えてください。
申請の流れ
ステップ
- お子さんの年齢と使う施設の種類を確認する: 認可保育所・認定こども園・新制度移行幼稚園に通う(通う予定の)場合は、通常の入園・入所の申込みだけで無償化が適用されます。追加の手続きは基本的に不要です。
- 認可外保育施設・預かり保育を使う場合は「保育の必要性の認定」を申請する: お住まいの市区町村の窓口で、施設等利用給付認定申請書と、就労証明書などの必要書類を提出します。
- 認定を受けてから施設を利用する: 認定前に利用した分は無償化の対象にならない自治体があるため、利用を始める前に認定申請を済ませておきましょう。
- 利用料をいったん支払い、領収書等を保管する: 償還払いの場合、施設に支払った利用料の領収書が払い戻し請求に必要になります。
- 決められた期限までに市区町村へ請求する: 請求の締切や提出方法は市区町村ごとに異なります。窓口や自治体のホームページで、締切と提出書類を確認してください。

みさき認定を先に済ませておくのが大事なポイントなんですね。最後に、気をつけたほうがいいことがあれば教えてください。
注意点
給食費・行事費は無償化されないことを忘れない
「無償化」という名前から、保育園・幼稚園にかかる費用が全部いらなくなると思い込みやすい制度です。給食費(主食費・副食費)、行事費、通園送迎費は、これまでどおり保護者の負担です。無償化後も、園から請求書が届く費目があることを前提に、家計の予定を立ててください。
認可外保育施設・預かり保育は認定を受けてからの利用分が対象
認可外保育施設や幼稚園の預かり保育は、「保育の必要性の認定」を受ける前の利用分は無償化の対象になりません。施設を決めたら、利用を始める前に市区町村へ認定の申請をしておきましょう。

藤井先生加えて、ここで紹介した上限額や基準額は令和8年4月時点のものです。副食費免除の基準や上限額は、制度の見直しで変わることがあります。最新の金額は、こども家庭庁の公式ページか、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。

みさきわかりました。最後に、金額や窓口をまとめて教えてもらえますか?
幼児教育・保育の無償化の基本情報まとめ
併用できる他の支援制度

藤井先生保育料が無償になっても、生活費や税金の負担は別に残ります。ひとり親世帯なら、あわせて次の制度も確認しておくと安心です。
- 児童扶養手当: ひとり親家庭の生活費を支える手当です。保育料の無償化とは別に、家計を支えてくれます。
- ひとり親控除: 所得税・住民税を軽くする控除です。保育料以外の税負担を減らせます。
- ひとり親家庭等日常生活支援事業: 一時的に家事や育児の負担が大きいときに、ヘルパーを派遣してもらえる制度です。保育園の送り迎えなど、日常生活の負担が大きいときに役立ちます。
公式情報・問い合わせ先
問い合わせ先
制度の詳しい内容は、こども家庭庁の公式ページと、お住まいの市区町村の子ども・子育て支援担当窓口で確認できます。認可外保育施設や預かり保育の認定手続きは、通う予定の施設がある市区町村の窓口が担当です。
※本記事は令和8年9月時点の公表情報をもとに作成しています。幼児教育・保育の無償化の上限額、副食費免除の基準、必要書類などは、個別の状況や市区町村によって異なります。最新情報は、お住まいの市区町村の担当窓口でご確認ください。
幼児教育・保育の無償化のよくある質問
シングルマザーですが、ひとり親専用の制度ではないと聞きました。本当に対象になりますか?
対象になります。幼児教育・保育の無償化はひとり親家庭専用の制度ではなく、すべての子育て世帯が対象です。母子家庭・父子家庭も、両親がそろっている家庭も、条件を満たせば同じように利用料が無料になります。あわせて児童扶養手当やひとり親控除など、ひとり親専用の制度も使えるか確認しておくと安心です。
給食費も無償化されますか?
給食費(主食費・副食費)は無償化の対象外で、これまでどおり保護者が負担します。ただし副食費(おかず・おやつ代)は、年収360万円未満相当の世帯と、すべての世帯の第3子以降のお子さんは免除されます。免除に該当するかは、通っている施設や市区町村の窓口で確認できます。
認可外保育施設を利用する場合、いつまでに認定を受ければいいですか?
利用を始める前に、お住まいの市区町村で「保育の必要性の認定」を受けておく必要があります。認定を受ける前の利用分は無償化の対象にならない自治体があるため、施設が決まったら早めに窓口へ申請してください。
0〜2歳で住民税がかかる世帯は、保育料を安くする方法はありませんか?
0〜2歳児クラスで住民税がかかる世帯は、この無償化制度そのものの対象にはなりません。ただし、ひとり親世帯には一般の世帯より低い保育料の区分を用意している市区町村があります。お住まいの市区町村の窓口で、ひとり親世帯向けの軽減があるか確認してください。
私立幼稚園に通っていて、利用料が上限額を超えた場合はどうなりますか?
子ども・子育て支援新制度に移行していない私立幼稚園は、月額2万5,700円が無償化の上限です。利用料がこれを超える分は、これまでどおり保護者の負担になります。
副食費の免除を受けるために、自分で申請する必要がありますか?
認定こども園・認可保育所・新制度に移行している幼稚園に通っている場合は、施設側が所得情報をもとに判定するため、基本的に申請は不要です。新制度に移行していない一部の私立幼稚園では別途申請が必要になることがあるので、通っている園に確認してください。