無料で技能を身につけながら手当をもらう|求職者支援制度は月10万円の生活支援【令和8年度】
無料の職業訓練を受けながら、収入や資産などの条件を満たすと月額10万円の生活支援がもらえる制度です。
給付金すべての子育て家庭が対象 公開・ 更新

みさき失業してから半年、そろそろ次の仕事を考えないといけないんですけど、資格もスキルもなくて…。ハローワークで「求職者支援制度」というのを教えてもらったんですが、これって何なんですか?

藤井先生結論から言うと、無料で職業訓練を受けながら、条件を満たせば月額10万円の給付金がもらえる制度です。先にお伝えしておきたいのですが、この制度はひとり親専用ではありません。雇用保険に入っていなかった人や、失業手当をもらい終えた人など、仕事を探している方を広く対象にした国の制度です。

みさきあ、そうなんですね。じゃあシングルマザーだから使える制度、というわけじゃないんですか?

藤井先生そうです。ただ、ひとり親家庭にとって使い勝手がいい制度なのは間違いありません。無料で資格やスキルを身につけながら生活費が入るので、正社員を目指して学び直したい方には心強い制度です。託児サービスがついている訓練コースもあります。今日は、いくらもらえるか、どんな人が対象か、そして一番大事な「もらえなくなる条件」を順番に見ていきましょう。

みさき「もらえなくなる条件」…そこ気になります。お願いします!
求職者支援制度ってどんな制度?

みさきそもそも、この制度は誰が運営しているんですか?

藤井先生厚生労働省の制度で、実際の相談・申請窓口はハローワークです。大きく分けると2つの支援でできています。1つは「求職者支援訓練」という無料の職業訓練(テキスト代など一部の実費は自己負担)。もう1つが「職業訓練受講給付金」という、訓練を受けている間の生活費の給付金です。

みさき無料の訓練と、お金がもらえる給付金は別ものなんですか?

藤井先生その通りです。訓練は収入や資産の要件を満たさなくても受けられますが、給付金は条件を満たした人だけがもらえます。なので「訓練は受けたいけど給付金の条件に当てはまるか分からない」という場合でも、まずは訓練だけ申し込むことができます。

みさきなるほど。私はパートで働きながら正社員を目指したいので、生活費が出るならすごく助かります。
求職者支援訓練にはどんな種類があるの?

みさき「訓練」というのは、具体的にどんなことを学べるんですか?

藤井先生はい、どちらのコースも受講料は原則無料です。テキスト代など一部の実費だけ自己負担になります。どのコースがあるか、いつから始まるかは時期や地域によって変わるので、ハローワークの窓口や訓練コースの募集案内で確認してください。

みさきパソコンが苦手なので、まずは基礎コースから考えてみようかな。訓練が終わったあとは、自分で就職先を探すことになるんですか?

藤井先生訓練期間中はもちろん、訓練が修了したあともハローワークが引き続き就職支援を行ってくれます。訓練を受けて終わりではなく、そのあとの就職までを一緒にサポートしてもらえる仕組みだと考えてください。

みさきひとり親だと、収入を増やしたいけど資格もないし時間もないし…って思っていたので、無料で学べてお金ももらえるのはありがたいです。

藤井先生まさにそこがこの制度の強みです。一人で家計と子育てを両立していると、「学び直したいけど、その間の生活費が不安」という声をよく聞きます。求職者支援制度なら、収入や資産の要件を満たせば、無料の訓練と生活費の給付金を組み合わせて、資格やスキルを身につける期間の生活を支えられます。次は金額を教えてください!
いくらもらえるの?職業訓練受講給付金の内訳


藤井先生職業訓練受講給付金は、1つの手当ではなく3つの手当の組み合わせです。

みさき職業訓練受講手当だけでも、月10万円もらえるんですね。

藤井先生はい。職業訓練受講手当は月額10万円の定額です。ここに通所手当や寄宿手当が該当すれば上乗せされます。ただしこの金額は「1か月まるまる訓練を受けて、条件を満たした場合」の額で、支給単位期間(1か月ごとに区切られた期間)ごとに支給されるかどうかが決まります。

みさき通所手当というのは、定期券みたいなものを買ってもらえるってことですか?

藤井先生イメージとしてはそれに近いです。訓練施設までの通所経路に応じて計算される実費相当額で、上限は月42,500円です。自家用車やタクシーなど、どんな交通手段でも同じように支給されるわけではないので、通所方法についてもハローワークで確認しておくと安心です。次にお話しする対象者の条件と、出席のルールが重要になってきます。
対象になるのはどんな人?(収入・資産の要件)


藤井先生はい、会社を離職した人だけの制度ではありません。雇用保険の受給が終わった人、自営業をやめた人、そしてあなたのようにパート・アルバイトで働きながら次の仕事を探している人も対象に含まれます。そのうえで、収入と資産の要件を見てみましょう。

藤井先生これに加えて、雇用保険の
被保険者ではないこと、雇用保険の求職者給付(基本手当、いわゆる失業手当)を受給できる立場ではないことが条件になります。なお、本人収入・世帯収入がこの基準を少し超えてしまう場合でも、本人収入が月12万円以下・世帯収入が月34万円以下であれば、通所手当のみ受け取れることがあります。

みさきえ、じゃあ失業手当をもらっている友達も、この給付金を一緒にもらえるってことですよね?

藤井先生いいえ、それはできません。基本手当をもらえる人はこの給付金の対象外です。基本手当をもらい終わった人や、そもそも雇用保険に入っていなかった人(パート・アルバイトの期間が短かった、自営業だった等)が対象です。基本手当をもらいながら訓練そのものを受けられるかどうかは、求職活動の状況によって変わるので、ハローワークの窓口で確認してください。

みさきそうだったんですね、勘違いするところでした。私は今パート勤務で雇用保険に入っていないので、そこは対象になりそうです。「世帯全体の収入」というのは、同居している家族全員分ということですか?

藤井先生そうです。あなた自身の収入だけでなく、同じ家計で暮らしている家族の収入も合わせて計算されます。実家で親や兄弟姉妹と同居している場合は、その方たちの収入も含まれる点に注意してください。あわせて、同じ世帯の中で同時にこの給付金を受け取りながら訓練を受けている人がいないこと、前回の受給から6年以上経っていること、過去3年以内に不正受給をしていないことも条件です。収入や資産の要件を満たしていても、これらに当てはまると対象外になるので注意してください。

みさき条件、けっこう細かいんですね。次は、さっき言っていた「もらえなくなる条件」を聞いてもいいですか?
もらうために一番大事な「8割以上の出席」

藤井先生はい、ここが今日一番お伝えしたいところです。訓練実施日には原則すべて出席し、やむを得ない理由で欠席する場合でも、支給単位期間(1か月)ごとに8割以上出席しないと、その期間分の給付金はもらえません。

みさき8割ってことは、2割まではお休みしても大丈夫ってことですか?

藤井先生単純な日数の割合ではなく、支給単位期間ごとに計算されます。体調不良やお子さんの用事でお休みする日が続くと、思ったより早く8割を下回ることがあります。お子さんの急な発熱でお休みが続く月がある方は、特に注意が必要です。
8割の出席ラインを下回ると
その支給単位期間(1か月)の職業訓練受講手当・通所手当・寄宿手当は、まとめてもらえなくなります。欠席分をあとから取り戻すことはできません。体調管理やお子さんの預け先の確保を、事前に考えておくことが大切です。

みさきそれは怖いですね…。うちは娘がまだ小学2年生なので、急に熱を出すこともあります。

藤井先生8割という基準そのものは変わりませんが、育児や介護をしている方、求職者支援訓練の基礎コースを受講している方は、欠席を証明する書類がなくても8割の出席に含めてもらえる扱いになっています。

みさきそうなんですね、少し安心しました。基準自体が下がるわけじゃないんですね。

藤井先生そういう方のために、託児サービスがついている訓練コースもあります。次でご紹介しますね。
託児サービス付きの訓練コースもあります

藤井先生求職者支援訓練の中には、託児サービスがついているコースがあります。例えば東京都が実施しているコースでは、就学前のお子さんがいて訓練中にほかに預け先がない方を対象に、無料の託児サービスを提供しています(おやつ代など一部の実費は自己負担)。利用できるのは基本的に訓練の実施日だけで、休校日や欠席した日は使えません。

みさき無料なんですね! うちの近くにもありますか?

藤井先生託児サービスの有無はコースによって異なります。すべての訓練コースについているわけではないので、ハローワークの窓口や訓練コースの募集案内で、託児サービス付きかどうかを必ず確認してください。

みさき対象になる子どもの年齢は決まっているんですか?

藤井先生東京都が実施しているコースの例では、生後2か月から就学前までのお子さんが対象です。また、同居している家族など他に預けられる人がいないこと、申込みの時点で保育園などに年契約・月契約で預けていないことも条件になっています。お子さんが小学生の場合は対象にならないコースが多いので、放課後の預け先とあわせて考えておくと安心です。地域や訓練コースによって対象年齢や条件が変わることもあるので、詳しくはハローワークで確認してください。

みさき分かりました。じゃあ具体的にどう申し込めばいいのか、流れを教えてください。
申請までの流れ
ステップ
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ハローワークで相談する
まずはお住まいの地域を管轄するハローワークの窓口で求職の申し込みをして、職業相談を受けます。求職者支援制度の対象になりそうか、どんな訓練コースがあるかもここで相談できます。
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訓練コースを選んで申し込む
受講したい求職者支援訓練のコースを選び、ハローワークで受講申込みをします。コースによっては、訓練実施機関による選考(面接や筆記試験など)があります。
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就職支援計画書を受け取り、給付金の審査を受ける
選考に通ると訓練の受講が決まり、ハローワークから就職支援計画書が交付されます。あわせて、職業訓練受講給付金の対象になるかどうかの審査に必要な書類を提出します。
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訓練開始・毎月の来所
訓練が始まったら、指定された来所日にハローワークへ行き、出席状況の確認や職業相談を受けます。この来所と出席の確認をもとに、給付金が支給単位期間(1か月)ごとに支給されます。

藤井先生そうです。来所日を逃すと、その期間分の給付金は支給されません。この来所日が、いわば毎回の申請期限にあたります。指定された来所日は忘れずにメモしておいてください。振込の時期はハローワークによって多少前後することがあるので、来所日に案内される内容を確認しておきましょう。次は、申し込みのときに必要になる書類を見ておきましょう。
必要書類

藤井先生必要書類は、申請理由や世帯状況、時期によって変わります。以下は一例です。窓口へ行く前に、必ずハローワークへ確認してください。

みさき収入や資産を確認する書類もいるんですね。他にも何かありますか?運転免許証を持っていない場合はどうすればいいですか?

藤井先生マイナンバーカードでも本人確認ができます。どちらも持っていない場合は、健康保険証など他の本人確認書類で対応できることもあるので、ハローワークの窓口で相談してください。書類が足りないからといって諦めず、まずは窓口に行って聞いてみることをおすすめします。持ち物に不安があるときも、電話で事前に聞いてから行くと、二度手間にならずに済みます。
申請するときの注意点

みさき申請するときに、気をつけておいたほうがいいことはありますか?
訓練開始後に収入や状況が変わったら
訓練の途中でパート収入が増えた場合や、家族の状況が変わった場合は、支給単位期間ごとの本人・世帯収入の要件に影響することがあります。転職や再婚、同居する家族が増えた・減ったといった変化があったときも同じです。状況が変わったときは、自己判断せずハローワークに相談してください。
給付金だけを目的に受講しない
求職者支援訓練は、就職につなげるための訓練です。ハローワークでの職業相談や求職活動の状況も確認されながら支援が続きます。給付金の受け取りだけを目的にしていると判断されると、支援が受けられなくなることがあります。

みさき訓練を頑張って、その先の就職につなげることが大事なんですね。

藤井先生そのとおりです。次に、この制度の内容を表にまとめておきますね。
求職者支援制度の基本情報まとめ

みさきこれを見返せば、大事なところが分かりますね。他にも一緒に使える制度ってありますか?
併用できる他の支援制度

藤井先生はい、いくつかご紹介します。求職者支援制度の給付金と組み合わせやすい制度を表にまとめました。

みさき看護師などを目指す場合は、求職者支援制度とどちらを使えばいいんですか?

藤井先生目指す資格が1年以上かかる専門的なものであれば、
高等職業訓練促進給付金のほうが金額も期間も手厚く作られています。一方で、数か月程度でパソコンや事務、介護などのスキルを身につけたい場合は、求職者支援制度の訓練が向いています。どちらが自分に合っているか迷ったら、ハローワークの窓口で両方について相談してみてください。

みさき知らない制度がまだまだありそうです。1つずつ、ハローワークや窓口で自分に合うものを確認してみます。
公式情報・問い合わせ先
問い合わせ先
求職者支援制度についての相談・申請は、お住まいの地域を管轄するハローワークで受け付けています。制度の詳しい内容は、厚生労働省 求職者支援制度のご案内でも確認できます。

みさき今日教えてもらったこと、まずはハローワークに相談しに行ってみます。窓口ではどんなことを伝えればいいですか?

藤井先生「求職者支援制度の職業訓練を受けたい」「職業訓練受講給付金についても知りたい」と伝えれば、担当の方が今の状況(今の仕事の有無、雇用保険の加入状況など)を確認しながら案内してくれます。持ち物に迷ったら、本人確認書類だけでも持って、まず相談に行ってみるのがおすすめです。

藤井先生資格やスキルを身につけながら生活費の心配を減らせる制度です。子育てをしながらでも一歩ずつ進めるように、ぜひ活用してみてください。応援しています。
※本記事は令和8年9月時点の公表情報をもとに作成しています。求職者支援制度の対象認定、収入・資産の計算、必要書類、出席の取り扱いなどは、個別の状況やハローワークによって異なります。最新情報は、お住まいの地域を管轄するハローワークでご確認ください。
求職者支援制度のよくある質問
シングルマザーですが、求職者支援制度は利用できますか?
利用できます。求職者支援制度はひとり親専用の制度ではなく、雇用保険に入っていなかった人や失業手当をもらい終えた人など、仕事を探している方を広く対象にした制度です。母子家庭・父子家庭のどちらも対象になります。
失業手当(雇用保険の基本手当)をもらっていても、この給付金を申請できますか?
できません。雇用保険の求職者給付(基本手当)を受給できる人は、職業訓練受講給付金の対象から外れます。基本手当をもらい終えた人や、そもそも雇用保険に入っていなかった人が対象です。訓練そのものを基本手当と並行して受けられるかどうかは、ハローワークで確認してください。
子どもの急な発熱でお休みが続いたら、給付金はもらえなくなりますか?
支給単位期間(1か月)ごとに、訓練実施日の8割以上に出席していないと、その期間分の給付金は支給されません。8割の基準自体は変わりませんが、育児や介護をしている方、求職者支援訓練の基礎コースを受講している方は欠席を証明する書類がなくても8割の出席に含めてもらえる扱いになっています。お休みが続きそうなときは早めにハローワークや訓練実施機関に相談することをおすすめします。
託児サービス付きの訓練コースは、どこでも利用できますか?
いいえ、託児サービス付きのコースがあるかどうかは、実施している地域や訓練コースによって異なります。すべてのコースについているわけではないので、ハローワークの窓口や訓練コースの募集案内で確認してください。
訓練中にパートやアルバイトをしても、給付金はもらえますか?
本人収入が支給単位期間ごとに8万円以下、世帯全体の収入が30万円以下などの要件の範囲内であれば、働きながらでも対象になります。収入が要件を超えると、その期間分の給付金がもらえなくなるので、シフトを増やす前にハローワークで確認しておくと安心です。
訓練を休んでしまった分の給付金を、あとからさかのぼってもらうことはできますか?
できません。支給単位期間ごとの出席の割合で支給が決まる仕組みのため、欠席によって基準を下回った期間分をあとから取り戻して請求することはできません。
求職者支援訓練にはどんな種類がありますか?
大きく分けて、社会人としての基礎力やパソコンの基本操作などを2〜4か月で学ぶ基礎コースと、医療事務・介護・ITなど希望する職種に合わせた専門的なスキルを2〜6か月で学ぶ実践コースがあります。どちらも受講料は原則無料です(テキスト代などは自己負担)。
同居している家族の収入が高い場合は対象外になりますか?
世帯全体の収入が支給単位期間ごとに30万円以下であることが給付金の要件の一つです。同居している家族の収入も合算して判定されるため、本人の収入が要件を満たしていても、世帯全体の収入が基準を超えると対象外になります。正確な判定はハローワークで確認してください。