神奈川県の制度
自分の市で確認|神奈川県のひとり親家庭等医療費助成は市町村ごと【令和8年度】
助成 公開・ 更新
この制度は神奈川県にお住まいの方が対象です。全国共通の制度と併用できます。

みさき先生、ひな(小2)の医療費のことなんですけど、うちは神奈川県に住んでいて、ひとり親家庭向けの医療費の助成ってあるのか気になっているんです。

藤井先生いい質問です。神奈川県にもひとり親家庭等医療費助成事業という制度がちゃんとあります。ただ、この制度には知っておいてほしい大事な特徴があるんです。

藤井先生一言で言うと、神奈川県は自己負担額そのものを一切決めていません。県のページを見ても、自己負担が何円になるかという数字が、そもそも出てこないんです。

藤井先生神奈川県の役割は、実際に助成を行う市町村に、費用の2分の1を補助することです。窓口でいくら払うか、所得制限がいくらかは、すべて市町村が決めています。この記事では、その仕組みと、実際に確認できた市の例を順番にお話ししますね。

みさきなるほど、金額を決めるのは市町村しだいってことなんですね。まず全体の仕組みから教えてください。
神奈川県のひとり親医療費助成、まず知ってほしい仕組み

藤井先生このセクションでは、お金と手続きの流れを図でイメージしてもらいますね。


藤井先生図の通り、実施主体は市町村です。神奈川県はその費用の2分の1を補助金として市町村に交付する立場で、窓口でいくら払うかを決めるのは市町村側になります。

みさき県がお金を出しているのに、金額は市町村が決めるんですね。

藤井先生そうなんです。神奈川県の公式ページには「医療機関で受診した場合、窓口で支払う保険診療の自己負担分を助成します」と書かれていますが、具体的な自己負担額も所得制限額も、県のページにはまったく記載がありません。金額そのものが、県のページには一切出てこないんです。

みさきじゃあ、私がいくら払うことになるのかは、神奈川県のホームページを見ても分からないってことですか?

藤井先生そのとおりです。分かるのは市町村の公式ページか、市町村の窓口だけです。次のセクションで、実際に私が確認できた市の例をお見せしますね。
窓口の自己負担はいくら?- 確認できた4市はすべて0円

藤井先生ここが一番気になるところですよね。私が2026年9月に、神奈川県内の市の公式サイトを直接開いて確認できたのは、横浜市・川崎市・横須賀市・茅ヶ崎市の4市です。


藤井先生はい、確認できた4市はいずれも窓口での自己負担が0円でした。それぞれの市のページの表現を見てみましょう。

みさき表現は少しずつ違いますけど、どの市も窓口で払わなくていいってことですよね。

藤井先生今回確認した4市の場合は、窓口で払う金額が実質0円になっています。ただし、ここでとても大事な前提をお伝えしなければいけません。
神奈川県内すべての市町村を確認したわけではありません
神奈川県内には33の市町村(19市13町1村)があります。この記事で自己負担額を確認できたのは横浜市・川崎市・横須賀市・茅ヶ崎市の4市だけです。「神奈川県はどこでも自己負担なし」という意味ではありません。お住まいの市町村が別の場合は、必ずその市町村の公式ページか窓口で確認してください。

みさき4市だけ、っていうのは正直に言ってもらえて助かります。じゃあ、そもそも誰が対象になるのか教えてください。
対象になるのは誰?

藤井先生対象になる年齢は、確認できた4市とも同じ基準でした。18歳に達した日以後の最初の3月31日までのお子さんが対象で、児童に一定の障害があるとき、または高等学校等に在学中のときは20歳未満まで対象が延びます。

みさき高校に通っていれば延びるんですね。うちはひなが小2なので、まだだいぶ先の話ですけど。

藤井先生そうですね。それから対象になる親についてですが、神奈川県のページには「母子家庭・父子家庭の方など」と書かれていて、母子家庭・父子家庭のどちらも対象です。シングルマザーだけでなく、シングルファーザーのご家庭も同じ条件で申請できます。

みさきシンママだけの制度じゃないんですね。うちみたいに離婚したケースだけじゃなくて、死別の場合とかも対象になるんでしょうか?

藤井先生はい、離婚だけが理由ではありません。父母の一方が死亡・生死不明・一定の障害状態にある場合なども対象に含める市が一般的です。ただし正確な要件は市町村ごとの要綱で決まっているので、「うちは対象外かも」と決めつけず、まずは窓口で確認することをおすすめします。

みさきうちは国民健康保険に入っているんですけど、それも関係ありますか?

藤井先生はい、関係します。この助成は医療保険の自己負担分を軽くする仕組みなので、国民健康保険や職場の健康保険など、何らかの医療保険に加入していることが前提になる自治体が一般的です。確認した4市のうち3市(横浜市・川崎市・茅ヶ崎市)は、生活保護を受給している方を対象外と明記しています。生活保護を利用している方は、医療扶助など別の仕組みで医療費が扱われる形になるためです。

みさきうちは国保に入っているので、その点は大丈夫そうです。次は、助成される医療費の中身を見ていきましょう。
助成される医療費の範囲

藤井先生助成の対象になるのは、健康保険が使える治療にかかる自己負担分です。全国的な仕組みとしては、入院・通院・調剤の保険診療にかかる自己負担分が対象で、保険が使えない治療は対象外になります。目安を表にまとめました。

みさき入院した時の食事代は助成されるんでしょうか?

藤井先生入院したときの食事代は、確認した4市ではいずれも助成の対象外でした。保険診療の自己負担分とは別に扱われるためです。入院の予定があるときは、この分は自己負担になると考えておいてください。

みさき予防接種は自費のままなんですね。ちょっと意外でした。

藤井先生予防接種や健康診断は、そもそも病気の治療ではなく保険診療の対象外なので、この助成でもカバーされません。ここは全国どの自治体でもだいたい共通する考え方です。この部分の詳しい仕組みは、
ひとり親家庭等医療費助成制度の全国版記事でも解説しているので、あわせて読んでみてください。

みさき保険が効くかどうかが分かれ目、ってことですね。次は、みんなが気になる所得制限の話を聞きたいです。
所得制限のしくみ- 確認できた3市は扶養1人でも金額が一致

藤井先生ここも神奈川県のページには記載がなく、市町村ごとに確認するしかありません。表を見る前に一つだけ整理させてください。この表の扶養義務者は、お子さんのことではありません。川崎市と茅ヶ崎市の公式ページでは、扶養義務者を「民法第877条第1項に定める人(直系血族および兄弟姉妹)」と説明しています。ご自身の親や兄弟姉妹がこれにあたります。一方、みさきさんが言う「扶養親族」は、ご自身が扶養しているお子さんなどを指します。私が確認できた3市の数字がこちらです。

藤井先生川崎市も金額を公表しているのですが、表の作り方が他の3市と違うので、同じ表には並べられないんです。川崎市は「(1)所得制限限度額について」という別のページで、扶養0人なら2,440,000円、1人なら2,820,000円という限度額を示しています。ただしこの金額は、社会保険料などの相当額(8万円)をあらかじめ足した額で、しかも申請者と扶養義務者で共通の一つの表です。他の3市の表には、この加算をしたという注記がありません。数字だけを見比べると誤解するので、川崎市にお住まいの方は川崎市のページの表をそのまま見てください。

みさき私は扶養親族が1人(ひな)なんですけど、その場合はどう見ればいいんでしょうか?

藤井先生扶養1人は、本人246万円未満・扶養義務者274万円未満で一致していました。確認した3市の話です。扶養が増えるほど限度額も上がるしくみで、横浜市は「扶養が1人増すごとに38万円追加」と書いています。ただしこの「所得」は給与の額面ではなく、給与所得控除などを引いたあとの金額です。さらに養育費の扱いや各種の控除も入ってくるので、ご自身が限度額に収まるかどうかは窓口で確認してもらうのが確実です。

みさき分かりました、推測じゃなくて窓口で聞きます。ちなみに養育費をもらっている場合って、所得の計算に関係してくるんでしょうか?

藤井先生良いところに気づきましたね。茅ヶ崎市では、児童の父または母から養育費を受け取っている場合、その金額の80%を所得として含めると明記されています。養育費を受け取っている方は、この点も所得の計算に影響する可能性があるので、あわせて窓口で確認しておくと安心です。
所得制限で不安になりすぎないでください
所得制限額は市町村によって差があり、所得が限度額以上だと対象になりません。ただし所得の判定には、養育費の扱いや各種の控除など、給与の額面だけでは分からない要素が入ります。確認できたのは4市の、扶養0人と1人の水準だけなので、「うちは対象外かも」と自己判断せず、まずはお住まいの市町村の窓口で確認してみることをおすすめします。

みさきまずは窓口で聞いてみます。じゃあ、実際に申請するときの流れも教えてください。
申請の流れ- 受診する前に医療証が必要

藤井先生ここはとても大事なポイントです。この助成は、病院の窓口でいきなり使えるわけではありません。事前にお住まいの市町村へ申請し、医療証(受給者証)の交付を受けておく必要があります。
ステップ
- お住まいの市町村の担当窓口(こども家庭課・福祉事務所など、名称は市町村により異なります)へ、ひとり親家庭等医療費助成の申請をします
- 審査を経て、対象と認められると医療証が交付されます
- 病院・診療所・薬局を受診するときに、マイナ保険証か資格確認書とあわせて医療証を窓口に提示します
- 提示した場合、その場での自己負担が、お住まいの市町村が定めた金額(確認できた4市では0円)になります

みさき医療証を持っていないと、一旦は普通に医療費を払うことになるんですか?

藤井先生市町村や状況によって取り扱いが異なる可能性があるので断定はできませんが、医療証を提示できないと、いったん通常の自己負担分を窓口で支払い、あとで市町村に払い戻しの手続き(償還払い)をする流れになる場合があります。できるだけ早く申請して医療証を受け取っておくのが、手間を減らすコツです。

みさきなるほど、後回しにしないほうがよさそうですね。申請のときに必要なものってなんでしょう?
必要書類- 窓口へ行く前に準備しておきたいもの

藤井先生必要書類は、申請理由や世帯状況、市町村によって異なります。以下は一例です。窓口へ行く前に、必ずお住まいの市町村へ確認してください。

みさき戸籍謄本まで必要になることもあるんですね。ちょっと面倒に感じちゃいます。

藤井先生面倒に感じる気持ちはよく分かります。ただ一度医療証を受け取ってしまえば、その後の毎回の受診ではマイナ保険証か資格確認書と医療証を見せるだけで済みます。最初の手続きだけ乗り越えれば、あとはぐっと楽になりますよ。

みさきそれを聞いて少し気が楽になりました。他に気をつけておくことはありますか?
注意しておきたいこと
現況届・更新手続きを忘れずに
多くの市町村で、この助成を続けて受けるには毎年決まった時期に現況届などの更新手続きが必要になります。時期や書式は市町村によって異なるため、医療証を受け取るときに「いつ、どんな手続きが必要か」を一緒に確認しておくと安心です。手続きを忘れると、一時的に医療証が使えなくなることがあります。
転居・再婚などで資格が変わることがあります
神奈川県内の他の市町村へ引っ越したとき、県外へ引っ越したとき、再婚したとき、児童が18歳(高校卒業相当の年度末など、扱いは市町村により異なります)を迎えたときなど、状況が変わると資格の見直しが必要になる場合があります。「前の市町村で医療証をもらっていたから大丈夫」と思い込まず、状況が変わったタイミングで一度窓口に相談することをおすすめします。

みさき引っ越しのときは要注意ですね。ところで「子ども医療費助成」っていうのも聞いたことがあるんですが、これとは違うものなんでしょうか?
「小児医療費助成事業」との違い

藤井先生いい質問です。神奈川県には、ひとり親家庭に限らないすべての子育て世帯向けの「小児医療費助成事業」という別の制度もあります。神奈川県のページによると、こちらは中学校卒業までの入院、小学校卒業までの通院を対象にした県の補助基準で、対象年齢・所得制限・一部負担金の有無は市町村ごとに独自の基準を設けています。

みさきじゃあ、ひとり親家庭は両方使えるってことですか?

藤井先生両方を同時に使うことはできず、どちらか一方が適用されます。神奈川県のページには、小児医療費助成は「他の医療費助成の対象とならない場合に」助成すると書かれていて、ひとり親家庭等医療費助成のほうが先に使われるしくみです。ただしどちらが有利かは市町村によって変わります。たとえば横須賀市は、小児医療費助成を18歳の年度末まで実施しており、所得制限は設けていません(年齢など、所得以外の要件はあります)。そのため、ひとり親家庭等医療費助成の所得制限を超えた場合でも、お子さんの医療費は小児医療費助成でカバーされることになります。ひとり親家庭等医療費助成のほうは、親御さん自身の受診も対象になるのが大きな違いです。お住まいの市町村でどちらが適用されるかは、窓口で確認してください。

みさき名前が似ているので、うっかり混同しそうです。最後に、金額や窓口をまとめて見られる表があると助かります。
ひとり親家庭等医療費助成事業(神奈川県)の基本情報まとめ

みさきこれはスクリーンショットして保存しておきます。神奈川県で他に使える制度があれば教えてほしいです。
併用できる他の支援制度

藤井先生この医療費助成とあわせて確認しておきたい制度をいくつか紹介しますね。それと、今日お話しした通り、この医療費助成は神奈川県の制度だけでなく、お住まいの市区町村が独自の上乗せや助成を行っている場合もあります。市役所・区役所・町村役場のこども家庭課などの窓口で、市区町村独自の制度がないかもあわせて確認してみてください。
あわせて確認したい制度
- 全国共通の制度として、ひとり親家庭等医療費助成制度という国レベルの解説記事もあります。神奈川県のように市町村実施型の自治体は他にもあるので、他の都道府県に引っ越す予定がある方は目を通しておくと役立ちます
- 所得に応じて受け取れる児童扶養手当は、この医療費助成の所得制限を考えるうえでも目安になる制度です。まだ申請していない方は、あわせて確認してみてください
- 看護師・介護福祉士・保育士を目指す方には、神奈川県独自の上乗せがある特定高等職業訓練促進給付金(神奈川県)もあります
- 一時的にまとまったお金が必要なときの選択肢として、母子父子寡婦福祉資金貸付金があります
- 税金の面ではひとり親控除も知っておくと役立ちます

みさきリンクをたどってみます。市区町村の窓口にも確認してみますね。

藤井先生よくある質問は、このページの下にまとめてあります。
公式情報・問い合わせ先
※本記事は令和8年9月時点の公表情報をもとに作成しています。ひとり親家庭等医療費助成事業の対象認定、所得の判定、必要書類、自己負担額などは、個別の状況や市区町村によって異なります。最新情報は、お住まいの市区町村の担当窓口でご確認ください。
よくある質問
シングルマザーですが、神奈川県のどの市町村でも医療費は無料になりますか?
神奈川県はこの制度の自己負担額を示していません。実際に窓口の自己負担額を決めているのは市町村です。今回確認できたのは横浜市・川崎市・横須賀市・茅ヶ崎市の4市で、いずれも自己負担0円でしたが、県内33市町村のうち確認できたのはこの4市だけです。お住まいの市町村の窓口かホームページで必ず確認してください。
父子家庭でも同じように使えますか?
はい。神奈川県の公式ページでも「母子家庭・父子家庭の方など」と表記されており、母子家庭・父子家庭のどちらも対象です。必要書類や所得制限も基本的に共通ですが、念のため窓口で確認しておくと安心です。
所得制限はいくらですか?
神奈川県のページには記載がなく、市町村ごとに確認するしかありません。今回確認できた横浜市・横須賀市・茅ヶ崎市では、扶養親族0人で本人2,080,000円未満、扶養親族1人で本人2,460,000円未満と一致していました。川崎市も限度額を公表していますが、社会保険料相当額8万円を加算済みの数字で、申請者と扶養義務者で共通の表という違いがあります。いずれも確認できたのは県内33市町村のうち4市だけなので、お住まいの市町村の窓口で確認してください。
児童扶養手当をもらっていないと、この医療費助成は使えませんか?
児童扶養手当の受給が必須の要件というわけではありません。この制度は独自に所得制限を設けており、児童扶養手当を受けていない場合でも、まずは医療費助成を単独で申請できるか窓口に確認してみてください。
引っ越しで別の市町村に移ったら、医療証はそのまま使えますか?
使えません。引っ越し先の市町村で改めて申請し、新しい医療証の交付を受ける必要があります。自己負担額や所得制限も市町村ごとに違うため、転居前に転居先の制度内容を確認しておくと安心です。
養育費を受け取っていると、所得制限の判定に影響しますか?
市町村によって扱いが異なりますが、茅ヶ崎市の公式ページには「児童の父または母からの養育費を受け取っている場合は、その金額の80%を所得として含みます」と明記されています。養育費を受け取っている方は、お住まいの市町村にこの点も確認しておくと安心です。