入居しやすくなる|公営住宅の優先入居は自治体ごとに仕組みが違う【令和8年度】
公営住宅では、母子・父子世帯を含む子育て世帯などが、抽選の当選率を優遇されたり、専用の住戸枠が用意されたりする「優先入居」の対象になることがあります。
公営住宅の優先入居とは
優先入居の対象になる世帯
| No. | 対象世帯の類型 |
|---|---|
| 1 | 高齢者世帯 |
| 2 | 障害者世帯 |
| 3 | 著しく所得の低い世帯 |
| 4 | 子育て世帯(母子・父子世帯、小さな子どものいる世帯や多子世帯等の特に住宅困窮度の高い子育て世帯を含む) |
| 5 | 若者夫婦世帯 |
| 6 | DV被害者世帯 |
| 7 | 犯罪被害により従前の住居に居住することが困難となった世帯 |
| 8 | 中国残留邦人等世帯 |
優先入居の3つの方式
| 方式 | 仕組み |
|---|---|
| 倍率優遇方式 | 優先入居の取扱いを行う世帯の抽選における当選率を、他の一般の入居申込者より有利に取扱う方式 |
| 戸数枠設定方式 | 募集する住戸のうち何戸かを、優先入居の世帯向けの枠にする方式 |
| ポイント方式 | 住まいの困り具合を項目ごとに点数にして、点数の高い世帯から入居が決まる方式 |

収入基準の考え方(全国共通の枠組みと自治体差)
| 区分 | 国が示す金額(月額) | 位置づけ |
|---|---|---|
| 一般の世帯 | 158,000円 | 自治体が基準額を決めるときの目安 |
| 裁量階層(子育て世帯など) | 259,000円 | 自治体が決められる基準額の上限 |
自治体でどう違うか(確認すべきポイント)

必要書類(一例)
| 書類 | 内容の目安 |
|---|---|
| 入居申込書 | 自治体の窓口や公式サイトで配布される所定の様式 |
| 住民票 | 世帯全員分。続柄がわかるもの |
| 所得を証明する書類 | 課税(非課税)証明書、源泉徴収票など |
| ひとり親であることを証明する書類 | 戸籍謄本、児童扶養手当証書の写しなど(ひとり親専用の枠に申し込む場合) |
| 収入基準に関する申告書 | 自治体所定の様式(扶養親族の状況などを記入) |
申し込みの流れ
-
お住まいの自治体の公営住宅担当窓口(住宅課・住宅供給公社など)を確認する 自治体名で「公営住宅」「市営住宅」「県営住宅」と検索するか、市区町村の代表電話から住宅担当課につないでもらいます。
-
優先入居の実施状況と、自分の世帯が対象になるかを確認する 子育て世帯向けの枠があるか、ひとり親専用の枠があるか、子どもの年齢要件、収入基準額を確認します。
-
募集時期を確認し、募集案内(しおり)を入手する 年1回〜年4回など、自治体によって募集回数が異なります。空き住戸について随時(常時)募集を行っている自治体もあります。募集案内には収入基準の早見表や必要書類が載っています。
-
必要書類を揃えて申し込む 郵送・窓口持参・オンラインなど、申込方法も自治体によって異なります。
-
抽選・選考の結果を待つ 倍率優遇方式やポイント方式の場合、申し込んだからといって必ず入居できるとは限りません。落選した場合は次回の募集で再申込みができるのが一般的です。
注意点
- 優先入居の対象にあたる世帯でも、公営住宅の一般の入居資格を満たすことが前提です。「収入が基準を超えないこと」と「現に住宅に困っていることが明らかであること」の2つが必要で、これに加えて、その自治体に住んでいるか勤めていること、暴力団員でないことなど、自治体が条例で定める条件もあります。詳しくは募集案内(しおり)でご確認ください。
- 優先入居を実施していない自治体もあります。「公営住宅=ひとり親が優先される」と思い込まず、必ずお住まいの自治体で実施状況を確認してください。
- 子育て世帯の年齢要件は自治体ごとに大きく異なります(未就学児のみの自治体もあれば、高校生年代まで対象の自治体もあります)。
- 公営住宅は、収入が基準額以下であることが入居の条件です。基準額を超えると、優先入居だけでなく公営住宅への入居そのものが対象外になります。
- 入居後に収入が基準を超えた場合(収入超過者・高額所得者)、明け渡しを求められたり、家賃が上がったりすることがあります。
募集は年1回〜数回に限られている自治体が多く、申込期間も短い(1〜2週間程度)ことがあります。一度逃すと、次の募集まで数か月〜1年近く待つことになる場合があります。気になる方は、お住まいの自治体の募集スケジュールを早めに確認しておくことをおすすめします。
公営住宅の優先入居の基本情報まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度の名称 | 公営住宅の優先入居 |
| 実施主体 | 都道府県・市区町村(国土交通省が全国的な枠組みを提示) |
| 対象となりうる世帯 | 子育て世帯(母子・父子世帯を含む)、高齢者世帯、障害者世帯、著しく所得の低い世帯、若者夫婦世帯、DV被害者世帯、犯罪被害世帯、中国残留邦人等世帯(国が示す主な事例。実際の対象は自治体が条例等で決定) |
| 優先入居の方式 | 倍率優遇方式/戸数枠設定方式/ポイント方式(自治体によって異なる) |
| 収入基準(国が示す金額) | 一般の世帯:月額158,000円/裁量階層:月額259,000円が上限。実際の基準額は自治体が決定 |
| 収入基準額の自治体例 | 宮崎県営住宅:一般158,000円/裁量214,000円(子育て世帯は未就学児がいる場合) |
| 申請窓口 | お住まいの自治体の住宅課・住宅供給公社等 |
| 公式ページ | 国土交通省「公営住宅の優先入居について」 |
※上記の自治体例は、2026年8月に確認した時点の情報です。制度改正や条例改正により変更される場合があります。実際の利用前に、必ずお住まいの自治体の最新情報をご確認ください。
併用できる他の支援制度
- 引っ越し費用や当面の家賃をどうしても用意できない場合は、ひとり親家庭住宅支援資金貸付で家賃相当額を借りられることがあります。
- 資格取得や転職活動に伴う費用など、住宅資金以外も含めてまとめて借りたい場合は、母子父子寡婦福祉資金貸付金に住宅資金の区分があります。
- 離職や収入減少で家賃の支払いが厳しくなっている場合は、住居確保給付金で一定期間、家賃相当額の支援を受けられることがあります(こちらはひとり親専用の制度ではなく、要件を満たす方が対象です)。
- 東京都にお住まいの方は、東京都の都営住宅の優遇抽せん(ひとり親世帯)もあわせてご確認ください。
- 千葉県にお住まいの方は、千葉県営住宅の入居募集(ひとり親世帯=特枠世帯)もあわせてご確認ください。
公式情報・問い合わせ先
- 国土交通省住宅局住宅総合整備課(電話 03-5253-8111)制度全体の枠組みについて
- 公式ページ 国土交通省「公営住宅の優先入居について」
- 個別の実施状況・申込方法は、お住まいの都道府県・市区町村の住宅担当窓口(住宅課・住宅供給公社等)にお問い合わせください。
公営住宅の優先入居のよくある質問
シングルマザーですが、公営住宅なら必ず優先されますか?
離婚ではなく死別のひとり親でも対象になりますか?
父子家庭でも母子家庭と同じように優先されますか?
抽選に落ちたら次はいつ申し込めますか?
収入基準に入るか自分で計算できません。どうすればいいですか?
この記事の情報は 時点のものです。(初回公開: ) 制度の内容は改正や自治体の運用によって変わることがあります。お手続きの前に、お住まいの市区町村の窓口や公式サイトで最新の内容をご確認ください。
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この記事で触れている関連制度
本文のなかで出てきた制度です。あわせて使えるかどうかは、それぞれの記事と窓口でご確認ください。
- 東京都サービス都営住宅の優遇抽せん(ひとり親世帯)都営住宅の抽せんで、ひとり親の世帯は通常1つの抽せん番号が7つ割り当てられる「乙優遇」の対象になります(優遇倍率7倍)。実際に当たる確率は募集戸数や応募状況によって変わります。対象は年2回(5月・11月)の定期募集のうち「世帯向(一般募集住宅)」で、入居人数2人以上、シングルマザー・シングルファーザーで配偶者がおらず、同居家族が全員20歳未満の自分の子どもであることが条件です。家賃は世帯の収入で決まるので、住まいにかかるお金を大きく下げられます。
- 千葉県サービス千葉県営住宅の入居募集(ひとり親世帯=特枠世帯)千葉県営住宅の空き部屋抽選で、シングルマザー・シングルファーザーの世帯(特枠世帯)は一般世帯より当たりやすくなるよう配慮されています。倍率の数値は公表されていませんが、募集は年4回(4月・7月・10月・1月)、月収158,000円以下などの条件を満たせば申し込めます(この月収額は「給与所得控除」等を差し引いた後の額で、手取り月収そのものではありません)。
- 貸付ひとり親家庭住宅支援資金貸付家賃にあてるお金を月額最大7万円まで、利子なしで原則12か月まで借りられる制度。自治体で「母子・父子自立支援プログラム」をつくってもらったシングルマザー・シングルファーザーが対象です。1年間はたらき続けるなどの条件を満たすと、借りたお金を返さなくてよくなります。月額7万円は令和7年4月以降に決まった分の上限で、令和7年3月までに決まった分は月額4万円までです。
- 貸付母子父子寡婦福祉資金貸付金子どもの学費や引っ越し代など、まとまったお金を利子なし(保証人がいないときは年1.0%)で借りられる制度。シングルマザー・シングルファーザーと寡婦が対象で、使いみちに応じて修学資金・就学支度資金・生活資金など12種類あります。もらえるお金ではなく、あとで返すお金です。借りられる上限は資金の種類ごとに決まっています。
同じ「サービス」のほかの制度
- サービスひとり親家庭等日常生活支援事業シングルマザーやシングルファーザーが、病気や仕事、学校などで家事や育児が一時的にむずかしくなったとき、家庭生活支援員に来てもらえる制度です。利用料は負担するのが原則ですが、生活保護世帯や住民税がかからない世帯を無料とする自治体もあります。額は自治体が決めるため大きく異なり、大阪市・千葉市のように世帯の状況に応じた段階的な料金(1時間150円〜300円)の自治体もあれば、横浜市のように無料の自治体もあります。まずは市区町村の窓口に相談してください。
- サービス生活困窮者自立支援制度(自立相談支援)生活が苦しくなってきたと感じたら、深刻になる前に無料で相談できる制度です。ひとり親家庭専用ではなく、経済的に困窮していれば、シングルマザー・シングルファーザーも、単身の方や高齢の方も相談できます。相談窓口では、仕事や住まい、家計、子どもの学習など複数の困りごとを一つの窓口でまとめて相談でき、必要に応じて住居確保給付金などの支援につながります。窓口の名称は自治体によって異なります。
この記事に間違いや分かりにくいところがあれば、お問い合わせから教えてください。
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